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第2章 3

 うぅぅ・・・。


 餓えた野犬達は唸り声を上げながら、目の前に現れた

銀色の狼に襲い掛かろうとしたが……


 銀色の狼にと目が合った途端、尻尾を下げ、身体を

震えさせ始めた。

 いや、餓えた野犬達が怯えたのは銀色の狼と

目が合ったわけじゃなかった。

 餓えた野犬達が本当に恐れ、怯えたのは

銀色の狼の遥か、後ろにいた覆面をした男と

目が合ったからだった。

 それでも餓えた野犬達は劉・小狼らに向かおうとしていたが

再び、覆面の男の鋭い眼差しを見た途端、蜘蛛の子を

散らすかのように劉・小狼らの前から逃げ去った。

 劉・小狼らのその覆面の男の鋭い眼差しを感じた途端、

まるで金縛りにあったように身動きが出来なかった。

そんな劉・小狼らの周りを銀色の狼は獲物を見定めるかのように

遠巻きに廻っていると

 「銀閣【ぎんかく】! 帰るぞ!」

 覆面の男は劉・小狼らの周りを廻っている銀色の狼を

呼び戻した。

 覆面の男は劉・小狼らに何も言わず、鋭い眼差しを向けると

銀色の狼と共に何処かへと消え去った。

 覆面の男がいなくなった途端、劉・小狼らを縛り付けていた

重い感覚も消え、動けるようになった。

 「なんだったんだ?」

 覆面の男によって、危機が去った劉・小狼らは

野宿をしていた所に帰ろうとしたその時……

「わ、我が子よ……」

 劉・小狼を呼ぶ声が何処からか聴こえてきた。

 『え?……』

 劉・小狼がその声に後ろを振り返ったがそこには

声の主は何処にもいなかった。

 そこにあったのは今は崩れ去り、原形を留めていない

劉・小狼の父・劉儀の居城の燦漸群があるだけだった。

 『気のせいか?……』

 劉・小狼がそう思い、関遼らの後を追い駆けようとした時……

 「我が子よ!……」

 再び、劉・小狼を呼ぶ声が聴こえた。

 気のせいなんかじゃない。

 確かに劉・小狼を呼ぶ声がある。

 劉・小狼は声に導かれるまま、今にも崩れ去りそうな

燦漸群の中へと入っていた。

 『俺を呼ぶ者だ?』

 劉・小狼は声に導かれ、燦漸群の奥の部屋に行くと

そこには床に突き刺さった一本の剣が月明かりに

照らされ、輝いていた。

 その剣に共鳴するかのように劉・小狼の携えていた

光の結晶で出来た剣が光り輝いたかと思うと劉・小狼の前に

劉・小狼の父・劉儀が現れた。

 「息子よ! よくぞ、ここまで来た!……

わしはもうお前に何もしてやれぬが邪悪と戦うために

わしの剣【龍牙神りゅうがしん】を持っていくが

良い!……」

 劉儀は息子である劉・小狼にそう言うと眩いばかりの

光を放ち、その場から姿を消し去った。

 「兄貴~! 何処だ!」

 関遼らが劉・小狼を探す声に我に返った劉・小狼は

父・劉儀から託された龍牙神の剣を腰に携携え、

関遼らの元に慌てて、戻った。


 翌日、劉・小狼らは進むべき道を決めかねていた。

 すると、龍牙神の剣と劉・小狼らの光の結晶で作られた

武器が共鳴し合い、地図上の次、自分達が進むべき道を

指し示した。

 そこは杜闑がいる、龍炎国の東にある龍炎国と同じくらい、

繁栄している水洸庄すいこうしょうの都市だった。

 「そこは危険です!……」

 関遼らはあまりにも杜闑に近い都市に危険すぎると

反対をしたが劉・小狼は父・劉儀が何かを教えてくれたと想い、

水洸庄の都市に向かうことにした。


 水洸庄の都市は商業が活発な龍炎国と同じくらいの

繁栄都市だった。

 劉・小狼)らは暫くの間、水洸庄の都市に

身を潜めることにした。

 そんな時、劉・小狼らの前に珍しい人達が現れた。

 劉・小狼の前に現れたのは水蓮達だった。

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