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英雄譚―名も亡き墓標―  作者: アマネ・リィラ
シベリア動乱編―約束―
21/85

第十七話 さよならと、あなたは言った


 三日三晩、ほとんど休みなしで動いた故に、出木天音は不機嫌だった。〈毘沙門天〉の修復は楽しかったが、それはそれである。

 四重の装甲。あれには無論、意味がある。半分以上が趣味だが、あの装甲は要するに『単騎で敵将へと辿り着くための壁』だ。

 朱里・アスリエル。《赤獅子》。

 あの男自体も相当な脅威だが、問題はその前にいる敵の方だ。あれらを蹴散らさなければ、その首にさえも手は届かない。

 討ち取れるかどうかは話が別。まずはその手を届かせなければ、何一つとして成し遂げることはできないのだから。たった一矢を報いるための、他を無視するための壁。

 まあ、使いこなせるかどうかは別だが。


「全く、睡眠不足はお肌の大敵だというのに……」


 呟きつつ、天音は自室へと向かっていく。ちなみに彼女以外の技術者は軒並み全滅し、最後は最早耐久レースの様相を呈していた。それでも三日で酷く損傷した二機の神将騎を修復したのだから、その働きには目を見張るものがあるが。


「とりあえず、今は寝ましょう……厄介なこともありますからね……」


 割り当てられた自分の部屋に入り、白衣を脱ぐ。そこで、天音は動きを止めた。


「――それで、頼んでおいたことはどうなりましたか?」


 部屋の隅へと天音が視線を送る。そこには、キセルを咥えた女性がいた。左目の眼帯と、左腕の包帯が特徴的なその人物の名は、伊狩・S・アルビナ。

 世界中を旅して回っている人物で、紙の上ではなく実地で体験したその経験は、確かなものとして彼女の中にある。そこからくる知識と彼女の気質を好ましく思う天音にしてみれば、頼りになる友とも呼べる人物だ。


