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英雄譚―名も亡き墓標―  作者: アマネ・リィラ
シベリア動乱編―約束―
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第三話 譲れないモノ


 バタン、という、扉を閉める音が響き渡った。青のかかった黒髪の青年が入室したためだ。


「第十三遊撃小隊隊長、ソラ・ヤナギです」


 敬礼し、青年――ソラが言った。先に来ていた人物、カルリーネ・シュトレンが、ああ、と頷く。二人が襟元に着けている階級は、互いに『大尉』であることを示している。だが、二人の雰囲気は対等などではなく、上司と部下というもののそれに近かった。

 カルリーネは振り返ると、それで、と言葉を紡いだ。


「どうだった?」

「口が堅いですね。三日間、体に聞きましたが……吐いたのは人数くらいです」

「……雑兵風情が」


 舌打ちでも零しそうな表情でカルリーネが言う。ソラは肩を竦めた。


「正直、ショックですけどね。あれだけやって吐かなかったなんて……甘かったのかな、とか思います」

「どういう方法を取った?」

「まず、右耳を落としました」


 サラリと、ソラは言葉を紡いだ。カルリーネが眉をひそめる。構わず、ソラは続けた。


「で、左耳。次は鼻で、その次は左手――ああ、あの人は利き腕が左らしかったんで右からですね。小指から順に指を削ぎました。その後――」

「もういい」


 続けようとしたソラの言葉を、カルリーネが遮った。そうしてから、彼女は睨むようにソラを見る。


「貴様の部隊は確かにそういう役目も負わされているが……今回も、やはり貴様が担当したのか?」

「フォルスナー准尉には協力してもらいましたが、まあ、実質一人ですね。それが何か?」

「貴様は、自分自身の手を汚すことを何とも思わんのか? 私は貴様を評価している。身分なき孤児であり、〝奏者〟でもない身でありながらもそれほどの才覚を発揮する貴様をだ。その貴様がこのような身で満足している現状が許せん。……何を考えている?」

「別に何も考えてませんよ?」


 ソラは、苦笑と共に肩を竦めた。


「懲罰部隊とか、落ちこぼれ部隊とか、ウチの部隊は色々と言われていますが……あそこが、自分みたいなのにはちょうどいい場所ですよ。分相応です」

「『アルツフェムの虐殺』を切り抜けた英雄の台詞が、それか?」

「英雄? 違いますよ」


 ソラは、首を左右に振る。


「あそこで救えなかったのが、自分という人間の弱さです」


 後悔を内包したその言葉に、カルリーネは、そうか、とだけ頷いた。そして。


「……では、話を戻そう。ヤナギ、お前は奴らの動きをどう見る?」

「もう首都についていると思います」


 頷くソラの返答。カルリーネは、ほう、と眉をひそめた。


「いくらなんでも、それは無茶だろう。襲撃から何日経っていると思っている? 私たちが戻ったのが二日前。それは最短距離を通ったからだ。奴らに同等以上の速度があると?」

「あるでしょうね。そもそも、彼らの奇襲のような襲撃はその類が多いんです。テロリストであるため、真っ当な道を通れません。なので、ほとんどの指揮官は到着を遅く見積もり、結果、奇襲を受けています。おそらくですが、奴ら――《氷狼》には、距離を縮める魔法でもあるのでは?」


 最後は冗談めかしてソラは言った。カルリーネはしかし、真面目な表情を崩さず、ならば、と言葉を紡ぐ。


「そいつらは今、どこにいる?」

「スラムですね」


 断言するようにソラは言った。更に。


「おそらく、奴らはスラムに潜んでいると思います。ウチの……ええと、〝奏者〟がよくスラムへは行くようでして。その際、そのような話を噂で聞いたとか」

「……あの人形か」


 ちっ、と、不快感を隠そうともせずにカルリーネは舌打ちを零した。ソラはそれを無視し、言葉を続ける。


「まあ、自分も直接聞いたわけじゃないんで。ですが、実際にいるとしたらあそこぐらいしか居場所がないのも事実ですよ」

「そうか。……ならば、潰せばいい」


 結論は単純だった。カルリーネは、更に言葉を続ける。


「私は総督よりここの防衛任務の権限を与えられている。私のすべきことは一つだ。そう、あらゆる手を使い、反抗する勢力を叩き潰すこと。EUの……欧州の覇権のためにだ」

「…………」


 ソラは無言。対し、カルリーネは言葉を紡いだ。


「国を導き、支えるのは選ばれし存在こそが為すべきことだ。だというのに、敗戦国の平民如きが、私たちの導きに従わず、地を這う鼠に希望を抱くと?――笑止、愚昧と言う他ない」


