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序章 5

「さあ。来い。息子よ!……」

「えーい!やー!……」

 劉儀が立つ門の向こうから関邦とその息子のまだ幼い関遼【かんりょう】が

薙刀なぎなたの稽古をする声が聴こえてきた。

 劉儀は関邦が息子と薙刀の稽古をしているのを眺めながら、

”もしかしたら、関邦なら今の黒孤国の兵のことがわかるかもしれない”と想い、

「鳴呼。やっているな。二人とも……」

 と言い、関邦の家の門を潜った。

 関邦は息子の関遼の力を込めた渾身の一撃を軽く受け止めると劉儀の方を向き、

「鳴呼。劉儀か。北方から帰ったのか……」

 劉儀に声をかけた。

「ああぁ……」

 だが、劉儀の表情は暗く曇っていた。

 関邦は劉儀の曇った表情を見て、何かあると感じると薙刀を払い、

「今日はここまで! 息子よ。わしは劉儀殿と話があるから

お前は下がっていろ!」

 息子の関遼に自分の薙刀を渡すと近くの庭石に腰を下ろした。

 関邦は吹き出る汗を手拭いで拭いながら

「劉儀よ。わしに何か、話があるのではないのか?……」

 劉儀に話しかけた。

 劉儀は自分の考えを関邦に見透かされているようでドキッとした。

「まあ。そこに立っていないで座れよ!」

「ああぁ……」

 劉儀は頷くと関邦の横の庭石に腰掛けた。

「……」 

 そのまま、劉儀と関邦の重い沈黙が続いた。

「劉儀よ。今回、来たのは北方のことであろう?……」

 関邦は重い沈黙を破るかのように劉儀に語りかけた。

 劉儀は関邦に北方のことを隠してもしょうがないと想い、

「じ、実はなぁ……」

 関邦に北方での黒孤国の兵士らの異様な強さのことを話した。

「やはりなぁ……」

 関邦は北方で劉儀達が負けるのを予想していたようだった。

「関邦はわれらが黒孤国の兵に負けるのをわかっていたのか?……」

「ああぁ…… あの者らは黒孤国の兵であって、黒孤国の兵ではない!」

 関邦は今の黒孤国の兵の異様な強さの秘密の一つを劉儀に話した。

「では、あの者らは……」

「ああぁ…… もはや、あの者らは黒孤国の兵ではない。

あの者らは深き闇の手下だ!……」

「う、嘘だろう!……」

 劉儀は関邦の言ったことに驚いた。

 だが、関邦は至って、冷静な顔で

「嘘ではない! あの者らは今では深き闇の意のままに動く兵と

なっているはずだ!……」

 劉儀にそう告げた。

『嘘だろう!……』

「で…… 何か、あの者らに勝つ方法はないのか?……」

 劉儀は驚いた顔のまま、関邦に今の異様な強さの黒孤国の兵らに

勝つ手立てを聞いた。

「さあ……」

 だが、関邦もそこまでは知らなかったが黒孤国の兵らの弱点などを

劉儀に話して聴かせた。

 劉儀は関邦から教えてもらった今の黒孤国の兵らのことを手立てを携え、

獅幻らと共に再び、北方の黒孤国の兵の討伐に向かった。

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