「あったよ。けど、起動はしないさね。雪に埋もれてたけど、まあ、どうにか引っ張り出しといたよ」

「ありがとうございます。今はどこに?」

「このポイントに隠してる。回収したいのなら急いだ方がいいさね。そう簡単に見つかるとも思えないけど、見つからないわけじゃない」

「道理ですね」


 眠たげな視線をアルビナの持つ地図へ向け、天音は言う。


「とりあえず、報酬はいつもの通りお渡しします。……ですが、一つ疑問が。わざわざここへと来られたということは、何か私に伝えたいことがあったのではありませんか?」

「……大日本帝国が動いてる」


 アルビナの言葉。それを受け、天音は眉をひそめた。アルビナは続ける。


「首都モスクワの裏手に、大日本帝国の軍隊が駐留してるよ。規模はそこまで大きくないから、おそらく大使か何かさね。……先生、心当たりがあるだろう?」

「追われる理由はそれこそ山とあるわけですが……まあ、想定していたことです。〈毘沙門天〉が表に出た時点で、私の存在は露見しますからね」

「どうするつもりさね?」

「別にどうもしませんよ。かかってくるなら対処しますし、邪魔をするなら殺します。今更なんですよ、全てがね。もう止まれませんし、戻れはしません」


 服を脱ぎながら、天音は言う。アルビナが息を吐いた。


「先生の目的は知らないし、アタシにしてみれば興味がないこと。先生が何をしようがどうでもいいさね。だけど、先生。アタシは一応、アンタのことを友だと思ってる」

「それは嬉しいですね。私もそう思っています」

「……その笑顔が信用できないのが玉に瑕なんだけど、まあ、いいさね。そのアンタが死にそうなのは、正直見過ごせない。――どうするつもりだい?」

「……彼らに対しては、謀略も策略も通用しませんからねー……」


 天井を見上げながら、天音は呟く。大日本帝国――彼の国は、どれだけの策を巡らせようと正面からそれを純粋な力で打ち破ってくる。そんなものを相手に、打てる手は少ない。


「とりあえず、正面から相対するしかないでしょう。そうするしか、ね」

「どうにかなるのかい、先生?」

「物事はいつだって、なるようになりますよ」


 天音は言う。所詮はそんなものだと。


「流されるままに生きていけば、なるようになります。それが嫌ならば、抗うしかない。抗っていくしかないのです。人生における選択肢など、それに終始します」

「で、先生は抗うことを選んだと?」

「流される人生など、御免ですからね」


 ふふっ、と天音が笑みを浮かべる。そう、御免だ。

 牢獄のような日々。格子の向こう側でしか世界を見ることが許されない毎日。

 ただ、ただ、格子の隙間から手を伸ばすことしかできない日々など。

 そんな人生を受け入れるなど――御免だった。


「そう、そんなものは御免なのです。死ぬのならば、反逆の果て、叛乱の果て、死山血河の果てにこそ私は死にます。ここにいた証が私には必要なのですよ、アルビナ」

「……死ぬ気、とそう捉えてもいいような口振りだね?」

「いえいえ、死ぬのはつまらない。それはつまらないですよ。なので、死ぬつもりはありません」


 とりあえず寝ます。欠伸を噛み殺してそう言うと、天音はベッドに横になった。言いたいことは言った。そんな雰囲気だ。

 その天音に、アルビナが呟くように言葉を紡ぐ。


「……このくそ寒い中、どうして全裸で寝てるさね?」

「人間は恒温動物だからです」


 返答は即座に返ってきた。

 意味がわからない、言葉だった。



◇ ◇ ◇



 二機の神将騎の戦いは、熾烈を極めた。互いに近接特化型。目の前の敵を斬る、潰す。それだけを追求している。

 互いに高速の移動をしながらの戦闘。渓谷へと差し掛かるが、崖の上だ。地形的な問題はない。


「――――」


 目の前の神将騎を睨み据え、護はただただそれを狩るために〝海割〟を振るい続ける。

 統治軍の神将騎――〈ワルキューレ〉。

 最初に相対した時は、その状況から退くしかなかった。その際に〈フェンリル〉は左腕を奪われた。

 その後、二度、三度と戦い、ここにいる。


 ――今日こそ!


 護は内心で決意を定める。強いことは理解している。しかし、超えなければならない敵だ。

 戦っていくと決めた。抗うと定めた。

 そのために――倒さなければならない。


「はあっ!」


 機体を回転させ、遠心力からの一撃を叩き込む。渾身の一撃。だが、〈ワルキューレ〉は機体をズラし、その攻撃を受け流す。

 同時、こちらへと踏み込んできた。眼前、刃が迫る。

〈毘沙門天〉はそれをバックステップで回避。ギリギリの場所を、〈ワルキューレ〉の刃が駆け抜ける。

 何合目になるかわからない。位置を変え、距離を変え、二機の神将騎は殺し合いを続けている。


 ――ここで、殺る!


 普段なら撤退も考える状況。しかし、護は止まらない。

 アルツフェムを強襲してきたコイツらは、その早さからしておそらく相当な強行軍でこちらへ向かってきていたはずだ。対し、こちらは修復明けのテストもまだだがエネルギーは万全。

 本来なら、《赤獅子》の首を獲りたいところだったが――天音はそのための装甲だと言っていたし――まあ、予定は予定。この〈ワルキューレ〉も〈セント・エルモ〉を圧倒したような神将騎だ。厄介であることに違いはない。


 ――にしても、コイツ……!


 目の前の神将騎を見据え、護は内心で苛立ちを浮かべる。〈ワルキューレ〉との戦闘は初めてではない。これまでに何度か戦ってきている。しかし、違う。

 前に戦った時より――明らかに強い。

 別に機体のスペックが上がったわけではない。そこに変化は見られない。

 ただ――鋭い。

 一撃、一撃が前に比べて明らかに鋭利な一撃になっている。急激に力をつけたのか、それとも、これが本気だったのか。

 いずれにせよ。


「油断したらこっちが殺られる……!」


 もう見えなくなった三機の神将騎はどうでもいい。今は、目の前の敵に集中する。

 距離を取る。その上で、大きく深呼吸。焦っては駄目だ。かといって、冷めたようになるのもいけない。冷静になり過ぎると、咄嗟の判断が出来なくなる。

 故に、思考は冷静に。同時に、何のために戦うのかを明確にする。

 戦う理由。ここにいる理由。

 奪われた家族のため。

 救えなかった『誰か』のため。

 許してはならない。理不尽を、不条理を。世界のルールが、自分以外の全てがそれを許したとしても、自分だけは許してはならない。

 だって――そうだろう?