 国を導くのは、王や貴族という存在だと、ドイツの有力貴族たる彼女自身はそう思っている。事実、革命が起こったフランスや、国王自らが共和制を望んだスペインなどの例外を除き、欧州のほとんどは未だに王政、貴族政だ。そして、それ故にどの国も国として確固たるあり方を示している。

 事実、フランスやスペインは他国に交渉で後れを取ることも多い。合議制というのは判断に時間がかかるためだ。戦争の際も、それによって参戦が遅れ、フランスなどは無理をした結果、手痛い敗戦を経験している。


「この都市に、鼠がいるというのなら。いいでしょう。狩ろうではありませんか」


 ソラが眉をひそめた。カルリーネの口調の変化。それは、彼女が貴族として、千年ドイツ大帝国の名門貴族、シュトレン家の当主として動く時だ。


「――狩られる恐怖、とくと味わわせて差し上げましょう」


 眼下、彼女が醜悪と断ずる場所を睨み据えながら。

 カルリーネは、呟いた。



◇ ◇ ◇



 再会した二人の言葉を交わす時間は、そう、長くなかった。

 護が持っていた通信機……それが鳴り、彼が何かしらの言葉を受けたからだ。なんだろう、とは思ったが、アリスは聞かないことにした。教えてくれることならば、おしえてくれるはずだ。

 何事かを話し込んでいる護。その背中を見、アリスは思った。

 ……広い、なぁ。

 大きな背中。一緒にいた期間は精々数ヶ月だったが、その時に見た背中よりも、少し大きく感じる。そう感じてしまうのは、自分が弱くなったからなのだろうか。


 弱い。

 その単語に、アリスは両の掌を重ね合わせ、強く握り締めた。駄目だ、と思う。自分がここにいるのは、もう、自分だけの理由ではないのだから。


「アリス」


 不意に、名前を呼ばれた。体を反応させながら前を見ると、護が申し訳なさそうな表情でこちらを見ていた。


「悪いな、あまり長くいられない」

「そ、そうなんだ」


 残念、という感情がそのまま浮かんでしまったのだろう。護はこちらに歩いてくると、こちらの頭を撫でてきた。


「すまん。けど、またすぐに会える。アリスはさ、ここにいるんだろ?」

「は、はい。一応、ここに……」

「じゃあ、また会える。絶対だ。――会えて良かった」


 護の手が離れる。あっ、という言葉が漏れると同時に、護はアリスから一歩離れると、言葉を紡いだ。


「アリス。約束は、必ず守る」


 ――その時、護の言葉に、その意味をくみ取れなかったのは、何故なのか。


「世界を見に行こう。一緒に」


 ――信じたくなかったからだろう。故に、アリスは。


「だからさ。――待っててくれ」


 その時――手を伸ばせなかった。


 護が立ち去っていく。その足の速さは彼女の目から見ても相当なもので、すぐに見えなくなった。

 吐息を零す。だが、それは先程までの憂鬱なものではない。


「……会えた」


 頬が上気し、顔が熱いのがわかる。

 会えないと思っていた。生きているはずだと信じていても、やはり、疑いはあったのだ。

 砕かれた外壁から落ちていく彼に、手を伸ばせなかったあの日から、ずっと。


「会えたよ……!」


 膝を折り、アリスはしゃがみ込む。

 溢れ出す涙は止まらない。堰を切ったように涙が溢れてくる。


 嬉しさしかない。しかも、約束を――あんなちっぽけな約束を、覚えていてくれたのだ。これ以上はないではないか。

 良かった、と、アリスは思った。

 自分が選んだ場所は、今でこそ温かいが辛い場所だった。だが、そんな場所でも必死になって頑張ってきてよかったと、そう、彼女は思った。


 自分の全ては、何一つ、無駄ではなかったのだ――


「良かった……!」


 生きていてくれた。

 覚えていてくれた。

 こんなちっぽけなものを、

 自分などという矮小な存在を。


 覚えていて――くれたのだ。


「良かったよ……ッ!」


 

 ……どれぐらい、そうしていたのか。

 彼女が立ち上がったのは、月が昇ってからだった。彼女は赤くなった目で、しかし、笑みを浮かべて家屋を出る。その時。


「――中尉!!」


 声が響いた。そちらを見ると、バンダナを頭に巻いた、茶髪の少女が走ってきた。統治軍のコートを纏う彼女は、その手にもう一つ、コートを持っている。


「何しとるんですか、こんなとこで」

「ご、ごめんなさい」


 アリスは慌てて頭を下げる。すると、少女は慌てたように手を振った。


「ああ、やめてくださいそんな。ウチより中尉の方が偉いんですさかいに」

「で、でも。私は……その……」

「――ええんです」


 俯くアリス。そのアリスに、少女が楽しそうに言葉を紡いだ。


「中尉が、どんな意味を持ってここにいるんかは知っとります。隊長は何も言いませんけど、何となく、ウチらは理解してます。だから、そんな顔、せんでくれませんか?」


 独特の言葉遣いで、少女はそんな言葉を紡ぐ。そのまま、彼女はコートをアリスに差し出しながら、言葉を紡いだ。


「中尉は、ウチらを何度も助けてくれたやないですか。上の変な評価とかは、ウチらなんかにはどうでもええんです。隊長がそうしてくれとるように、中尉も歯を食い縛って戦ってくれとる。それだけで、ええんです」

