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機械と私は鬼のいない世界へと向かう。8

「ええ、そうです。ここに集められたのは他でもない。とても貴重な人間たちだけです。平行世界では何が起こるか全くの不明です。ですので、今までの調査から平行世界での存在の確認が出来なかった。つまり、過去のような世界や現在のような世界では死亡、または行方不明である人々をここに集めました」


「私たちは生存率が低い人間たちということかね?それでは何も安心できないではないか。護衛の兵も役に立つか分かったものではない」


「生存率が低い訳ではないのです。間違って理解してもらっては困ります。ただ存在が確認されなかった。限られた時間内に持ち帰った資料に名前がなかっただけなのです。もしかしたら、博士などは他の国で生活や他の職業に就いていて確認が出来なかっただけかもしれません。その点でも皆様は特別だと確信しております。多世界で異なる生き方をするずれの大きな人間、特異点であると。そんな皆様を調査隊にすれば、他の世界で我々と同じ人間で調査をする輩は出ない、出づらいということです。他の世界の我々と同じような調査班の中で我々より一歩先んじることなどできません」


「仮に。仮にだ。その一歩先を歩んでいるとしよう。どの世界の私たちもこの調査に失敗すると決まっているから他世界からの侵略が起きていないとしたらどうするのだね?私たちの行動は初めから結末が決まっている。そんなことにはならないかね?」


「つまり、今回のワープで逆に侵入を許すと?」


「それも含めて、だ。何が起きるか分からないのだ。最善の策を練らなければならないだろう?」


「それはないでしょう。我らの調査では皆様が一番特異な存在でした。仮にこのワープゲートを開いた瞬間、あちらから特異点のいない集団が襲ってくるとしても、我々にだけは勝機があります」


「まだ何か情報を隠しているのか?教えたまえ。我々にとってこの計画が参加する価値のあるものだと証明できるものを」


「解りました。これはまだ解明されてはいないのですが、ドッペルゲンガーという物をご存じですね。あれは何らかの影響でこのワープゲートの様な物が発言した際の。タイムクエイクですね。その際にこちら側にあちら側から同じ人間が来てしまった現象だと我が研究所では確信しております」


「それで」


「このワープでも起こったのです。ドッペルゲンガーが。それもそうでしょう。こちらとあちらはずれはあっても殆んど同じ様な世界であると今までの調査から分かっています。ですからこちらからあちらに向かったスタッフの中に自分と合ってしまった者がいるのです。それから――」


 チャーチルがここで一層嬉しそうにした。


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