第70話 そしてダンジョンへ
筆が遅いのにもう一つ連載を始めてしまいました。
こちらとは少々書き方を変えています。
興味のある方は、是非ご一読ください。
更新は頑張って並行して行いたいと思います。
「そうか……ありがとう」
事の顛末を聞いたヨハンは俺に礼を言う。
ヨハンとは行き倒れになっていた男の名前だ。
「それで生き残った男たちは……」
「ああ、ギルドで保護されている。それと……事情聴取といったところか」
あれには俺も正直うんざりだ。
俺は犯罪者じゃないっていうのに……
「……違ったの?」
ミサキさん、勘弁してください。
ギルドは後日、国と共同で現場に調査隊を送るらしい。
魔族も関わっている事なのでことのほか慎重だ。
メインはあの真っ赤な塔の調査となるだろう。
そういえばデーモンが気になることを言っていた。
魔人――もしかして、あのガロアとかいう魔人の事か?
――とすると、奴は魔族と敵対しているのか?
まあ、見るからに仲間など良そうにない雰囲気だったからな。
お互いつぶし合ってくれると有り難い。
俺たちはヨハンと別れ、別荘へと戻ることにした。
「カナタ〜、おなか減ったよ。アリアもそう言ってるよ!」
「言ってないの! 大丈夫なの!」
「え〜っ。言ってたよ」
ミウがさらに突っ込む。
俺は顔を真っ赤にして否定するアリアの頭に手を乗せた。
「帰ったらスラ坊のおいしいご飯が待ってるからな。もう少しの我慢だ」
「……わかったの」
さて、帰ろう!
俺たちはゲートをくぐった。
ゲートをくぐって先ず視界に飛び込んできたのは、今までとはどこか違う風景だった。
「さては、また広がったかな?」
特に目を引いたのが、あの小さな森がかなり拡張している事だった。
木々も心なしか成長しているようだ。
「……森の成長はフィーネの影響が大」
なるほど。
これがフィーネと妖精たちの住みよい場所って事か。
よく見ると他の植物の成長も早いような気がする。
これは良い影響だ。
人数が増えるとそれだけ食事の量も増えるからね。
自給自足、何よりです。
「おかえりなさい、カナタさん」
スラ坊が出迎えてくれる。
「ああ、だだいま」
やはり何だかんだ言っても、俺はこの別荘と空間が一番落ち着く。
もう故郷と言ってもいいだろう。
それはミウも同じようで、どこかほっとした表情をしているのは気のせいでは無いだろう。
「……カナタ。……食事にする? お風呂にする? それとも――」
「さて、食事にしようか。スラ坊、頼むよ」
「わかりました。食堂でお待ちください」
「……カナタのいけず」
ええ、スルーさせて貰いますとも。
食事も終わり、俺たちは居間に集まる。
このまったりとした空気も、自宅ならではの醍醐味だ。
「さて、アリアは正式にパーティーに入れるとして、明日はどうしようか?」
「ありがとうなの」
「よかったね、アリア」
アリアとミウが手を取り合って喜ぶ中、ミサキが発言する。
「……ダンジョン攻略が良いと思う。偶に強い武器が手に入ることがある。……戦力アップ」
「うん、ミウもそれでいいよ」
「私も良いです」
ダンジョンか……
そういえば攻略は中途半端になっていた。
ダンジョン制覇、良いかもしれない。
「よし、じゃあしばらくは王都のギルドを拠点にしよう」
「「「お〜っ!」」」
次の日、王都ギルドからダンジョン入場許可を貰い、再びダンジョンへとたどり着いた。
一応、依頼としては七階層にいるジャイアントバットの羽の収集を受けてきた。
前回は二階層までしか進まなかったことを考えると、かなり深くまで潜らなければならないが、あの頃よりは技術的にも向上しているはずだ。
「……目指せ三十三階層」
「いや、まだ誰もたどり着いたことが無いって言ってなかったっけ……」
「……未開の地だから良いものがある。……大丈夫、私たちなら出来る」
「ミウもいるからね!」
皆のどこからその自身が来るか分からないが、頼もしくはある。
慎重に、行ける所まで行ってみますか。
油断だけはしない様に心がけ、俺たちはダンジョンへと入っていった。
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