機械と私は鬼のいない世界へと向かう。26 侵入
あまりにすんなりと入れてしまった。
これなら何も問題なくマザーの元まで行ける。
だが、その認識は甘かった。
私が監視塔の中に入って中を監視者と共に駆け抜けると次第に周りを機械たちに取り囲まれてしまった。
初めは良かった。
監視者と共にいるのでこちらを機械たちが攻撃してくる事は無い。
その機械に見られないように監視者にカメラを隠させ、私が電子基板へ繋がるコードを隠していたナイフで切断してしまう。
しかし、こうも数が多いとカメラを隠しきれない。
ナイフがちらりとでもこの機械たちのカメラに映れば、私は何をされるか分かったものではなかった。
機械の行列を伴い監視塔内をマザーを探し回る。
見つける事が出来てもマザーを破壊しようとすれば機械たちも抵抗をするだろう。
その時にどうする?
私は何が出来る?
意気込んで来てはみたものの、あまりに考えが浅かったか。
私はこの塔へ入る事が出来たが、本来廃棄される人間がここから出たのを見た者はいない。
私が一歩でも外へ出ようとすれば、機械たちに既に下された命令の中から私への対処が決まってしまうかもしれない。
機械たちはまだ私とこの監視者を廃棄される人間とその監視としてしか捉えていないだろう。
ならその今がチャンスだ。
何処まで行けるか分からないが、マザーを見つける事が出来ればそれをダニーからみんなに伝えてもらえる。
そうなれば私がこの中に入り込んだ事は無駄にはならない。
そんな悲観的な考えが頭を過ぎる。
私は機械に復讐をするのではなかったか?
こんな事で諦めていいのか?
良い訳がない。何か考えなければ。私が機械、この屑鉄たちに復讐を成し遂げ、なんとか生きて帰る方法を。
その時、何かとても大きな破裂音が聞こえた。