「う、うん」


 頷きながら、アリスはそれでもどこか震える手でコートを受け取った。それを身に纏う。

 そのコートに記された階級章は――中尉。

 統治軍において、士官であることを示すものが、着けられていた。


「ほな、伝令を伝えます」


 少女が一歩引き、敬礼をした。そのまま、少女は言葉を紡ぐ。


「第十三遊撃小隊に命令が下されました。本日二二〇〇に、スラムへの侵攻を開始します。我々は万一に備え、後方待機。――アリス・クラフトマン中尉は、〈ワルキューレ〉にて待機を」


 アリスは敬礼を返しながら、目を見開いた。スラムへの侵攻。そんなもの、自分は聞かされていない。聞いていない。

 何かを言おうとする。だが、アリスは唇を引き結んだ。

 ――何かを言う権利など、彼女には、ありはしない。

 中尉というのは名ばかりなのだ。何かを口にする権利も、何も、ありはしないのだ。


「……任務、了解しました」


 震える声で、彼女は頷いた。そうしてから、スラムがある方角を見る。時間は、もう、ほとんど残っていなかった。

 歩き出す。そんなアリスに、少女が問いを投げかけた。


「何か――ありましたか?」


 対し、アリスは頷いた。


「少しだけ、だけど大きいものが」



◇ ◇ ◇



 アリスとの再会で逸る気持ちと共に戻った護に叩き付けられたのは、鈍い打撃のような現実だった。思わず、護は声を上げる。


「死んだ、だと?」


 今しがた聞かされた事実に対し、護は絞り出すように言葉を紡いだ。レオンが頷く。


「死んだよ。ザイルさんはな」

「ふざけんなッ!!」


 ダンッ、という凄まじい音を立て、護が机を叩く。レイドが、坊主、と言葉を紡いだ。


「叫んで何かが変わるか? 寝惚けるなよ、坊主。俺たちは戦争をしてんだ」

「けどよ……!」

「話を戻すぞ。ザイルさんは仕事に関しては信用できる人だ。その人が帰って来ず、更に、統治軍の動きがおかしい。……捕まって、生かしておく意味がなければ殺されている」


 レオンが、組んだ手を強く握り締める。護は、くそっ、と吐き捨てた。


「だったら何だよ? 俺たちがいるのはもう向こうに知られてんのか?」

「それはわからない。だが、まず有り得ないだろう。俺たちはここへ戻ってくるのに、地下の巨大通路を使った。更に機動力は神将騎でだ。この速度を向こうが予測できるとは思えん」


 レオンは言い切る。そう、護たちがここ――首都に、普通なら辿り着けない速度で帰還したのは、それが理由だ。遥か古代から存在する、シベリア連邦の地下に存在する広大な地下道。全容は誰も知らないそれの一部を用い、護たちは今まで活動してきた。

 無論、統治軍も地下道の存在は知っている。だが、その構造の把握などその坑道の広さ故にできるはずがなく、また、出入り口の全てを捕捉できているわけでもないため、先手が打てる。

 また、その坑道を通るのは護が操る神将騎〈フェンリル〉だ。その速度は、文字通り圧倒的である。伊達に現代最強の兵器というわけではない。速度も、出力も、神将騎というのは圧倒的なのだ。


 そうなのか、と護が呟く。レオンは頷きながら、だが、と言葉を紡いだ。


「ここに長居することもできなくなった。今夜中にここを発つぞ」

「随分早ぇな」

「当然だ」


 護の言葉に対し、応じたのはレイドだった。彼は、いいか、と前置きしながら言葉を紡ぐ。


「俺たちが今までやってこれたのは、ゲリラ戦をやってきたからこそだ。正面から軍隊とやり合って、勝てるはずがないんだよ坊主」

「更に、今までは避けてきたが、首都には統治軍の本隊がある。勝てる道理はない」


 二人が言い切る。護は、ちっ、と舌打ちを零した。


「わかった。俺はどうすればいい?」

「とりあえずはここで待機だ。今、下でレベッカが〈フェンリル〉の調整をしてくれてる。それが終わり次第、出発だな」

「わかった」


 護は頷く。頷きながら、彼は今日の出来事を思い出していた。


(アリス……)


