表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/31

機械と私は鬼のいない世界へと向かう。22

 私がまだ監視者に飼育されていた時の事だ。


 私は誇らしかった。


 自分が他人より素晴らしい成績を残す事が。


 自分がどの人間よりも優れた体力を持っていた事が。


 そんな私に張り合ってくる女がいた。名前は知らない。


 ただ体力の維持と効率の良い老廃物の排出のための集まりの際に、私の走りについてこようとする者がいたのだ。


 息切れをしながら、足元が縺れながら。


 醜いと思った。


 私のように走れず。

 私のように素晴らしい肉体を持っていない彼女が。

 彼女に対して言い様のない嫌悪感は日に日に募り、遂に彼女にあることをしてしまった。


 彼女が息も絶え絶えにしているのを私は眺めるしか出来なかった。

 監視者は直ぐに来たが彼女を救おうとはしなかった。


 私だ。


 私が意思の元に行動したのだから、それに対して彼女の監視者は意思で対処しなければならない。


 私の悪意は実ってしまった。


 彼女は次第に息をしなくなった。それでも監視者は動かない。


 彼女は動かなくなった。


 それで監視者はやっと動き出した。


 彼女を抱えると監視塔の方へと向かい出す。私はそれがとても気に入らなかった。


 それからだ。

 私が屑鉄に嫌悪感を抱くようになったのは。


 それはシドに遺伝子の調査をしてもらった後には私の体自身にも及んだ。


 これは私の物ではない。機械が作った身体だ。


 その感情は全く拭えない。


 自分が自分でない様な感覚、まるで意識でさえも弄られているような不信感。

 これを私が克服するには何が必要か。何をすればこの気持ちが少しでも晴れるのか。それだけを考えて生きている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