 それじゃあ、嘘になってしまうじゃないか。

 憤ってきたこの心が。

 何度も流した涙が。

 あの哀しみが。

 全部――嘘になってしまう。

 だから。


「関係ねぇ……!」


 前を見る。思考を明確にする。何のために怒っているのか、何のために戦うのか。

 それを、忘れてはならない。

 それに、何よりも。

 絶対に、掴むと決めたものがある。


 約束を。

 小さな小さな、約束を。


 二年前に誓ったのだ。必ず、辿り着くと。

 ――故に。


「テメェがどれだけ強かろうが、関係ねぇんだ……!」


 護・アストラーデは、止まれない。

 その可能性は――過去へと、置いてきた。


「俺は、ここにいる!!」


 それが答えだ。

 故に。

 爆弾のような矛盾を孕みながら、護はそれでも前へと進む。


 脇道を見ずに進む者に。

 道の傍にある、大切なものが見えるはずがないというのに。



◇ ◇ ◇



 アリスは、かつてないほど自分が酷く冷静でいることに戸惑いを覚えていた。

 戦いは嫌いだ。怖いし、ほとんど必ずと言っていいほどに相手を殺す。自分が死ぬ可能性もあるが、それについてはよくわからないことだ。

 死ぬかもしれない、とは何度も思った。

 けれど。

 死にたくないと思ったことは――ない。

 死が実感できないからか、それとも違うのか。とある人物の言葉を借りるなら、『外れている』ということなのか。

 わからない。ただ、今日の自分がいつもとは違うことだけは理解できる。


「――――」


 いつもなら、アリスは戦闘が始まるとその精神に焦りが生まれる。それは人が持つ戦闘と殺人に対する原始的な恐怖なのだが、普通の軍人は訓練を積むことによってそれに慣れていく。

 しかし――アリスは違う。

 そもそもが強制徴兵で集められた一般人で、大戦時には本人さえ自身が〝奏者〟であることを知らなかった。

 護という、唯一心を開ける相手が死んだと思い込み、失意の中にいた彼女は言われるがままに統治軍が鹵獲した〈ワルキューレ〉に乗せられた。その際に奏者であることがわかり、アリスは言われたのだ。


〝貴様が統治軍のために死ねば、他の者たちも救えるかもしれんぞ?〟


 言ったのは、ドイツの貴族であるらしい女性、カルリーネ・シュトレンだ。その時に詳しい話を聞き、思ったのだ。

 護は――彼は、どこかで生きているかもしれないと。

 それからの二年は、戦いと彼を捜すことで塗り潰された。収容所のリストを見て、その名前を探し続ける日々。見つけたとして、何ができるかはわからなかったが……やるしかなかった。

 しかし、見つからない。

 そのまま、二年が経ち……多くのものを奪ってきた。殺してきた。

 心が、死んでいこうとした。


 ――けれど。

 また――会えた。


 しかし、その日に首都は燃えた。スラムは焼き払われ、自分の素性を聞かずに、ただただシベリア人だというだけで優しくしてくれた人たちが死んだ。

 その日以来、護は姿を見せなくなった。

 待っててくれと、彼は言った。だけど。


「…………私は」


 もう、引き返せない。

 戻れない場所へ来た。だから、戦う。


 ドクン、と心臓が高鳴った。

 ズキン、と包帯を巻いた左腕が疼いた。


 前を見る。そこにいる敵は、〈毘沙門天〉。

 レイラを殺した、叛乱軍の希望。


「……退けない」


 ツインブレイド〝デュアルファング〟を振り抜く。流石にドクター謹製の品だ。頑丈にできている。あの人にしてみれば随分まともなものを作ったものだ。

 一撃を受け止め、相手を見据える。心は平静を保ち続ける。

 レイラのことは、正直苦手だった。嫌い、とは思わない。あの反応が当然のものだし、遊撃小隊だって最初の頃は皆あのような対応だったのだから。

 でも、何故だろうか。

 目の前で彼女の乗る〈ミラージュ〉が吹き飛び、地面に落ちた瞬間――叫んでしまったのは。

 この心の静かさは、それが理由なのだろうか。

 わからない。わからないことばかりだ。

 ただ。


「……退けない!」


 目の前の敵を倒すこと。文字通り、命を懸けて。

 それが、自分のすべきことだということだけは、確かだった。

 踏み込む。振り上げた〝デュアルファング〟は、ギリギリで避けられた。それに合わせるように、突きが繰り出される。


 ――身を縮めて!


 対し、アリスは一歩踏み込むことを選択した。同時に機体を下へと沈み込ませる。掠めた突きが肩の装甲を弾き飛ばし、衝撃が機体を揺らす。

 しかし、避けることはできた。振り上げた腕はそのままに、左手で〝デュアルファング〟を掴むと、その柄を外す。

 双剣。密着するほどの距離ならば、こちらの方が威力の面でも手数の面でも圧倒的に強い。

 両手を振り下ろす。〈毘沙門天〉はそれを、強引に機体を捻って刀で受け止めた。


 ――押し込む!


 地面を噛み締め、アリスは思い切り力を込める。ギチギチと、金属同士が嫌な音を立てた。

〈毘沙門天〉の体勢は不十分だ。このまま力技で――


 ピシッ、と目の前で何かが弾けた。

 モニターを見る。瞬間、アリスの背を悪寒が駆け抜けた。


 ――マズいっ!