 再会した相手。約束の相手。

 二年間。酷く、どうしようもないほどに長かったように思う。この二年の間に、忘れなかった日はない。


 交わした約束を。

 小さな、誓いを。


 目を閉じ、護は確かめる。自らがここにいる理由を。

 ここまで戦ってきた理由を。

 ――故に。


「なあ、レオン」


 レオンに背を向けたまま、護は言葉を紡いだ。何だ、という問いが返ってくる。護は頷いた。


「俺は――この国を取り戻す」

「……キツい道だぞ。前にも言ったが」

「構わねぇ」


 護は言い切る。

 約束を交わしたのだ。平和になったら、と。

 そして今、この国は平和じゃない。ならば。


 平和にするしか――ないではないか。


「俺は、必ず勝つ」


 言い切った時だった。



『スラム街の者たちに告ぐ!! 貴様らがテロリストを匿っているという情報が入った!!』



 外から、そんな声が聞こえてきたのは。


『全員、家屋から外へ出ろ!!』


 響き渡る声。拡声器によってスラムへと広がる声の中、背後でレオンが言葉を紡いだ。


「……護」


 何だ、と、護が問いかける。レオンは、冷たい声で言葉を紡いだ。


「お前が本当にこの国を救いたい、なんて言うのなら……耐えろよ」



◇ ◇ ◇



 統治軍本部の片隅。倉庫のような建物に、一つの影が入り込んだ。ソラ・ヤナギ。統治軍の大尉だ。


「お疲れさん、っと」


 軽い調子で、ソラはその扉をくぐる。すると、中には既に十人くらいの軍人がいた。全員がそれぞれ、おいーっす、やら、どうもー、などといった適当な挨拶を返してくる。軍隊の規律としてこれはアウトだが、ソラが気にした様子はない。働く時に働いてくれればそれでいいのだ。

 ソラはそれぞれの動き――見た目は緩んでいるが、空気は引き締まっている――を見ながら、一番奥で膝をついている巨人の方へと向かっていく。


 神将騎――〈ワルキューレ〉。

 白銀の装甲を持ち、まるで騎士甲冑を纏う騎士のような姿をしたそれは、まるで主を讃える騎士のような姿で頭を垂れている。その足下には、二つの人影。


「……やさかい、やっぱり近接格闘が主体で組まれとるんやと思います」

「な、成程。それだとやっぱり、射撃は……?」

「うん、牽制程度ですね」


 頷き合うのは、ソラの隊における唯一の女性二人だ。花が二つ揃って何の話をしているかと思えば、神将騎の話とは。色気がない。


「うっす、リィラ。アリス」

「あ、隊長。どうもです~」

「あ、お、お疲れ様です」


 気楽な挨拶と、頭まで下げてくる挨拶。ここに二人の性格の差が表れている。


「ええと、アリス? 何、俺怖い?」

「え、いや、そ、そんなことないですよ!?」

「いや怖いやろ。隊長は怖いで」


 必死に両手を顔の前で振るアリスの横で、茶髪のバンダナを着けた少女――リィラ・夢路・ソレイユがうんうんと頷く。ソラは、そんなリィラに半目を向けた。


「何でお前が答えるんだよ、リィラ?」

「だって隊長鬼畜やもん」

「はぁ? どこがだ?」

「……こんなにも隊長のこと想ってるのに、デートの誘い一つないなんて、ウチ、ウチ……ッ!」

「リィラ。今すぐ嘘泣きをやめろそして馬鹿ども銃を降ろせっていうか上官に銃向けてんじゃねぇ!」

「隊長、あんたは俺たちの敵だ」

「ああそうかい。じゃあかかってこいや」

「あ、あの、そ、そこまでに」


 ファイティングポーズをとるソラと、彼を囲む男隊員たち。謎の死闘が始まりそうだったのを、アリスが割って入って止めた。ソラが、ふう、と息を吐く。


「さて、アリスの言う通り冗談はここまでだ」

「ウチの想いは冗談なんかやない……ッ!」

「だから銃を降ろせ。そしてお前はこれ以上話をややこしくすんな」


 ふう、と、ソラがもう一度ため息を吐く。そうしてから彼が目をゆっくりと開けると、全員の空気が変わっていた。ソラは、いいか、と前置きしてから言葉を紡ぐ。


「今回のスラム侵攻について、俺たちは後方待機だ。だが、必ず動く時が来る。その気でいろ」

「あの、隊長」


 隊員の一人が声を上げた。ソラが視線で促すと、その隊員は頷きながら言葉を紡ぐ。


「スラム侵攻、何故自分たちが待機なのですか?」

「ん? ああ、正義だからだ」


 正義、という言葉に、全員が同時に眉をひそめた。その光景を見て、ソラは、まあそうだろうな、と納得する。

 第十三遊撃小隊――統治軍において末端、記録上にもほとんど姿を見せないソラの小隊は、文字通り『捨て駒』の部隊である。可能よりも不可能に天秤が傾くような任務ばかりを背負わされる。そんな部隊だ。

