第3章 3
「おおぉ。王居殿が私らの援軍に来たようだ!」
趙燕は王居の旗を掲げている徐嬰の軍勢の出現を喜んだ。
だが、庖鋭は顔を曇らせたまま、
「おそらく、あの王居の軍勢はあなた方の援軍ではなく、
貴方達を捕まえに来たのでしょう……」
冷たく、趙燕に言い放った。
「えっ?…… なら、どうしまよう? このままだと……」
うろたえる趙燕に庖鋭は
「これも運命か……」
と呟くと
「お持ちの矢を一本、頂けますか?」
庖鋭は趙燕から矢をくれるように頼んだ。
趙燕は矢を何にするのか、わからなかったが
庖鋭の言われるままに一本、矢を庖鋭に差し出した。
「★◇▼£#&∞……」
庖鋭は矢に不思議な呪文を掛けると
「これを天に向かって、撃ってください!」
趙燕に矢を渡した。
趙燕は庖鋭の言われるままに矢を空に
向かって撃つと趙燕の放った矢は真っ直ぐに空に上がると
眩いばかりの光を放った。
趙燕がいないことに気付いた郭喩は劉・小狼らと共に
趙燕のことを探していると獅睡橋の方向から眩いばかりの
光が輝いていることに気付いた。
「もしや……」
一律の不安を感じた郭喩は急ぎ、関遼と張爛を獅睡橋に
向かわせた。
「こ、これからどうしましょう……」
趙燕は身体を震わせながら、庖鋭に次の指示を仰いだ。
「先ほど、放った矢で直にここに豪羅から
援軍が来るでしょう…… それまではわれらが
ここを死守しないといけないでしょう!」
庖鋭は徐嬰が獅睡橋を簡単に渡って来れないように
獅睡橋の辺りに色々と細工をし始めた。
趙燕も庖鋭と獅睡橋を死守すべく、庖鋭と共に獅睡橋に
色々と細工をし始めた。
それから半時後……
ついに獅睡橋に徐嬰が率いる軍勢が現れたが
直ぐには徐嬰は獅睡橋を渡って来れなかった。
庖鋭が仕掛けた細工【幻影】によって、
足止めをさせられていたがそれも長くは持たなかった。
徐嬰は直ぐに庖鋭の細工(幻影)を見破り、
獅睡橋を渡り始めた。
趙燕と庖鋭は何とか、徐嬰の軍勢を獅睡橋から
渡って来れないように徐嬰の軍勢に矢を射掛けた。
しかし、徐嬰の軍勢の勢いは止めることが出来なく、
徐嬰の軍勢は獅睡橋を渡り、庖鋭に襲い掛かった。
「あ、危ない!……」
趙燕は庖鋭の前に立ち塞がり、徐嬰の軍勢の攻撃を
庖鋭に代わって、受けてしまった。
再び、庖鋭らに徐嬰の軍勢が襲いかかろうとしたその時、
「庖鋭殿…… 趙燕……」
と叫びながら、関遼と張爛が庖鋭らのもとに
駆け寄ってきた。
関遼と張爛の活躍により、徐嬰の軍勢を獅睡橋の対岸まで
押し返した。
その後に駆けつけた私(劉・小狼)の軍勢に獅睡橋の護らせると
庖鋭と共に関遼と張爛は豪羅城に引き上げた。
水蓮の素早い手当てによって、趙燕の怪我は大したことはなかった。
劉・小狼は無事だった庖鋭に
「良かった。庖鋭殿がご無事で…… 後で配下の者に
ご自宅まで送らせましょう……」
というと庖鋭は劉・小狼の前に歩み出て、深々と拝礼すると
「それはご無用です! これから謹んで小狼殿に
お使いしましょう!…… 私の力をご存分にお使いください。」
劉・小狼の仲間になることを告げた。
新しく、劉・小狼の仲間に加わった庖鋭は獅睡橋に
留まっている徐嬰を排除しようと思い、王居に今の状態を
手紙を出した。
自分の許可なく、勝手な行動を起こしている徐嬰に
王居は激怒し、自ら軍勢を率いて、徐嬰を捕らえた。
ここに獅睡橋の攻防は庖鋭の策謀によって、
アッという間に終結した。