 直後、世界が揺れる。

 甲高い金属音。弾かれた双剣の片方が宙を舞う。

〈毘沙門天〉が背中に背負うブースター。それを相手が強引に起動したのだ。この状況下で発動すれば、機体に相当な負荷がかかったであろうに……。

 残る、右手の双剣を機体の前に持ってくる。同時に背後へと飛び、衝撃へ身構え――


「……………………えっ?」


 足の裏の、地面を掴む感触がなくなった。

 相手は依然、眼前にいる。しかし、距離が詰まらない。

 浮遊感。そこで、アリスは気付く。


 ――ああ、私は。

 落ちているんだ。



 二機の神将騎は。

 もつれるようにして、堕ちていく。



◇ ◇ ◇



 ――夢を見ていた。

 酷く、酷く寂しい夢。

 息を切らして走っている男がいる。ただただ、男は走っている。

 何故かはわからない。ただ前を見て、灰色の空を見上げて、走り続けている。


 ただ、真っ直ぐに。

 ただ、真っ直ぐに。

 ただただ、ひたすらに。


 どうしてなのだろう?

 どうして、こんなにもこの男は必死なのだろう?


 ここからは背中しか見えない。それでも、わかる。

 まるで、鬼。

 背中越しにもわかる、その気迫。


 小さな壁が、男の前に現れた。

 男は、それを越えていく。

 少し、大きな壁が現れた。

 男は、それを越えていく。


 何故なのだろう?

 避ければいいのに、脇道を行けば越える必要などないのに。

 何故こんなにも、前しか見ていないのだろう?


 男の前に、どう考えても越えられない壁が現れた。

 今度こそ、男は脇道を見るだろう。そう思った。

 ――けれど。

 男は――そうしなかった。


 ドンッ、ドンッ、ドンッ。

 音が響く。鈍く、重く、痛い音。

 男は、ただただ愚直に壁を殴り続ける。

 血が飛び散る。拳が潰れていく。

 それでも――男は止まらない。


 しかし、いつしか音は聞こえなくなった。

 壁には鮮血が付着するのみ。砕くことはできない。

 男は、地面に這い蹲っている。それでも、進もうとしている。

 無様だと、そう思った。脇道を行けば、こんなことにはならなかったのに。


 ――不意に、視界が開けた。


 霧に覆われ、よく見えなかった脇道。そこが、見えた。

 同時に――吐き気が込みあがってくる。

 そこにあったのは、たった一つの事象。



 死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死――死!