 それは所謂『正規部隊』の損害を減らすために存在する部隊であり、また、別の側面も担っている。

 ――曰く、『正規部隊にはできないことをする部隊』だ。


 軍隊は、綺麗事だけでは回らない。卑怯だと言われるようなことを平然とする必要がある。だが、政治がそうであるように、綺麗事を見せる必要がある。その上で、汚いことを担当する闇の部分というのが必要になるのだ。

 それが、第十三遊撃小隊である。

 そして、今回の作戦、スラムへの侵攻というのは普通に考えれば汚れ仕事。彼らの領分である。だが、ソラはそんなことはない、と言葉を紡いだ。


「これがもし、市街地へだったら俺たちの任務だろうけどな。相手はスラムだ。俺たちの領分じゃない」

「どういうことですか?」

「スラムってのは、言葉からしてイメージが悪いだろ? 要するにそういうことだよ。あれを潰すってのは、ここの治安維持を行うことになるんだな、これが。少なくとも本国――ってかEUにはそう説明できる」


 言いながら、事実、とソラは思った。実際はそこまで酷くないのだろうが、犯罪の発生や疫病の蔓延など、理由を挙げればきりがない。それがでっち上げでいいというのだから尚更だ。

 ……何せ、相手はシベリア人だしな……。

 そんな風に内心で言葉を作るソラに、でも、とアリスが言葉を紡いだ。


「そ、それでも、スラムを攻撃というのは民間人への攻撃ですし、やっぱり……汚れ仕事なのでは?」


 言葉がしっかりしてきたな、と思いながら、んー、とソラは唸る。言うべきか否か……まあ、言わない意味もない、と判断し、言葉を作る。


「言い難いけどな、統治軍にとって――いや、EUにとって、シベリア人は『どうでもいい』存在なんだよ」

「…………!」


 アリスが目を見開く。その横でリィラがこちらを睨み付けているが、黙っていても仕方がないことである。故に、ソラは言葉を続けた。


「世界は平等なんかじゃない。この国は敗戦国で、シベリア人は敗北者だ。EUはEUの――というか、あれだな。自分の国の利益しか考えてないんだよ。いちいちシベリアのこと考えると思うか?」

「……まあ、考えへんやろうなぁ」

「…………」


 呟くように言うリィラの横で、アリスが俯く。ソラは、まあ、と肩を竦めた。


「悩んだところで、俺たちには何もできんよ。俺たちは懲罰部隊。爪弾き者。掃き溜めだ。従うしかできず、それだけでいい。――アリス・クラフトマン中尉。お前は、そういう道を選んだんだろう?」


 厳しい言葉だ、とは思いながら、ソラは言った。

 アリスがここにいる理由。背後の〈ワルキューレ〉と、一つの契約が彼女に辛い立場を強いている。それを皆知っているからこそ、彼女を仲間と信じているのであり、信じてくれている。


「…………」


 リィラが険しい表情でこちらを見ている。おそらく後で説教されるのだろうが、嫌われるのも指揮官の仕事の一つだ。……まあ、ここの隊員たちは、結局、皆がなんだかんだでついてきてくれるのだが。

 だからソラはぼかすことをせず、正面から言葉を叩き付けた。


「こちら側に来ることで、シベリア連邦の服従を示した。『EUのために殉職したシベリア人の奏者』――お前さんが選んで、与えられた立場はそれだろう?」

「――隊長」

「黙ってろ、ソレイユ戦車長」


 見かねたらしいリィラの言葉に、ソラは一瞥と共にそう言葉を叩き付けた。説教は後で聞く。今ではない。

 まだ言いたいことはあった。だが、ソラは一度ゆっくりと息を吐いて自分を落ち着かせると、強引に占めるための言葉を紡いだ。


「総員待機だ。今夜は忙しくなる。――応答は?」

「……、――了解」


 逡巡があり、しかし、確かな応答があった。だからソラは、うん、と頷く。


「後悔したくないから、ここにいるんだろ? だったら、今までを否定するようなことをするな」


 そして、ソラは隊員たちに背を向ける。その中で、ああ、と彼は一人、苦笑を零した。


 ――慣れないよなぁ、こういうの……。



◇ ◇ ◇



 残されたアリスは、しばらく動くことができなかった。

 隊長――ソラ・ヤナギ。自分がここに配属されてからの約二年間、ずっと指揮を執っている人物。尊敬しているし、その能力や人格についても信頼している。

 だが、そのソラでさえ、どうしようもないのだと言った。

 見ているしかないのだと。いつも、隠れるようにして訪れていたあの場所が潰されるのを――スラムが壊されるのを、黙って見ているしかないのだと。

 嫌だ、と、アリスは思った。あそこには女子供しかいない。辛い毎日しかない。それでも歯を食い縛って生きている人たちがいる。あの人たちは、自分のような『裏切り者』に、手を差し伸べてくれた。


