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鑑定士探偵と医学生探偵      作者: ビントロッコ
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日常と何か

私の名前は秋月夕。年齢は26。「夕」なんて女の子ぽい名前だがれっきとした男である。職業は古物商兼鑑定士。両親が古物商だったが一昨年夫婦共々輸入先で行ったアフリカの方で感染症を患ったとかなんとかで家族に死死に顔も見せない間も無く逝ってしまった。この店も亡くなったから閉めようと親戚に言われたが多かれ少なかれ私はアンティークな物は二人の入れ知恵や自分で調べたりと人に教えられる程度の知識はある。例えばそのガラスケースに入っている腕時計は大体150年前に有名な時計職人が作ったとかあそこにあるティーカップセットは200年前に作られた物だとかなんやかんや古い物はおいてある。流石世界を股にかけて仕入れただけの事はある。たまに来る常連の老夫婦はフランス人形を見てベタ褒めしてたしふらっと立ち寄ったとおもわれるOLさんも可愛いなどと評価してくれた。余程センスの良い物なのだろう・・・私には碧眼の呪われ人形にしか見えんが。大抵のB級のホラー映画は人形が動いたりするものだろう?けっして愛でるような品物じゃないが。因みに私はそういうホラー映画は苦手だ。

どうしてこんなちょっとした自己紹介とこの店についての説明を独り言のように呟いているのは今この店にはお客さんが一人もいないからだ。夏もまだ大分続きそうな8月中旬現在時刻は午後2時を少し過ぎた所、一人ぐらい来てもいいと思うがあまりの暑さにその願いはほぼ100%通らない。どうしてこんな経営状況なのに店を続けられるのかは先ほど述べた老夫婦が1つ10万するようなカップやイヤリングを買ってくれるからである。あの老夫婦はとんでもないお得意様という事である。でも店に来るのは月に1度か2度来る程度後は全く来ない。だから恐ろしく暇なのだ。


「ゆうさ~ん。この箱ここで良かったですか?この箱とてつもなく重いんで早く降ろしたいんですけど・・・」

「そうだった。そうそうその場所で良いよ。中身出していい感じに並べて置いて」

彼女は山西志乃。年齢は16。職業は学生、高校2年生。今年の春ある日突然店にやってきて「可愛いですね。ここにある物全部!」と言って

「どうもありがとう」と社交辞令を述べたら

「ここで働いてもいいですか?」

と言ってきた。会って数分も経たない店主に雇用を求めるとは自立心が強いと思いつつ絶句してしまった。

断る理由も特には無いので仕方なく雇ってあげた。それが彼女と私の出会いである。今では週4日で入ってもらい土曜日は朝の開店の11時から閉店の8時まで店に居てもらっている。基本お客さんは来ないからレジの所で携帯をいじっても別に咎めはしないし、なんなら自分が居る時は寝てもらっても構わないという自分で言うのもなんだが超ホワイト企業だと自負している。だがらその交換条件として品物の陳列は彼女に任せっきりだし一応古物商だから店の仕入れの為に数日店を開ける時は急遽入ってもらっている。

「それで、今回はどんな物を仕入れてきたんですか?この前みたいなよく分からない巻物だったら承知しませんよ。」

ひどい言いがかりである。確かに2週間程前に私は中国で面白そうな巻物見つけた。なんでも1000年ぐらい前の地理書の複製版なのだが思わず見惚れてしまい買ってしまったのだ。そして巻物を持って店に帰ってきたら激怒という結果になってしまった。私が店主なのだから何を仕入れてもいいじゃないか。彼女曰くもっと可愛らしい物か美しい物しか今の時代売れないらしい。良いではないか地理書・・・かっこいいではないか・・・地理書・・・。

「今回は地理書じゃなくて西洋の仮面でなんでもヨーロッパ中紀の仮面で仮面舞踏会に使用された物で大変歴史ある品物で・・・」

「またそんなよく分からない物買ってきて何がしたいんですが!この店はあなたのコレクションを収集するとこでは無いんですよ!」

またこれだ。結局の所彼女のお眼鏡に合わないと店に置いてもらえないのだが文句を言いながらもしっかり綺麗に仮面を並べる姿はいささか可愛いものである。だからといって彼女に異性としての意識は無い。例えるならお盆やお正月に親戚の女の子が大きくなってたなあと感動する。そんな感じの印象だ。決して好意は無い、決して。

