新章 そして、終わりが始まる
大日本帝国《七神将》第七位、《氷狼》護・アストラーデと《本気を出さない天災》水無月ソラ。
彼らが率いる二万の軍がガリア入りを果たしてから約三ヶ月。現在世界で最も厳しい戦場とされるそこでは、膠着状態が続いていた。
「……相変わらず動きは無し、か」
双眼鏡でさえ人影を確認するのがやっとの距離にある敵陣。砂漠に入る手前にある、今や砦と化してしまったその街を見ながら護が呟いた。その護の隣には軍隊用の携帯食を口にしているソラと護と同じように双眼鏡を覗き込んでいる神道詩音の姿がある。
「何だ、お前さんは戦争をしたいのか?」
「そういうわけじゃねぇ。戦わなくて済むんならそれが一番だよ。けど、どうせ戦うってんなら早い方がいい」
「それも真理だねぇ。けどま、しばらくはこの状態が続くよ。完全に膠着に入っちまったし。動くに動けんのよ、お互いにな」
まだ昼だというのに懐から酒瓶を取り出しながら言うソラ。その姿を見て、詩音が渋い表情を浮かべた。
『任務中ですが』
「俺の仕事は今のところないしねー。部下の訓練は局長がやってるし、飯だのなんだのはお前さんらが担当だろ? することないのよ」
「その作戦はどうなってんだよ」
「EUの面子を立てる必要がある以上、大っぴらには動けない。どうしたって『待ち』になる。敵の大将――ダウゥ・アル・カマルだったか? あれはそれをわかってんだろうな。だからこうして膠着状態を作り出した」
この状況じゃ動けんよ、そう言ってお猪口に注いだ酒を煽るソラ。護は、成程、と双眼鏡から目を離しながら言葉を紡いだ。
「確かに動き辛いな。サハラ砂漠北部には例の〝レコンキスタ〟が陣取ってるが、敵の本陣には距離がある。無理に進めば慣れない砂漠での戦闘になって……」
「潰されるな。しかも用意周到にもガリアの連中は〝レコンキスタ〟を挟む形で陣を作りやがった。局長に聞いたが、鮮やかな奇襲だったんだと」
「それなんだが、どうして動かなかったんだ? 向こうの街に奇襲かけられた時の戦闘にこっちが手ェ出したらこんな面倒臭ぇことになってねぇだろ?」
おぼろげにしか見えない敵陣を指差しながら護は言う。現在の状況は簡単に言うと『互いが互いの陣を挟み撃ちにしている』という状況だ。
ガリア侵攻を開始した〝レコンキスタ〟を中心としたEU軍。その勢いは凄まじく、すぐさま世界最大の砂漠地帯であるサハラ砂漠の北部にあるガリアの主要都市『スペルタ』を落とした。しかし、あまりにも性急過ぎたその行軍により後方に隙ができ、ガリア連合にその隙を衝かれることになる。
サハラ砂漠北部。『砂漠の入り口』とも呼ばれる街、『ビョンド』。ガリア連合の別働隊が守りの手薄になったそこを襲撃し、占拠した。結果『スペルタ』は『ビョンド』とサハラ砂漠南部最大の都市であり、ガリア連合最大の都市でもある『シャムス』に挟まれる形となっている。
もっとも、『ビョンド』も護たちが陣を張る街『ダウスーカ』と『スペルタ』に囲まれる形になっており、迂闊に動けないのだが。
「あそこが落とされたら面倒臭ぇことになるってのは俺にだってわかることだ。けど、聞いたところじゃこっちは動いてすらいねぇ。どういうことだ?」
「そりゃお前さん、EUの連中が『助けてくれ』の一言を言わなかったからだよ」
肩を竦め、ソラは言う。そのまま彼は煙草を取り出すと、それを口に咥えながら言葉を紡いだ。
「大日本帝国はEUと正式な同盟を結んでるわけじゃない。そのEUもドイツが脱退したり小国も不穏な動きを見せたりで連携をとれてないのが現状だ。そんな中で、ちょっとピンチだから他国に頼るなんてできると思うか?」
「いや、頼るもクソもそれで負けたら元も子もねぇだろ」