 ふと、アリスは自身の背後を見上げた。


 鎮座するのは、〝神将騎〟――〈ワルキューレ〉。


 元々は前大戦でシベリア軍の主力として活躍し、東側の防衛の要だったという機体だ。しかし、戦争末期に東側――中華帝国の方面から侵攻してきた大日本帝国の軍隊を相手に敗北、鹵獲され、紆余曲折を経てEUの研究室に運ばれたという。

 戦後、徴兵されたとはいえシベリア軍人であったアリスが〝奏者〟であると発覚、動かせる機体の適合の判断をした結果、統治軍では誰も扱えなかった〈ワルキューレ〉を唯一扱える存在として、敗戦国の人間でありながらも統治軍に所属している。 


 ふと、アリスは思った。

 この子とならば、あるいはと。

 自分は、この状況を――……


「中尉?」


 不意に肩を掴まれた。ビクッ、と、自分でもわかるくらいに体を大きく震わせる。振り返ると、視線の先にはリィラ――自分以外では隊の中では唯一の女性隊員がいた。


「え、あ、ど、どうしました?」

「いや、それはこっちの台詞です。どないしはったんですか?」


 リィラが心配そうな表情でこちらを見ている。何がですか、というアリスの問いかけに、リィラは頷いて応じた。


「何や、思いつめたような表情してはりましたよ?」

「そう……ですか?」

「うん。……あの、隊長の言うことは、その」


 リィラが言い難そうに俯く。アリスは、首を左右に振った。


「大丈夫です。隊長の言うことも、理解しています」


 だから、と、アリスは言った。自身の相棒たる機体を見上げながら、苦笑と共に。


「私は、大丈夫です」


 その言葉に対し、リィラは何も言わず。

 アリスは、静かに〈ワルキューレ〉へと乗り込んだ。



◇ ◇ ◇



 護たち《氷狼》は、スラムの端にある小さな家屋に身を潜めていた。見た目はそれこそ家畜小屋のような装いだが、地下がシベリアに広がる大空洞に繋がっており、重宝している。

 護はその家屋から視線を走らせ、外を見ながら、レオンへと言葉を紡ぐ。


「おいレオン。どういうことだよこれは?」

「俺が聞きたい。が、そうだな。……向こうも本気ということだろう」


 護の正面。別の場所から外を睨むようにしているレオンが、外から視線を外さないままにそう言葉を紡いだ。

 どういうことだ、と護は眉をひそめる。レオンはやはり護の方を見ないまま、言葉を続けた。


「状況からして、推測できるのは二つ。一つは、俺たちがここにいるということが漏れて、向こうがそれを潰しに来ているということ。もう一つは、俺たちがいるかどうかはどうでもよく、単純にここを潰しに来ている場合だ」

