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第3話 ダグラスとアリシア

「おう!邪魔するぜ!」


 ダグラスさんの後に続き、とある民家に入っていく。


「なんじゃ、ダグラス。騒々しい。もうちょい静かに出来んもんかの。


 だいたいお主は昔から…」


 長い話になりそうなのを察知してか、ダグラスさんは途中で言葉を切った。


「この坊主を何日か家に泊めるんで、村長には顔を通しとこうと思ってな。名前は……。 坊主、自己紹介してやれ」


 どうも俺の呼び名は坊主で定着してしまい、まだ名前を覚えられていないようだ。

 俺は、村長さんだけでなくダグラスさんにも名前を覚えてもらおうと、名前を強調しつつ自己紹介をする。


「はじめまして。カナタといいます。頭の上にいるのは相棒のミウです。運悪く道に迷ってしまい、街への定期馬車が出るまでダグラスさんの家でご厄介になることになりました。よろしくお願いします」


「キュ〜♪(よろしくね)」


 それに対し、村長さんも挨拶を返してくれた。


「これはこれはご丁寧に。儂はバレン村でしがない村長をしておるガクじゃ。まあ何もない村ですがゆっくりしていってくだされ。それにしても若いのにしっかりしていらっしゃる。ダグラスの若い頃とはえらい違いじゃ。そもそもコイツの若い時ときたら…」


「ガク爺! もう俺も42になるんだ。いい加減その話はやめてくれ!」


 どうもダグラスさんは村長に頭が上がらないようだ。









 村長への挨拶も終わり、ダグラスさんの家へと向かう。

 途中、村人もちらほらと見受けられ、その都度挨拶を行っていたので、着いた時にはもう空が赤みがかっていた。


「おう!戻ったぞ!!」


「あら、おかえりなさい。早かったですね」


「いろいろあって今日は早めに交代してもらったからな。ほら、そのいろいろだ。」


 ダグラスさんは俺に挨拶を促す。

 だが、俺は即座に反応できなかった。

 何よりも目の前の婦人?が美人なだけでなく、なにやら神秘的な雰囲気を醸し出し、失礼だがとても村人(ダグラスさんの嫁)には見えなかった為だ。


「あら、こんにちは。私はアリシア。そこにいるダグラスとは一応夫婦ってことになっているわ、よろしくね」


 固まっている俺の理由が分かったのか、やさしく微笑みながら先に挨拶をしてくれた。


「す、すいません。お、おれ、いや僕はカナタといいます。しばらくご厄介になることとなりました。よろしくお願いします」


「おい、ずいぶんと態度が違うじゃねえか。さては俺の嫁さんに見惚れちまったか。まあアリシアは美人だからな」


 そういうとダグラスさんは豪快に笑った。


「キュ〜」


 ミウが呆れたようにため息をついた。








 その後、アリシアさんの手料理に舌鼓したつづみをうちながら、色々な話が聞けた。

 お約束とでもいうか、街には冒険者ギルドがあるらしく、特に収入源のない俺は、街に行ったらギルドに登録することに決めた。

 そのことを話すと、村に滞在する間だけだが、ダグラスさんは剣術、アリシアさんは魔法を教えてくれることとなった。

 なんでもアリシアさんはこの村で唯一魔法を使えるらしい。

 元々王都で魔術指南をしていたらしく、詳しく教えてはくれなかったが、ダグラスさんの話によるとかなりの腕前らしい。

 魔法に興味のあった俺は、即座にその話に飛びついたのは言うまでもない。


「キュ〜!(ミウもやるよ!)」


 こうして俺とミウは、ファンタジーのテンプレとでも言うべき剣と魔法を教えてもらえることとなった。




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