「夕さんはもっと乙女心を分かって仕入れて貰わないとあのおばあちゃん達が来なくなったらお店潰れちゃいますよ。いい加減に分かってくださいよ」

そんな事を言っても今時の女性や女の子の気持ちなんて分かるはずもないし最後に彼女が居たのももう7~8年ぐらい前の話である。そういえば彼女は元気にしているのだろうか。いかん昔の女に気を取られてはいけない。女々しい感じになるではないか。

「まあ善処するよ」

とそっけない言葉を返しといた。その瞬間ドアに付いているベルの音が鳴った

「お二人さん。あんたらの喧嘩外まで聞こえてるよ。全く今回は夕はどんなもん持って来たんだ?」

とニヤニヤしながら店のドアに突っ立ている男がいた。

彼は木之下友禅。年齢は26歳で職業は探偵。友禅は高校のクラスメイトであり卒業と同時にそこそこ大きい企業の側にはいる探偵事務所に入ったのだが、自分が思っていた探偵業とは違いそこで探偵のノウハウを教えてもらって即退社したそうだ。これが4年前の話である。親友と言えば親友だった私の元へ来たとき仕事を辞めたという報告とこれからの夢について大きく語っていた時に私の両親が感激し店の上の空き部屋を探偵事務所として使ってよいと言って以来そこで「友禅探偵事務所」として開業した訳である。今では、やりたくなかった浮気調査などを渋々であるがやっているらしく「早い 安い 堅実」とまるで牛丼のような3拍子でここらの地域ではそこそこ有名で何かあれば友禅のとこに行けば何とかなるという状況である。

因みにこの家の構造は1階が店2階が事務所3階が私の私室になっている。

「どうでもいいから暑いからドアを閉めろ。友禅」

「暑いですから早くドアを閉めてください。友禅さん」

この暑い季節とは裏腹に冷たい言葉が友禅を襲う。そういわれそそくさとドアを閉め二人に近づいた友禅はこの暑さのせいで額に汗がたくさんでている。それを見ただけでこの時間帯には絶対に出たくないと心の中で断言してしまった。

「こりゃまた変な物を買ってきたな。だがまあ前回のよくわからん地理書だっけ?それよりはずっとマシだけどな。」

どれだけ地理書がお気に召さなかったのか。心なしか志乃ちゃんの表情が若干ドヤ顔になっているようだがそこは気にしないでおこう。

「それで友禅は何か用があって店に来たのか?」

咄嗟に話題を変えようと試みた。

「そうだ。別にこれといった理由は無いんだが仕事が大体落ち着いたからここに遊び来たって訳よ」

特に理由も無いのであれば仕事をやれば良いのにと思ったがそれは言わなかった。いや、正確に言えば言えなかったのである。

「特に理由が無ければ仕事やっとけばいいじゃないですかぁ」

言った。言ってしまった。社交辞令などを知らないのか?今時の女子高生は?たとえ相手が軽くフリーター的な探偵であっても相手は一応年上なのだから敬意というものが無いと駄目であろうとやはり今の子と私の子供時代とはやはり別物になってしまったのであろうか。

友禅は微笑していた。正確には恐らく苦笑いだろう。

「まあ・・・まあ仕事の息抜きってやつだよ。切羽詰まった仕事ではハイクオリティな結果は出ないってどっかの誰かが言ってた」

なんとなく納得したような感じで志乃ちゃんは頷いていた。

(志乃氏!それは立派に言いくるめられてるぞ!)

そんないつもと変わらない平凡な日常。それはいきなりやってきた。

ドアのベルを鳴らし現れた真っ黒な二人組の男によって日常は非日常に変わり悪魔がこれから私達に凄惨な物を見せる為に遣われた従者のようだった。




これで第1話という事ですが、中途半端な所で終わってしまい申し訳ございません。それに語彙力が低いので何を言っているんだって状態になってしまったら弁解の余地などございません。初心者なので何卒よろしくお願いします

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