「いや、ちょっと待てよ。二つ目は何だ? 俺たちがいるって確証があるから、あいつらはここに来てんじゃねぇのか?」

「頭を使え、護」

「うるせぇ。どうせ俺は馬鹿だよ」

「そういう話じゃない。……いいか、よく考えてみろ」


 ため息を吐き、レオンは初めて護の方へと視線を向けた。こつん、という音を立てて彼が手に持った長銃で床を叩き、レオンが言葉を紡いでくる。


「ここはどこだ? スラムだ。護。スラム、という単語に対してどんなイメージを持つ?」

「ん? そりゃあ、居心地良くて、ガキ共が走り回ってる場所だろ?」

「それは、このスラム限定の話だ。世間一般で言うところの、『外から見た貧民街』のイメージはどうだ?」


 言われ、護は少し考え込む。スラム――貧民街。そのイメージは、決して良いものではない。むしろ――


「それだ、護」


 まるで思考を見抜いたかのように、レオンが言った。


「統治する側にとって、スラムなんていうのは失くしてしまいたいものだ。いずれ何かしらの理由を付けて潰しにくるかもしれないとは思っていたが……まさか、な」

「……ちっ、どうする?」

「どうするも何も、撤退しか選択肢にはない。今、地下でレイドさんとレベッカが証拠隠滅含めて撤退の準備をしてくれている。それが済み次第、俺たちは地下から撤退だ」

「撤退……?」


 護は眉をひそめた。そして、待てよ、と言葉を紡ぐ。


「テメェ、ここを見捨てるつもりか?」

「そうだな」

「ふざけん――」


 叫びそうになった瞬間、銃口を向けられ、護は言葉を遮られた。レオンは静かに言葉を紡いでくる。


「静かにしろ。……耐えろと、俺はそう言ったはずだぞ」

「けど、レオン。俺たちは」

「俺たちがここで負けて、殺された時、どうなる? 希望は残らない。そうなれば終わりだぞ、護」


 レオンの言うことはわかる。戦うための力を根こそぎ奪われた中、この二年で活動している者はそのほとんどが殺され、結果として自分たちしか今はもう活動していない。

 そんな自分たちまで堕ちれば、確かにもう、どうしようもなくなる。それはわかる。だが、そうじゃない。そうじゃないのだ。


「俺たちは、俺たちは何のために戦ってんだよ、レオン!?」


 問いかけた。声を殺しながらも、それでも、感情を叩き付けた。

 そう――そうなのだ。自分たちが戦うのは、この国のため。だが、護には国という単位の大きさがわからない。だから必然、彼の理由は彼が知っている人たちのためとなる。

 つまり、レオンたち仲間であり、スラムの人たち、子供たちであり――アリスという少女である。

 その、戦う理由を見捨てろと、レオンは言うのだ。理性がその意味を理解していても、本能と感情がそれを認めない。

 だがレオンは、護の感情に対し、同じ言葉をただ紡ぐ。


「この国のためだ。耐えろ、護」

「だから、俺は――……!」



 ――ダァンッッッ!!



 銃声が轟いた。護とレオンは、弾かれたように外を見る。


 そして――ただ、二人は、目を見開いた。



 ――一人の老婆が、その体を一人の軍人の手によって撃ち抜かれていた。



 鮮血。その中で、老婆を撃ち抜いた軍人が、手にした拳銃を次なるターゲットへと向ける。その先にいるのは、目の前の出来事に対して呆然とし、動けないでいる小さな子供。


「まだ、見せしめが必要か?」


 そんな声が聞こえた。そして。


 ――護の中で、何かが、振り切れた。


「悪ぃ、レオン」


 呟きと共に、護は、走り出す。


「俺、耐えるとか、やっぱり――無理だ」


 後はもう――止まらなかった。

 止まれなかった。



◇ ◇ ◇



 カルリーネ・シュトレンは、内心で息を吐いた。彼女の背後には、戦車四機を中心とした一個中隊が展開されている。後方には『切り札』も控えており、万全な状態だ。

 そして、この万全な状態というものを構築したのは彼女だが、そこには一人の青年の助言がある。

 ソラ・ヤナギ。

 現在、とある案件のせいで統治軍のトップである将軍と統治軍の総督であるウィリアム・ロバートは首都を離れている。そのため、大尉という階級でありながらも十三代続くドイツの名門貴族シュトレン家の当主であるカルリーネが一時的に全権を預かっているわけだが、いくら彼女でも動くのには理由がいる。


(あの男は、その理由を全て揃えてきたか)


 テロリスト――まあ、この状況下では《氷狼》のことだが、それがここにいるという確証はない。だが、可能性はある。そして同時に、スラムという厄介なものを消すという大義名分もあった。

 汚い手だ、と、カルリーネは思う。外道だと。

 だが、戦争というのはそういうもので、軍隊というものはそういうものだ。勝てば正義。負ければ悪。そしてこちらは勝者だ。理由付けなど後でいくらでもできる。

 故にこそ。


「まだ、見せしめが必要か?」


 拳銃の照準を、子供へと向けた。怯えた表情。この子供を撃ち、それでも出てこなかったのなら、まあ、それでもいい。結局潰すのだ。皆殺しにする気はないが、見せしめは必要である。

 引き金に力を込める。自身が撃ち殺した老婆へと、一瞬、カルリーネは視線を向けた。しかし、何とも思わない。思う必要もない。

 生きるべき人間と死ぬべき人間。自分と老婆。そして子供との間にあるのはそれだけなのだから。

 そして。

 ――カルリーネは、引き金を絞った。


 鮮血。同時に。

 凄まじい轟音が――宙を裂いた。


「来たか、餓狼」


 カルリーネが叫ぶと同時、一体の巨人が地面へと着地する。全長四メートル弱の蒼で全身を塗装されたその機体の姿を、カルリーネは報告書で知っている。


「――〈フェンリル〉!!」


 かつての戦争で敗れ去りながら、今も尚、欧州へと牙を剥く氷原の餓狼。

 その機体はまるで慟哭でもするかのように、夜空を見上げた。



◇ ◇ ◇



 護は、目の前の状況に、ただただ、叫んでいた。


「――――――――――――ッ!!」


 救えたはずの命が救えなかった。血溜りを作る二つの死体を見て、ただただ、慟哭する。


「ふざけんな……ッ!!」


 吠える。右手に持つのは、打ち払うための刃。左手に持つのは、守るための刃。

 その両方を握る手に力を込めて。


 護は――突撃する!!


