とりあえず、回想をしてみた
私がこの高校に入学した理由はただ、一緒に中学に通う友達が面白半分で試験を受け、それに便乗して私も受けたのだ。
まさか、受かるとは思わなかった。
だって、そこは色々と有名な女子校で幼稚園から大学までのエレベーター式の学校だったし、結構勉強のレベルも高い筈だったんだから、まさか私が受かるとは思わない、が受かってしまった。
その一緒に試験を受けた中学の友達も受かっていたらしいけど、第一志望の高校に行った。
私も家からほどよく近い学校に受かっていたが、母さんがたしか、そこには寮もあった筈だし、結婚をし、家庭を作った兄さんの家にも近いとのことで私は強制的に私の柄ではない、お嬢様学校に入ることとなった。
あとでわかった事だが、万年ラブラブな私の両親は長期の旅行に行きたかったらしく、私が大学生になったら一人暮らしをさせるつもりだったらしい。
両親は私が寮のある学校に通えることがわかり、思わずハイタッチしたとの事。
別に高校からでも一人暮らしをしても良いのでは?と聞いてみたら、私の食生活が心配だったみたい。
それを聞いて確かに、と思ってしまった。
私は料理が得意ではない。むしろ壊滅的に悪いのでコンビニ弁当かカロリーメイト等の食事しかしないだろと予想が着く。母さんは私が高校の時に料理の修行をさせ、何とか料理が出来るようにさせてから大学に行かさせるつもりだったが、手間が省けたわ、とも言っていた。
それを聞いて、ラブラブ旅行の為だけではなく、ちゃんと私の事を考えてくれてたんだと感動をしていたが、それでも自分達の旅行の為なんだよなあ、と夫婦仲が良いことはとても良いのだけど私も一緒に旅行に行きたいなあと思ったのは仕方がないだろう。
そういう事で私は私立ホワイトリリィ桜華学園高等学校に通うことになったのです。
まだ時間があるからもう少し思い返してみよう。
不安と期待で言ったら不安の方が多かった。
だって人見知りするし、同室の子と仲良くできるかとか、学校でハブられないかなとか、いろいろと考えてたら嫌な事ばっかり浮かんできたのだ。
でも、とりあえず同室の子とは仲良く出来たので不安は少しだけなくなった。
同室の子も私と同じクラスで高等部から入った子だったけど、その子は私とは違い人見知りしない人で、すぐにいろんな人と仲良くしていて、私は少し羨ましいなと思っている。
まあ、その子のおかげでクラスからはハブられる事はないから良かったけど。
でも、一番の不安は勉強だ。
この高校はギリギリで受かってたと思うし、一学期のテストも赤点を2教科も取っちゃったし、勉強の不安は現在も進行中。
そんな風に高校に入ってからの現実逃避と言う名の回想をしていたら、同室の子も起きたのか上のベッドから降りてきた。
朝の挨拶をすると心配そうに学校は行けるかどうか聞いてきた。
私は大丈夫だと言い、一緒にご飯を食べに行く。
ご飯を食べて力をつけなくちゃね。
なんか一緒にご飯を食べに来た人も私の事を心配そうにしてたけど、大丈夫だよと伝えて、いつも通りに私はもくもくとご飯を食べる。
私は少し食べるのが遅いのか、喋りながらご飯を食べている子達と同じぐらいの時間をかけて食べ終わるのだ。私は喋ってないのに。
同室の子と一緒に登校していて、学校が見えてくると同時にあの人達も遠目から見えてきて、心臓が痛いくらいにバクバクと脈を打つ。
ああ、逃げ出したいと思いながら学校に歩いて行く。
途中、同室の子がまた心配そうに聞いてきたが、大丈夫だと答えるが、内心は全然大丈夫じゃないよ!と思いながらも何とか歩みを進んでいく。
周囲の目が私にも突き刺さり、また逃げ出したくなってきた。
逃げるな自分。頑張れ私!女の意地を見せろ児山いつき!!
学校の名前は適当に考えました