「それが合理的な考え方で、否定のしようもない正論だな。けど、世の中ってのは『正論』がまかり通ることの方が少ないんだよ」
『既得権益とプライドですね』
詩音の言葉。それを見てソラが苦笑する。
「難しい言葉を知ってんねぇ……。まあ、そういうこった。向こうはできるだけこっちに『貸し』を作りたくないんだよ。今までの借金だけでも首が回らない状況なんだから」
「くだらねぇ話だ」
「政治の話ってのはいつでもくだらないもんだよ。……っと、いい時間だ。じゃ、俺はいつも通り散歩してくるから何かあったら頼むわ」
腕時計を見ながら立ち上がり、そんなことを言い出すソラ。護は呆れたような視線をソラに向けた。
「単独行動は慎めよ。ここは敵地だ。何が起こるかわかんねぇんだから」
「その『何か』は、自分の目で見なきゃわからんことだよ」
そのまま立ち去って行くソラ。その後ろ姿を見送った護は、全く、ともう一度だけ呟くと双眼鏡をしまった。確かに時間も時間だ。そろそろ食事の仕込みに取り掛からなければ。
「詩音、お前もあまり一人で行動するなよ。俺は厨房に行くが……」
『ご一緒します』
「ん、わかった」
詩音の言葉に頷き、建物の中へと入っていく。ここに着任した際、護はその肩書きのこともありここの総大将を任されている。元々指揮を執っていた神道虎徹は護の旗下に入り、命令系統を簡潔にしている状態だ。
もっとも作戦立案は主にソラの役目であるし、虎徹の部下は余程のことがない限り虎徹が指揮を執ることとなっている。護が指揮を執るのは彼がここへ連れて来た軍だが、それさえも後方から指示を出すのは護の役目ではない。護の役目はあくまで最前線に立つことだ。
合衆国アメリカや精霊王国イギリスといった〝レコンキスタ〟とは別にこの戦争に参加している者たちとの関係もある以上、護にできることはそう多くない。
「今日は何を作るか……詩音は何が食べたい?」
『私は何でも。ただ、皆さんは『白米が食べたい』と仰っていたとか』
「なら白米を中心に和食にするか」
詩音との会話で本日の夕食を決定する。本来なら護がわざわざ厨房で食事を作ることなど立場的にもあり得ないのだが、やることのない現状ではいい時間潰しになるとしている。
まあ、それなりに好評な上に護の部下も手伝ってくれるようになっているので負担はない。
そうして、護が詩音と共にしばらく歩いていると。
「おっ、ここにいやがったか」
こちらに向かって軽く手を振りながら歩いてくる男の姿を見つけた。その男を見、護は怪訝な表情を浮かべる。
――神道虎徹。
詩音の父親であり、大日本帝国における警邏組織『真選組』の局長。かつて《七神将》の一角にいた人物でもある英傑。
もっとも、普段の彼はただ娘を溺愛するだけの人物という印象しか護にはないのだが。
「虎徹さん?」
『父上?』
詩音と二人して首を傾げる。この男は基本的に部下の鍛錬や他との連携などで一日を忙しく過ごしている。本来なら護がやるべきことなのだろうが、護にはその方面の能力はない。
「何か問題でもあったのか?」
「ああ、まあ問題っちゃ問題だな」
こちらに歩いてきた虎徹が笑みを浮かべながら言う。詩音に視線を送ると、詩音もわからないというように首を左右に振った。
そんな二人に対し、虎徹はどこか面倒臭そうに言葉を紡ぐ。
「――イタリアが、ガリア連合に占拠された」
その言葉に護は目を見開く。そして、どういうことだ、と言葉を紡ごうとした瞬間。
『敵襲!! ビョンドよりガリア連合の進軍を確認!! 数は――約二万!!』
街中に警報が鳴り響いた。周囲が一気に慌ただしくなり、護たちの姿を見つけた兵士たちがこちらへと駆け寄ってくる。
「将軍!! 局長!! 敵襲です!!」
「ああ、今聞いたよ。……で、どうする護?」
「……戦闘配備。策を練る」