『放て!!』


 声が聞こえた。四台、横一列に並んだ戦車が、こちらを狙っている。護は咆哮するように叫ぶと、全力で〈フェンリル〉を突撃させた。

 一閃、強力な一撃が戦車を一台、両断する。そのまま、返す刃でもう一台、粉砕する。

 残る二台の砲門がこちらを向く。だが、照準を合わされる前に護は大きく跳躍した。

 ズンッ、という凄まじい音を立て、空へと上がる護。そこまで大きな跳躍ではないが、戦車の上を取ることはできた。種類にもよるが、今ここに来ている戦車は砲門が真上には向かない型だ。ならば――


「おおっ!!」


 咆哮。上空より剣を突き刺し、戦車を破壊。そのまま、もう一台の戦車も盾による打撃で打ち、吹き飛ばす。

 戦車は封じた――そう思った護のコックピットから見える視界に、動きがあった。戦車を砕かれ、指揮官らしき女性指揮官――先程、二人を射殺した女性が無線で何やら連絡を取っているのだ。

 そこで、護は改めて理解する。ここは首都であり、統治軍の本拠地だ。神将騎だって何機もあるだろうし、相応の装備もあるはずである。


 マズいな、と、護は思った。神将騎同士の戦闘になれば、護には周囲を気にする余裕が消える。ここで神将騎の戦闘などをしたら、文字通りここが潰れる。

 ならば、と、護は首都の中心地を睨む。ここから戦場を移動させなければ。


「〈フェンリル〉!!」


 呼ぶと、まるで応じてくれるように力を溜め、〈フェンリル〉が地面を蹴り飛ばした。エネルギー残量を見る。原理は不明だが、神将騎は単純な時間経過でエネルギーの回復をする。現在はフルチャージとはいかないが、一時間近くは動ける程に回復はしていた。

 そして、護は首都の中心部へと高速で移動する。少しすると、大きな広場に出た。周囲では一般人と思しき者たちが悲鳴を上げているが、そのほとんどは他国の人間だ。

 小さな舌打ち。それと共に、どうするか、と護は思考を巡らせる。

 ――そこへ。



 大質量の到着音が、響き渡った。

 現れたのは、白銀騎士甲冑を纏ったような姿の神将騎。



 ザザッ、と、〈フェンリル〉のコックピット内にノイズが走った。〈フェンリル〉を含め、神将騎に装着されている通信機だ。相手は――レオン。


「何だ――」

『死ね』


 簡潔な一言だった。だがその後、いや、とレオンは言葉を繋げた。


『俺が殺す。だから生きて戻ってこい。東だ。東へ向かえ』

「東?」


 問いかけ。それに対し、ああ、とレオンが応じてきた。


『こんなことにならなければ言うつもりだったんだが、東には――……――ッ、……、――……』

「レオン? おい、レオンッ!?」


 通信が途切れる。……何れにせよ、方針は定まった。あのレオンが確証もない指示を飛ばすはずがない。自分は生きて東へと向かえばいい。

 だが、その前に――


「……〈ワルキューレ〉」


 目の前に現れた機体を見て、護は呟く。直接見たことはなかったが、アルビナとかいうレオンが頼りにしている情報屋からもらった情報で見た記憶がある。統治軍の主力の一機だ。

 その〈ワルキューレ〉が、その背に背負った長槍を右手に持つと、大きく振り回した。洗練された動きだ。それだけで、操っている奏者の実力が高いことがわかる。


(俺と同じ、近接主体か)


 腰のハードポイントに短銃が二丁、装備されているが、使う気配がない。つまりは、近接戦が主体の機体なのだろう。

 ならば、と、護は思う。

 ここで〈ワルキューレ〉を砕き、東へと移動する。レオンたちのために時間を稼ぐことを考えれば、二十分近くは暴れなければならない。


 行くぞ、と、護は呟き。

 そして、戦闘が始まった。




 こうして始まった長い長い戦いの日々は。

 きっと、始まりから、間違っていたのだろう。

というわけで最新話。

全力全開、大加速中でございます。


ソラ&リィラの会話はおそらく、前半戦では後々登場する変態と合わせて唯一の気を抜ける部分。助かりますね、本当に。


そして、序盤戦開幕。後二話分は明日、明後日にでも投稿します。


お付き合い頂けると幸いです。

感想お待ちしております。


ありがとうございました。

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