第15話 ゴブリンとの戦闘
俺たちはゴブリンの巣窟へと1歩足を踏み入れる。
「暗いな……」
洞窟の奥は真っ暗で何も見えない。
小袋から松明を取り出し、火を付けようとしたところでミサキから静止がかかる。
「……私に任せて。……ライト」
ミサキが短く詠唱をすると、今まで暗かった洞窟が、見事なまでに視界良好となる。
「……どう? 無属性魔法。覚えればあなたにも出来るはず」
「キュ〜♪(じゃあミウにも出来るね♪)」
「……ええ。無問題」
なにげに会話が――――いや、もう気にすまい。
ピチョン。 ピチョン。
静かな洞窟内で、水滴の落ちる音だけが響く。
足場も濡れていて滑りやすい。
俺はミウを頭に乗せたまま、慎重な足取りで先に進む。
「……何か見える」
ミサキがぼそっとつぶやく。
道が開けてきた、確かに何かが見える。あれは……。
抜けた先には湖があった、地底湖だ。
洞窟に地底湖。昔のテレビでは、お約束の組み合わせだが――。
俺にとって初めて肉眼で見るそれは、かなり新鮮だった。
もしかしたら、この先にはナークがいるのだろうか?
なにげに目を凝らすと、湖の近くに無数の足跡がある。おそらくゴブリンのものだろう。
この湖を水場にしているようだ。
という事は、近いな……。
「よし、慎重に先に進むぞ!」
そう2人に声をかけ、奥へと進んだ。
どれくらい経っただろうか?
一向にゴブリンが現れない。
油断するつもりはないが、何やら拍子抜けである。
「……次の階層の入口」
ミサキが下に降りる入口を発見、ゆるい坂になっている。
「よし! 降りよう!」
このままでは、わざわざ洞窟に潜った意味がない。
俺は即座に決断した。
「……了解。私もまだアピールポイントを貯めきれていない。……延長戦開始」
「キュ〜♪ キュ〜♪(延長戦♪ 延長戦♪)」
仲が良くて何よりです。
しばらく進むと、ようやくゴブリンが現れた。5匹の団体さんだ。
それぞれ片手にくたびれた剣、中には盾を持つ者もいる。
「ミウ、ミサキ! 魔法で牽制を頼む!」
「キュ〜!」
先ずはミウの魔法が発現。無数の風の刃がゴブリンを襲う。
「グギャアッ!」
先頭の1匹のゴブリンに大ダメージを与えるが、残りの刃は盾に阻まれる。
「……炎の壁よ、取り囲め。ファイアサークル」
5匹を円で取り囲むように炎の壁が出現、その円の直径がだんだん狭まる。
2匹のゴブリンが、その炎の壁を勢いに任せて突破してきた。
だが、そこに俺が待ち構える。
「フンッ!」
先頭の1匹を袈裟斬り、一撃だ。
やはり、手入れを忘れていないロングソード改は切れ味が良い。
しかし、その隙を狙おうと残り一匹が目前に迫る。
「ウゴァッ!」
シュッ!
ミウのウォーターレーザーが俺の横を通り過ぎ、迫り来るゴブリンに命中。
「ギャアッ!」
ゴブリンが痛みに耐え兼ねたのか絶叫する。
その隙に心臓を一突き、ゴブリンが動かなくなる。
「ミウ、助かった!」
「キュ〜!」
既に前方の炎の壁は消えかかっており、満身創痍なゴブリン2匹が確認できた。
そのゴブリンたちにミサキの魔法が命中、どうやらあちらも終わったようだ。
「ふぅ……」
先頭が終わり一息をつく。
頑張ったミウを撫でつつ、ミサキに声をかける。
「ミサキ、怪我はない?」
「……問題ない」
見た目通り怪我もないようだ。
「よし、少し休息を取ろう」
俺たちは周りを警戒しつつ、小休止を取ることにした。
「ミサキは、何で俺たちとパーティを組もうと思ったんだい?」
休憩中、折角なので疑問を口にしてみた。。
「……女神の加護を持っていた」
ミサキは続ける。
「……私の女神の加護は、夢に小さい女神様が現れた後に発現した。その女神様の加護をあなたは持っている、だから……」
どうもミサキは、今までパーティに恵まれなかったらしい。詳しいことは話したくない様子だったので聞かなかったが――。
そこへ同じ女神の加護を持つ俺が現れた。
あの女神様の加護を同じ様に持つ俺ならば、信用できると思ったらしい。
「大丈夫! ミサキはもう仲間だよ!」
ミウが元気づける。
「……ありがとうミウ」
そうだな、一緒に旅するのもいいかもしれない。
あとでスラ坊とユニ助も紹介しないとな。
この時は気づかなかったが、いつの間にかミサキがモンスター言語を習得していた。
女神様の粋な計らいに感謝だね。
セリフの句点を抜いてみました。
どうもそちらが主流らしいので…。
投稿済みの話も修正をかけていこうと思います。