虎徹の言葉にそう返事を返し、踵を返して歩き出す。目指すのは作戦会議室。向こうとは距離がある。到着までに迎え撃つ布陣を完成させなければ。
「シンプルでいいな、オメェは。さて、ガリア連合ってのは思ってたよりも遥かに強かだったらしい」
「関係ねぇな」
慌ただしくなっていく周囲。それを横目で見ながら、護は言った。
「何が来ようと、俺のすることは変わらねぇんだから」
◇ ◇ ◇
「おい、何だあの船は?」
始まりは、猟師のそんな言葉だった。ガリア連合との間に開かれた戦端。そのせいで満足に漁業に出ることができず、今日も大きな収穫もないままに港へ帰ろうとしていたその途中。
海を往くのは、いくつもの戦艦だった。明らかに漁業を目的にしたものではない。無数の砲台、見た目からでもわかる頑丈な造り。無機質な鋼鉄の色。
「ガリアに行ってる艦隊が帰って来たのか?」
「けど、そんな連絡はありませんでしたよ?」
乗組員がそんな返答を返してくる。一体何事か――そう、眉をひそめた瞬間。
――〝それ〟が、猟師の目に入った。
戦場にはためく、一つの旗。
かつて一つの大陸を制覇した、王国の旗を。
「が……ガリア連合……」
呆然と、船員が呟く。
――同時。
砲門より放たれた一撃が、彼らの船を呑み込んだ。
…………。
……………………。
………………………………。
上陸を果たしたのは、全身を覆うように布を纏った武装集団だった。砂漠という過酷な環境を生き残るために編み出されたその服装はしかし、今この時においては別の意味を纏う。
正体不明の敵――その恐怖は、逃げる者の足を容易に縛る。
「――参るぞ」
先頭に立つ、フードで顔を隠した人物が宣言し。
鬨の声を上げ、虐げられし者たちが侵攻を開始する。
◇ ◇ ◇
シベリア連邦首都、モスクワ。シベリア、ドイツ、エトルリアによる三国同盟が発足してより約半年。それぞれの国の代表が最早定例となった会議を行っていた。
「今のところ、オーストリア、オランダが明確にこちらに加わりたい旨を表明してきています。秘密裏という点においてはスペインがこちらに接触してきていますが……」
「オーストリア、オランダはともかくスペインは万一のための保身だろう。あの国は先の戦闘で要たる《火軍》を失い不安定な状況だ。少しでも戦力が欲しいのだろうな」
シベリア連邦軍参謀、レオン・ファンの言葉に応じたのは神聖ドイツ帝国の代表であるカルリーネ・シュトレンだ。当初はレオンの身分のこともあって多少の軋轢があったが、現在は表面上問題なく機能している。
不安定なEUの情勢や首脳国とそれ以外との明確な格差によって軋轢が生まれているEU。更にはガリア連合との戦争まで行っているEUから三国同盟に加入したいという国は存外多い。特にオーストリアやオランダのようにEUに参加していても現状において『搾取される側』である国は一刻も早く自国の状況をどうにかしたいと思っているであろうし、ある意味当然の流れだ。
「気持ちはわからぬわけではない。しかし、容易く受け入れるわけにはいかぬ。そうだな、青二才?」
「はい。現在、EUはガリア連合と戦争中です。そのEUからの脱退をこちらが認め、加入させれば……ガリア連合と通じているとしてEUに戦争を仕掛ける口実を与えることになります」
「EUだけならばどうにかできるかもしれませんが……」
シベリア連邦国王、ソフィア・レゥ・シュバルツハーケンの言葉に対してレオンが応じ、その言葉についてエトルリア公国代表、マイヤ・キョウが難しい表情をする。その彼女の言葉に憂鬱そうにため息を吐くのは、カルリーネだ。
「大日本帝国か……半年前の戦闘から一度もこちらに手出しをしてこない理由は不明だが、EUに下手な手出しをすれば今度こそ全面戦争になるだろう」
