機械と私は鬼のいない世界へと向かう。24 正体不明
妙な静けさだ。この正体不明の場所。
ゲートのある部屋から扉を抜けて内部に侵入したが、どうにもここは静かすぎる。
人のいた形跡はある。
所々に土だの車輪の跡だのがある。何かを運んだのか。
だが静かすぎるのだ。形跡はあるが人の気配はない。おかしい何かがおかしい。
あの機械の人形たちの待ちうけていた平行世界もおかしかったが。
俺の勘が言っている。ここは何かがおかしいと。
俺たちの息遣いに足音ぐらいしか聞こえてこない静寂。
通路も何かおかしい。
一直線に伸びているだけだ。
さらにしばらく歩くとやっと変化があった。十字路になっている。
三手に道が分かれているのだ。
一つは土と車輪の跡がある。
一つは車輪の跡のみ。
最後の一つは綺麗なものだ。何の跡も見当たらない。
「おい。俺はこの、車輪の跡がある道を行くぜ。お前たちはどうする?ここは危険を伴っても別れるべきだ。そもそもが、大人数で探索なんて馬鹿げていたんだ。最低五人ずつに分かれろ」
「ですが情報を通信できるのは私たち二人だけですよ」
一人のチャーチルが寝言を言う。
「ならお前たちはそっちで別れろ。俺の方はテレパスはいらん。やばくなったらすぐ戻る。それで待機している奴に情報を送ってもらう。それでいいだろう?」
「分かりました。では私はこの道を」
ツインズは物分かりがいい。
兵士としての訓練を他のチャーチルより受けていることが自信に繋がっているのか。そんなものは糞だが、この際どうでもいい。
「おら。お前たちも分かれろ。元々が寄せ集めの部隊なんだ。個々の意思で動け」
俺の所には三人か。十分だ。足手まといが増えるよりは役に立つ。俺の盾として、武器として。
俺たちは通路を進みだした。何かを運び出した跡のある道を。車輪の跡を辿ってその目的地まで一直線に向かう。




