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第1章 7

 凍炎の砦に帰り、夜、見張り台の上で見張りをしていた

劉・小狼は昼間あった趙燕のことを思い出し、

一人、思い出し笑いをしていた。

 「どうしました? 兄貴。 随分、楽しそうで?……」

 見張りの交代時間で見張り台の上に上がってきた関遼は

劉・小狼の横に立ち、そう尋ねた。

 「ああぁ…… ちょっとなぁ。 昼間あったあの者ことを

思い出してなぁ……。 実に面白い男だった。

是非、我らの仲間になって欲しいのだが…… 

関遼はどう想う?」

 劉・小狼は関遼に趙燕を仲間にしたいと言ったが

 「う~ん…… それは少し難しいかも?……」

 関遼は腕組みをし、劉・小狼が趙燕を仲間にしたいと

言ったことに首を傾げた。

 「あの者を仲間にするのは反対なのか?」

 「いや。私は反対ではないのですが……

アイツ【張爛】が……」

 関遼は昼間の張爛と趙燕のことが引っ掛かっていた。

 「そうだなぁ…… 張爛はあの者を苦手のようだしなぁ……

まあ。どうするかは後で決めることにして一先ず、あの者の

居場所だけでも探しておいてくれないか?」

 「あの者だったら、私らのアジトにいるのでは?」

 「おそらく、あの者はお前らのアジトにはもはや、

 居るまい…… だから、捜してほしいのだ!」

 「わ、わかりました! 一応、あの者【趙燕】のことを

探しましょう!」

 関遼は劉・小狼の命(令)によって、趙燕を探すことになった。

 劉・小狼が言ったようにすでに”魔の森”には趙燕の姿は

なかった。

 それでも関遼は”魔の森”や翔樺邨の街などを探し回ったが

やはり、趙燕の姿は何処にもなかった。


 そんなある日の夜。


 張爛が供【とも】のゴブリンらを共に翔樺邨の街の周辺を

警備のために見廻っていると

 「やぁ!…… 元気だった?」

 突然、張爛の乗っている馬に趙燕が飛び乗ってきた。

 「わぁ! 何するんだよ!お前。」

 張爛は暴れる馬から振り落とされないように

必死に馬を宥める。

 趙燕は必死な張爛をまるで落ち着かせるかのように

張爛の肩を軽く叩きながら

「まあまあ…… そんなことより、君らの傍にいた

あの弓の名手に伝えてぇ!……」

 「え? 何を?……」

 張欄が驚いていると

 「翔樺邨の街の中に黒装束の怪しげな者らが

潜んでいると伝えて!」

 「黒装束? そいつら、何者だ?」

 「わからない! だが、何か、嫌な気配がする……

必ず、あの弓の名手に伝えるのだぞ!」

 趙燕は張爛に翔樺邨の街の中に潜んでいる

黒装束の怪しげな者らのことを劉・小狼に告げるように言うと

いつの間にか、張爛の馬から消え去っていた。

 劉・小狼は見廻りから戻ってきた張爛から趙燕に

告げられたことを聴くと関遼らを伴い、翔樺邨の街に赴いた。

 一見、何も変わらないいつもの人通りの多い翔樺邨の街に

見えたが……

 確かに街影のあちらこちらに趙燕が言ったように黒装束を

身に纏った怪しげな者らがいた。

 「あ、兄貴。 あれ!」

 趙燕が言ったように街中に黒装束の者らがいたことに

張爛は驚きを隠せなった。

 「どうしますか? あの者ら?」

 張爛に比べ、至って、冷静な関遼は街影に潜んでいる

黒装束の者らを見詰めた。

 「う~む…… もう少し、様子を見てみようか!」

 劉・小狼もまた、何も行動を起こしていない黒装束の者らを

どうして良いのかわからず、一先ず、連れて来た子ゴブリンらに

街影に潜む黒装束の者らを見張らせ、凍炎の砦に戻った。


 それから数日後の満月の綺麗な夜。


 街影に潜んでいた黒装束の者らが誰かに命令されたかのように

突然、行動を起こし始めた。

 黒装束の者らが起こした炎と殺戮によって、翔樺邨の街は

大混乱をなった。

 それと時を同じくして、凍炎の砦の上にも怪しげな影【韓忌】が

あった。

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