「そうなれば流石に抗えん。奴らと相対するには、あまりにも《七神将》という壁が高過ぎる」
「対抗できる可能性は、例の《戦乙女》と……」
言いつつ、マイヤがカルリーネに視線を向ける。カルリーネは腕を組んだまま、ふん、と鼻を鳴らした。
「情けない話だが、スヴェンは――我が国の『最強』は《七神将》に勝てん。本人がそう断言していた。出来て精々が相討ちだとな。万一の時は小娘に頼るしかないのが現状だ」
「そのアリスでさえ、一対一ならばともかく多人数を相手取るとなると勝ち目は消える。《武神》など、どうやってあのバケモノを殺せばいいのか見当もつかぬわ。……まあ、それでも退くことは出来ぬのだがな」
ソフィアが言い切る。それに対して反対の言葉はない。皆、理解しているのだ。
大日本帝国が目指す世界。人を歯車とし、自由と引き換えに世界の平和を求めるという狂った思想を。
自由を求めた抵抗の歴史を持つからこそ、ここにいる者たちはそんな未来を受け入れることができない。
「だが、現状どうしようもない。ガリアには大日本帝国の他に合衆国アメリカの軍もいる。あれらがそのままこちらへ刃を向ければ、それこそ国が焦土と化すぞ」
「しかし、受け入れない選択をすればそれはそれで反感を受けることになります」
「ふん。受け入れればガリアと繋がっていると侵攻を許し、受け入れなければそもそも私が掲げる『自由』という大義が崩れるわけか。自由を求める国を拒否するわけだからな。……偽りの自由とはいえ」
自嘲気味に言うカルリーネ。その彼女の背後で、彼女に付き従う褐色の肌のメイドが窘めるように口を開いた。
「お言葉が過ぎます、ご当主様」
「だが、真実だ。実際の問題として我々は大日本帝国に抗うための同盟だが、表向きは先の朱里・アスリエルの処刑に端を発する『自由を否定する同盟からの脱却』が第一だ。《赤獅子》の件については未だにEUでは疑問視されているし、デモも起こっている。同盟の理由としては十分」
「その通りだ、カルリーネ。……厄介な状況だ。いっそ本当にガリアと繋がっていれば打てる手もあったであろうに」
その言葉に、部屋の温度が低くなる。ずっと黙っていたレオンが、冷静な口調で言葉を紡いだ。
「……言葉が過ぎます、陛下」
「そうか? 利用できる者は全て利用する。利用し尽くす。そうでもしなければどうしようもない相手だと思ったがな」
「そうであったとしても、です」
「まあ、確かに不謹慎ではあったであろう。しかし、否定できる者はいるか? ガリア連合と手を組むこと。それが最善の手の一つであることは疑いようもない事実であろう?」
ソフィアの言葉に応じる者はない。応じる者がいないということは誰も肯定していないということであり。
――誰も否定していないということだ。
「青二才。違いしているようだから言っておくぞ。もう戦争は避けられぬのだ。一年と待たず、この世は再び戦火に包まれる」
その言葉に感情はない。まるで既知の事実を確認しているだけかのように、ソフィアは告げる。
「問題は戦争を如何に避けるかではない。如何に勝利するかだ。あなたとわたしは違う――それが戦争に限らぬ闘争の全てだ。賽は投げられた。もうこの世界は引き返せぬ場所にいる」
重苦しい雰囲気。まるで空気が自分たちを押し潰そうとしているかのような、そんな中。
――不意に、笑い声が響いた。
「流石だな、シベリア王。私の手回しも無駄に終わらずに済みそうだ」
笑いながらカルリーネはそんなことを言う。そのまま彼女は振り返ると、扉の方を見た。
そして。
「――なぁ、ドクター?」
呼びかけと共に、扉が開かれ。
そして、一人の男が靴音を鳴らしながら入って来る。
白衣を纏い、仮面を着けたその男は。
仮面の下から哄笑を響かせ、言葉を紡いだ。
「――久し振りだねぇ、諸君。さあ……作戦会議といこうじゃないか」
