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第9話 別荘と管理人

「今日は、ヒナタ草の採取を行います」


「お〜っ!」


 出発前のお約束の掛け合いを終え、俺たちは街を出てヒナタ草の生えている草原に向かった。

 街からおよそ3km程の距離である。

 Hランクの依頼だけあって、それほど遠くないところに自生している。

 ただし、似たような毒草があるので注意が必要だと資料に書いてあった。

 見分け方は根の部分にあるのだが、素人目には見分けが中々難しく、大抵の冒険者は、ある程度の数をギルドに持ち込み、判定してもらっているとのこと。

 しかし、俺には試してみたいことがあった。




 草原に到着し、それらしい草を発見、俺はその草に向かって「ステータス!」と唱えた。



ヒナタ草 LV -


 HP   :12


 MP   :0




 予想通りだ!

 ステータスは生物すべてに適用されるらしい。これで採取が楽になるぞ。 

 俺は嬉々として掘り出し作業を始める。

 ふとミウを見ると、地属性魔法を使って器用に掘り起こしている。

 なるほど、そういった使い方もあるのか。

 参考にさせてもらおう。


 こうして俺たちは、山のようにヒナタ草を採取できた。

 それをすべて小袋に仕舞い、街に戻ろうとしたとき、1匹の魔物に遭遇してしまった。



ブルースライム LV5


 HP   :2


 MP   :0


 力   :30


 体力  :120


 かしこさ:60


 運   :30




 お馴染みのスライムだ。

 ゆっくりこちらに近づいてくる。

 こちらも剣を構えて追撃体制を取る。


 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・

 ・


 しかし、一向に襲いかかってこない。

 襲って来ないのならば、特に追撃する理由もない。

 ゆっくりその場を立ち去ろうとしたところ、


「こんにちは」


 スライムが喋った。









 某RPGの「悪いスライムじゃないよ」を思い出す。

 このスライムは、木の実などを食べて生活しているらしい。

 たまに人間やほかの魔物に遭遇たときに話しかけてみていたのだが、逃げられるか襲われるかの2択で、今回初めて会話できたとのこと。

 まあ普通の人間には会話は通じないよね。

 先程も命からがら逃げてきたらしい。

 HPが少ないのはその為か。

 俺は小袋の中から街で買っておいたポーションを取り出し、振りかけてあげる。




ブルースライム LV5


 HP   :70


 MP   :0


 力   :30


 体力  :120


 かしこさ:60


 運   :30



 スライムはHPが回復した。

 仲間になりたそうにこちらを見つめている。

 さて、どうしようか。



  ・仲間にする


  ・仲間にしない




 仲間にしてあげるのは構わないが、このまま街に連れ帰るわけにはいかないしな。


 流石に小袋に詰め込むのもどうかと思うし、ましてや生物の保管はまだ試していないので危険だ。

 何かいい案はないものか。

 そうだ、小袋に何か入っているかもしれない。

 解決できる何かを取り出したいと念じて探ってみる。

 すると何かが手の中に握られた。

 女神様の手紙だ!

 その中に何かヒントがあるかもしれない。





題名 別荘をプレゼント


 慣れない異世界では、心をゆっくり休めたいこともあるかもしれないでちゅ。


 そこで別荘をプレゼントするでちゅ。


 ただし、魔法が使えるようになってからでないと入れないでちゅ。


 頑張って魔法を習得するでちゅよ。





 別荘は異空間にあるらしい。

 無属性の空間魔法が必要と書いてある。

 よし、つなげてみよう。


「ゲート!」


 唱えると、何やら扉が現れた。

 これに入れということだろう。

 スライムも連れて中に入ってみる。

 すると目の前に庭つき一戸建てが現れた。

 およそ100坪くらいの広さだろうか。

 建物自体は40坪2階建て、庭には家庭菜園まである。

 十分すぎる広さだな。

 女神様ありがとう!!


 俺は、女神さまに感謝の祈りを捧げた。






 新しい仲間が出来ました。

 名前はスラ坊、名前は無かったので俺が付けた。

 スラ坊には、この住宅の不在時の管理を任せることにする。

 食事に関しては、家庭菜園で野菜を育ててもらおう。


「じゃあスラ坊、帰ってくるまで管理よろしくね」


「スラ坊、よろしくね」


「わかりました。カナタさん、ミウさん、いってらっしゃいませ」


 こうして俺たちは、別荘と管理人を手に入れた。



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