 無数の死体が、折り重なるようにしてそこにはあった。

 何故、と思う。それと同時に、男の歩んできた道を振り返る。

 そこにも――死体があった。 

 男はただ、走ってきただけだ。しかし、男の歩んできた道には死体が折り重なり、また、彼の側にも死体が溢れかえっていた。


 男が、ピクリと動き出した。

 ゆっくりと、立ち上がる。血塗れの拳で、壁へと手をつきながら。

 どうしてそこまでするのか。どうして、立ち止まろうとしないのか。

 こんなにも、彼の周囲には死が溢れているというのに――


〝――――〟


 男が、何かを呟いた。

 ゆっくりと、その視線がこちらを振り返る。

 その、男は。



 ――――――――俺、だった。



 どうして、と。

 男が呟いたような、気がした。



 ――――。

 ――――――――。

 ――――――――――――。



「…………ッ、あっ……?」


 漆黒の闇の中、護は呻き声を漏らした。目を開けているはずだというのに、その瞳は何も映さない。くそっ、と護は呟いた。


「どんだけマヌケだよ、俺は……ッ!」


 戦闘に集中し過ぎて、崖の側まで来ていることに気付かなかった。地形把握は戦闘における基本だ。それを怠った自分のミスである。

 手探りで機器を掴み、動かそうと試みる。しかし、動かない。


「一時的にエネルギーが飛んでんのか……どっちにせよ、ここにいても仕方がねぇ」


 ハッチを開け、護は外へ出る。神将騎のハッチは完全な手動だ。外に出ると、冷たい外気が体を打った。

 空は、相変わらず灰色。夜という時間でありながら、その分厚い雲が灰色だということがわかる。

 ズキン、と不意に頭が痛んだ。落下の際にどこかへ打ち付けたか、それとも、詳細は覚えていないがどうしようもなく起きた時の気分が悪かった、夢見のせいか。

 頭を振り、拳銃を握り締めながら歩いていく。〈ワルキューレ〉も一緒に落ちたはずだ。その位置を確認しなければならない。

 雪の道を歩いていく。自分一人しかこの世界にはいないような感覚。

 ほうっ、と吐息を漏らした。空を見上げる。変わらず分厚い雲が見える。

 歩いていく。

 歩いていく。

 歩いていく。


 ――護・アストラーデは気付かない。

 道を往く時でさえ、彼は前と上しか見ていないということに。


 そして、護は見つける。


「…………」


 ――〈ワルキューレ〉。

 うつ伏せに倒れ、動く気配はない。

 慎重に様子を窺う。動きはない。向こうもこちらの〈毘沙門天〉と同じで、エネルギー切れかもしれない。


「……悩んでても仕方ねぇ」


 動かずにいても、状況は変わらない。意を決し、護は〈ワルキューレ〉へと近付いていく。

 反応はない。背後へと音を立てずに乗り込み、ハッチへと手を触れる。


「…………」


 ごくりと、唾を呑み込む。〈ワルキューレ〉――幾度となく殺し合いを演じた敵。その奏者は、どんな奴なのか。

 ハッチを開ける。それと同時に、銃を構えた。


「動くな! 俺は――……」


 ――目に入った光景に。

 護は、動くことができなかった。


「う……」


 目の前にいたのは、少女。いや、それ自体はおかしいことでもなんでもない。奏者には性別も年齢も関係ないのだから。

 だから、問題はそこではない。


 ここは、〈ワルキューレ〉のコックピット。

 この状況下、いるのはその奏者しかありえない。

 それは、間違えようのない事実。


 だからこそ、護は動けなかった。

 手が震える。立っていられない。


 カツン、という音を響かせ、〈ワルキューレ〉の上から雪の上へと銃が落ちていく。

 

「あ……う……?」


 少女が、ゆっくりとその目を開けた。

 がくがくと体が震える。声が出ない。


 目の前の現実から――目が離せない。


 そして。

 ゆっくりと目を開いた少女が、その唇を動かした。


「………………護……さん…………?」


 そこにいた少女は、アリス・クラフトマン。

 二年前、約束を紡ぎ。

 ずっと、掴もうと思っていた存在。


 護は、そこで。

 初めて――下を見た。


 

 ――どうして。



 夢で見た自分のように。

 泣きそうな顔で、護は呟いた。



◇ ◇ ◇



「……私が、〈ワルキューレ〉の奏者です」


 起き出したアリスを引っ張り上げ、雪原へと降りた二人。その中で、アリスはそう切り出した。


「……〈毘沙門天〉の奏者は、俺だ」


 護はアリスに背を向けたまま、そう言葉を返す。背中の向こうで、アリスが頷いた気配がした。


「……私たちは、敵同士だったんですね」


 敵同士――その言葉に、護は歯を食い縛る。


「……待てよ。わかってんのか?」


 護は、言葉を紡いだ。

 振り返り、真っ直ぐにアリスを見つめながら。


「俺たちが、何と戦ってるのか。誰と戦ってるのか。統治軍が、何と戦ってるのか。誰と戦ってるのか。……わかってるよな?」


 ビクッ、とアリスの体が震えた。

 しかし、アリスは一度俯くと、顔を上げ、言葉を紡ぐ。


「……知ってます。私は、シベリア人を殺しています。EUの――統治軍のために」

「わかっていて、知っていて。それでも、戦うのかよ」

「それしか、道はありませんでしたから」


 アリスは言う。笑いながら。

 今にも壊れそうな顔で、微笑みながら。


「私は、統治軍と取引をしました。私が統治軍のために奏者として戦い、死ねば……収容所に入れられている人たちや、強制労働に従事している人たちが助かるんだそうです。私以外にも、そういう人たちはいましたけど……いつの間にか、一人になってしまいました」

「待てよ。そんなの、そんな約束……守られるわけがねぇだろ」

「約束は、約束です」


 アリスは言う。真実など、どうでも良かったのだと。


「可能性があるのなら、それに縋るしかなかったんです」

「…………」

「それが、私の価値です。命の使い方。誰かを救うために死ぬのなら、それはいいことじゃないですか?」


 アリスは言う。微笑を絶やさずに。

 ――震える、体で。


「ふざけんな……そんなの、そんなのは無駄死にだろ!? わかってんだろ!? わかってて、わかっててそれでもお前は使うってのかよ!!」


 息を切らし、護は叫ぶ。アリスは一瞬、泣きそうな顔をして……俯きながら、言葉を紡ぎ始めた。


「私、二年前に護さんと離れてから、生きなきゃって、そう思ったんです。生きてれば、きっと何かが変わるかもしれないって。でも、辛くて、苦しくて。何度も、何度も泣いてきました」