◇ ◇ ◇
モスクワの北部に、普段人が訪れることのない場所がある。
――墓地。
解放戦において死んだ者。それ以前に死んだ者。名も亡き者も眠るその場所は、死者が眠る静寂の間。
「…………」
その片隅に椅子を置き、一人の少女がただただ黙して手にした資料を読みふけっている。
音はない。人の声もない。ただただ、静寂の空間。
少女は、ただ一人でそこにいる。
朝も、昼も、夜も。
たった一人で、その場所にいる。
「……雪……」
ポツリと、少女の口から吐息と共に言葉が漏れた。永久凍土という名に相応しく、シベリアの地は年中雪が降る場所だ。
深々と降る雪。普通なら身震いしてしまいそうなその空間においても、少女は微動だにしない。
「……この体にも、随分慣れたよ」
少女は、己に語りかけるように言葉を紡ぐ。
「やっと、この体が自分のものになった。今なら、私は何にでもなれる。何者でもない代わりに、何者にもなれる。全てを捨てれば、《武神》にさえもきっと届く」
降りしきる雪の中、少女の声が静かに響く。
「私、この世界が嫌い」
その声は、あまりにも空虚で。
だからこそ、聞く者の心に響き渡る。
「ずっと嫌いだった。大嫌いだった。ようやく、自分で自覚できた」
安心した、と少女は言った。
笑みを、零して。
「――この世界を壊すためになら、私は戦える」
少女が立ち上がる。少女の身体に積もった雪が、その身から落ちて地面で溶けた。
「……それが、答えなんやね」
少女が振り向いた先。そこにいるのは、一人の女性。
その髪をバンダナで縛った金髪の女性はしかし、少女が知る姿とはあまりにも違う。
いつも笑っていたはずのその女性の表情に笑みはなく、あるのはただただ哀しみだけ。
「久し振りだね、リィラ」
「ホンマに、な。……できれば、こんな形では会いたくなかったよ」
無表情のままで語る少女と。
歯を食い縛り、何かを耐えるように言葉を紡ぐ女性。
かつての二人とはあまりにも違う、対話の形。
「ウチがここにいる理由、わかるか?」
「……さあ? 私はただ、与えられた戦場で戦うだけだから」
かつての少女であれば、絶対に口にしなかったであろう台詞。
――戦う。
世界は、あれほどまでに優しかった少女でさえも壊してしまった。
「なら、朗報や」
女性は拳を握り締め、何かを耐えるかのように言葉を紡いだ。
「ガリア連合は、一両日中に聖教イタリア宗主国中心部、ヴァチカン市国を攻め落とす。無論、それを奪還するためにEUは動いてくるはずや。ウチらが求めるのは、その露払い。――できるか?」
こちらに背を向けたままの少女へ。
血を吐くように、その言葉を投げかける。
「同盟軍総大将、《戦乙女》――アリス・アストラーデ将軍」
少女は、振り返り。
小さく、笑みを零した。
「いいですよ」
というわけで、先の武力衝突より半年後。それぞれの立ち位置と、状況です。
今回意識したのは、やはり主人公とヒロイン。この二人は再び敵同士となる立場に立ちましたが、シベリアの時とは大きく違います。
護はその本質をほとんど変えていません。折れようとも、それでも護・アストラーデという個人に大きな変化はないわけです。
しかし、アリスは違う。彼女は今までとは大きく変わってしまいました。戦場に立っている時ならいざ知らず、後方にいる時に自ら『戦う』選択をするのは護が『戦わない』という選択をした時と同じように初めての事だったり。
ガリア連合が動きだし、ドクターも相変わらず暗躍中。リィラ復活に合わせて、EUも戦場になって行きます。
それでも大日本帝国の層の厚さは変わりません。この先、それぞれが思い描く未来がどうなるか、見守って頂けると幸いです。
ではでは、感想・ご意見お待ちしております。
ありがとうございました!!