 だけど、とアリスは言った。

 だけど――


「護さんに、また会えた」


 首都で。

 俯いていた自分。縋るように、護がいた場所を訪れて。

 アリス・クラフトマンは再会した。


「あの時に、思ったんです。……私は、約束を果たして欲しかったんじゃない」


 アリスは、言う。


「護さんに、会いたかった」


 ただそれだけだったと、彼女は言った。

 そして、だからこそ。


「死ぬのが、怖くなくなっちゃいました。……死ぬかもしれないって思うことがあっても、死ぬのが怖いとは……思えなくなった」


 だって。


「生きていたいって、思わなくなったから」

「――――ッ」


 護が、両の拳を握り締める。その体は、震えていた。


「私、素手で人をバラバラにできる力があるんだそうです。……凄いですよね? でも、だからわかったんです。ああ、だからなんだ、って。だから皆、〝私が命を投げ捨てることを喜んでくれるんだ〟って。

 それが、私の価値。命の価値。

 ドクター、っていう人がいるんです。その人が、私に――」

「――ふざけんな」


 言葉を遮り、護は吠える。


「ふざ、けんな!! 何が、何が価値だよ!? そんな言葉に踊らされて、お前に何が残るんだよ!? お前は利用されてるだけだ!! 統治軍の奴は平気でお前を捨て去るぞ!! それでいいのかよ!?」

「利用されることの、何が悪いんですか? 少なくとも私が利用されてる間は皆は無事でいられますし、皆は喜んでくれています。それさえも多分、薄氷を踏むようなものなんだろうけど……それでも、価値はある」


 ぐっ、と護は血が滲むほどに拳を握る。


「それが、お前の理由だってのか?」

「うん。そうです。私しか残っていなくて、私にしか……できないから」


 アリスは、笑っている。

 軋みを上げる笑顔で。

 ただ、ただ笑っている。


「だったら……こっちへ来い。俺が、連れ出す」


 その笑顔が、どうしようもなく受け入れられなくて。

 護は、手を差し出した。

 ――しかし。


「それは、できません」


 アリスは、その手を拒絶する。


「護さん自身が言ったじゃないですか。私がいなくなれば、収容所や強制労働の人たちがどうなるかわかりません」

「だったら、それを全部俺が救い出す」

「……無理ですよ。護さんなら、救えるかもしれません。けれど……その前に、何人も、何人も殺されます」


 それに、とアリスは言った。


「私は、大勢殺しました。生き残るために。私の理由のために。今更、そちらへは行けません」

「だが、それは」

「護さんだって、殺したじゃないですか」

「――――ッ!?」


 ドクン、と心臓が高鳴った。アリスは、首を振る。


「責めるわけじゃありません。むしろ、責められるべきはきっと私です。……私は、《裏切り者》だから」

「そんなこと、言うなよ。方法がきっとある。諦めんなよ。諦めたら、諦めたら何も変わらねぇだろ!? 生きてみろよ! 生きていけば、何かが変わるかもしれねぇだろ!?」


 その言葉に。

 アリスは、初めて憂いのない微笑を浮かべた。


「やっぱり、護さんは護さんです。……その真っ直ぐな言葉のおかげで、私はここまで来れました」


 だけど、と彼女は言う。


「もう、無理なんです」


 そう言って、アリスは上着を脱いだ。左腕の袖を捲り、巻かれていた包帯を取る。

 手袋を外し、現れた手に――護は、目を見開いた。


 そこにあったのは、紫色の腕。

 明らかに異質な、人の腕とは異なるもの。


「副作用、だそうです」


 苦笑を零し、自身の左腕を見ながらアリスは言う。


「奏者は、その遺伝子の段階から一万人に一人の才能と聞きました。その遺伝子の質が奏者の器を決めると。……遺伝子、というのが私にはよくわからないんですが、私自身の遺伝子を私に叩き込むことで、奏者の器を上げることが出来るそうです。

 ただし、副作用があります。左腕は、ずっとこのままであることと。

 ――寿命を、削るということ」


 寿命。それを、アリスは言い切った。


「これが、私の選択です。護さん。……私は、未来を捨ててでも力を求めました」

「お前……」


 声が掠れる。再び包帯で腕を隠したアリスから、護は目が離せない。


「何でだよ……、何で、どうして……どうして、そこまでするんだよ!? お前が命を捨てるだけの理由がどこにある!? どうしてお前がそこまでしなきゃなんねぇんだ!?」

「言ったはずです。それで、救われる『誰か』がいるって」

「それでお前が救われんのかよ!? 違うだろ!?」

「…………ッ!」


 言い放った言葉に、ビクッ、とアリスが体を震わせた。


「誰かを救うだと!? それでお前は満足なのか!? ああそうだろう! 満足だろうな! お前は死ぬんだから! でも、残された奴はどうなる!? お前に救われた奴は、お前の死を背負って喜ぶような奴か!? 違うだろ!?」

「――だったら」


 体を震わせ、アリスは叫んだ。


「だったら、どうしたら良かったんですか!? もう、戻れないんです! 私に戻れる道なんてない!」

「俺が連れ出す! こっちへ来い!」

「だから無理なんです!!」


 アリスは、それでも護の手を拒絶する。

 できないと。

 できるはずが、ないのだと。


「私は、もう何人も何人も殺しました! 叛乱軍の人たちだって! 今更行けるわけがない!」

「それでもお前は泣いてるじゃねぇか! 嫌なんだよお前のそんな顔を見るのは! 無理だってんなら俺が変える! 変えてみせる! どんな理由を並べても、どんな事情があろうと! それでお前が泣いてんのは許せねぇんだよ!」

「…………だから、無理なんです」


 アリスは、地面へと座り込み、俯きながら言う。


「私、私っ、私は……護さんが、好き、です」


 嗚咽さえ混じらせながら、アリスは言った。


「初めて、手を差し出してくれて……私を、見てくれた人で……、ずっと、ずっと、想ってた……忘れたことなんて、なかった……!」


 でも、と泣きじゃくる少女は言った。


「許せないって、そう、思ったんです……知らなかったけど、あの時、護さんが殺したんだってことは、知らなかったけど……! それでも、レイラさんを殺したことが、許せなかった……!」

「――――ッ!?」


 ドクン、と護の心臓が高鳴る。

 殺した。いつだ?――いや、そんなことは愚問だ。今はそういう場合じゃない。


 戦争とはいえ。殺し合わなければならなかったとはいえ。

 それでも――自分は、アリスの大切な人を殺したのだ。


〝目を逸らした現実は、いつか必ず自分自身に牙を剥く〟


 それは、誰の言葉だったのか。

 思い出せないその言葉が、酷く、胸に響いた。


「あの人は、苦手、でしたけど……! もしかしたら、もしかしたらわかり合えたかもしれない……それに、あの時、あの場所にはリィラさんも、ヒスイもいた……! 二人も、死んでいたかもしれなくて……!」


 アリスが言う者の名を、護は知らない。しかし。

 この二年で、護に大切な者ができたように。

 アリスにも、大切な者はいるのだ。


「――もう、私は戻れません」


 泣き濡れた顔で、アリスは言った。立ち上がり、護を見据える。


「私があなたを殺します。だから、私を殺してください。護さん」


 拳を、握り締める。


 こんな、こんな現実のために。

 こんな、理不尽のために。

 こんな、不条理のために。


 俺は――戦ってきたのか!?


「……泣いて、くれるんですね」


 自分も泣いているくせに、アリスがそんなことを言う。


「お前が、泣かなかったからだよ」

「そう、ですね。……泣くことなんて、ずっと忘れていました」


 涙を拭い、アリスは言う。そして。


「護さん。お願いしてもいいですか?」

「ああ」


 即座に頷いた。アリスは微笑み、そして言う。


「――許してください」


 その、言葉を。


「あなたを好きでいることを。こんな私が、あなたを殺そうとしている私が、あなたを好きでいることを。どうか、どうか許してください」

「――――ッ!」


 気付けば、護は駆け出していた。

 アリスを、抱き締める。

 暖かな温もり。護は、震えていた。


「どうして……どうして!? どうしてそんな未来しか選べない!?」

「私は統治軍の人間で、護さんは叛乱軍の希望です。……私は、邪魔をしたくありません」

「邪魔なんかじゃ――むぐっ!?」


 言葉の途中で、唇を塞がれた。アリスは、涙を溜めた表情で、言葉を続ける。


「駄目です。護さんには、背負ったものがある。……私は、共にはいけません」


 護の背中へと手を回し、アリスは言う。


「私は共には行けません。行きたいけれど。生きたいけれど。だからこそ、一緒には行けません」

「…………ッ!」


 護は、歯を食い縛る。

 アリスが、小さく苦笑を零した。


「……ごめんなさい。馬鹿な女で」

「……本当に……、馬鹿だな」


 護は、呟く。


「……とんでもない、大馬鹿野郎だよ」



 ――――。

 ――――――――。

 ――――――――――――。



 互いの機体が動くようになり、二人に別れの時が来る。

〈ワルキューレ〉へと乗り込もうとするアリス。そのアリスに、護は言った。


「――俺は諦めねぇ。絶対に」


 この期に及んで、とは護自身もそう思う。

 しかし。

 折れることはできなかった。


 ――たとえ、目の前の現実に心が折れていても。

 この少女にだけは、そんな姿は晒せなかった。


「この世界に、お前の生きられる場所がないのなら。俺が、お前の生きられる世界を創ってやる」


 だから、と護は言った。

 待っててくれ、と。


 そして。


「――さよならだ」


 アリスは何も言わない。〈ワルキューレ〉に乗り込むと、そのままこの場を立ち去った。

 それを見送り、護は呟く。


「……くそっ……」


 どうして。


「……くそっ……!」


 どうしてだ。


「……くそ、がッ……!」


 どうして、こんなことに。


「くそっ、たれがぁぁあっっ!!」


 どうして、こんな現実しか。

 歩んできた道が、間違っていたというのか。

 何故、世界はこんなにも。


「――――――――――――ッ!!」


 ――残酷なことばかり、突きつけてくる?


 獣のような慟哭は。

 灰色の空へと、響き渡る。



◇ ◇ ◇



「……敗北、ですか」

「悪かったな」

「いや、別に責めてませんけど」

「……あれは俺の失態だ」


 第二東部基地の一角。そこで、ソラと朱里が言葉を交わし合っていた。仏頂面で書類を書く朱里の隣で、ソラが、で、と言葉を紡ぐ。


「上は何と?」

「首都へ戻って来い、だそうだ」

「まあ、妥当ですかね」

「ああ。……反乱軍にダメージを与えたのはいいが、その代わりに独断専行の拠点アタック。成功するならまだしも、敗走したからな」

「説教でしょうね」

「ふん」


 朱里が鼻を鳴らす。それを見て、まあ、とソラが息を吐いた。


「良いんじゃないですか? どうせ、この後しばらく動く気はなかったんですし」

「知り合いが死んだというのに、平静だな貴様は」

「いちいち感情移入してたら指揮官はできませんからねー。……泣くのは、俺の仕事じゃねーでしょ」


 ソラは肩を竦める。その上で、それにしても、と呟いた。


「……あれ、どうにかなりません?」

「ドクターの言でも無理だったんだ。不可能に決まっている」

「丸二日ああですよ。倒れません?」

「そうは言うが」


 ソラに続き、朱里も外へと視線を向けた。基地の入り口――そこに、小さな影がある。

 ――ヒスイだ。

 二日前、ここに帰還してから、ヒスイはずっとあそこにいる。待っているのだ。誰を、というのは愚問である。


 ……何であんなに懐いてんのかねー?


 不思議だ。二年前に見た時のヒスイは、本当に何もない空っぽな子供だった。出自を考えれば当然なのだろうが、それはこの二年でも変わらなかったように思える。

 それが、アリスに対してだけは興味を抱いていた。この間など、リィラにアリスの好きなものを聞いていたらしいし。

 ……ちなみにそのリィラは与えられた個室に篭りきりで、出て来ない。どうせ会いに来て欲しいとか思っているのだろうが、今行くとろくなことにならない気がするので却下。長い付き合いだ。わかっている。これぐらいで折れるほど、リィラは弱くない。


「……ん?」


 ぼうっとヒスイを眺めていると、微動だにしなかったその体が動き出した。見れば、〈ワルキューレ〉が帰ってきたらしい。


「へぇ、こりゃ凄い。帰ってきたか」

「……何がだ?」


 楽しそうなソラの言葉に、朱里が眉をひそめる。ソラが、いやいや、と手を左右に振った。


「中尉には向こうに寝返る、って選択肢もあったはずなんですよ。それが帰ってくるなんて……意外や意外、ビックリです」

「そうなのか?」

「だって、ここにいたら死ぬしかないんですよ?」


 微笑――否、獣のような獰猛な笑みを浮かべ、ソラは言う。


「ははっ、いいねぇ。どんな答えを持って戻ってきたのやら。……絶望さえも受け入れるかよ」


 その、言葉は。

 どこか、虚しいものに聞こえた。

 朱里が呟く。


「……やはり、貴様も歪んでいる」


 どうでもいいがと、彼は小さく付け加えた。



◇ ◇ ◇



 帰ってきた自分を出迎えてくれたのは、ヒスイだった。


「……アリス」


 目の前にあるのは、いつもの無表情。アリスは、その頭を撫でる。


「ごめんね。遅く、なっちゃったね」

「……大丈夫?」


 身を屈めたアリス。そのアリスの頭を、ヒスイが撫で返してきた。


 ――その時、アリスの中で。

 何かが――振り切れた。


「……うっ……ッ……!」


 ヒスイを抱き締め、アリスは涙を流す。


 覚悟はしていた。それなのに、耐えられなかった。

 胸の奥から湧き上がってくる、痛みが。

 ただ――耐えられなかった。



「――――――――――――ッ!!」



 私は、もう戻れない。

 この手で、救いを振り払ったのだから。


 もう、私は――……

中盤戦の締めとも呼べる第十七話。

二話にて再会し、ようやく再び出会えた二人。


しかし、それでも二人の立ち位置は変わりません。

現実などこんなもの。互いに背負ったものがあるのですから。


真実を知った二人。残酷な現実を前に、どうするのか……楽しみにして頂けると幸いです。


感想、ご意見お待ちしております。


ありがとうございました!!

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