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元トレーダー、金アレルギーなのに金本位制の異世界に翻弄される  作者: 夜明け一葉
第2章

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第30話『調合への一歩』

「——合計、大銅貨九枚になります」


受付が告げた数字を、俺は頭の中でそのまま四等分した。


(大銅貨二枚と、小銅貨が少し)


ガッシュが受け取った硬貨を卓に並べ、四等分した。銅貨の小さな音が続く。周りの窓口でも同じような音がしていた。夕方のギルドはまだ混んでいる。


「ケイの分だ」


「ありがとう」


手のひらに乗った硬貨の重さを確かめた。軽い。薬草採取一日分の対価として、これが現実だ。


ミーナが自分の分を受け取りながら言った。「今日はよかったね。ハコネソウ三十五本は久しぶりに見た気がする」


「解析のおかげだ」ガッシュが短く言った。「次も頼む」


「こちらも採取のルールをまだ全部知らない。持ちつ持たれつだ」


テオが懐に硬貨をしまいながら、ちらりとこちらを見た。頷くでもなく、ただ見た。それで十分だと思っているのかもしれない。


ガッシュたちと別れて宿へ戻る途中、俺はメモ帳を開いた。


手元の硬貨と残債を頭の中で照らし合わせた。大銅貨が少し減る。


(焼け石に水だ)


それでも昨日は倉庫仕事で大銅貨一枚、今日は採取で大銅貨二枚以上。増えている。まだ少ないが、方向は合っている。


翌朝、第二鐘が鳴る前に宿を出た。


薬屋通りはまだ人が少ない。錬金術師ギルド「煙と真理」の看板が朝の光の中に見えた。ウロボロスの紋章が、昨日より少し見慣れた気がする。


扉を押すと、薬品の匂いが鼻をついた。受付には見知らぬ顔の調合師が一人いた。


「ノービス登録のケイです。道具の貸し出しはありますか」


調合師が棚の台帳を引き出した。「ノービスには基本一式の貸し出しがあります。石臼、土鍋、計量皿。期間は十日、延長可。貸し出し料は小銅貨三枚。ただし破損の場合は弁償です。保存瓶は別売りになります。一本小銅貨二枚です」


小銅貨三枚なら払える。瓶は何本か買っておく必要がある。


「借ります」


手続きは短かった。道具一式が木箱に入って渡された。思ったより重い。


(これで作れる)


道具が揃った。素材は手元にある。あとは手を動かすだけだ。


---

【借金メモ・30話終了時点】

前話(29話)終了時:残債小銀貨10枚・手元大銅貨数枚

30話収入(ケイの取り分):大銅貨2枚・小銅貨2枚

30話支出:宿+食事1日分(大銅貨3枚)・道具貸し出し料(小銅貨3枚)・保存瓶3本(小銅貨6枚)

残債充当:収入分を残債へ充当

ケイの手元:大銅貨6枚

残債:小銀貨10枚(充当後・微減)

※保存瓶3本は31話以降で消費

---

【所持アイテムメモ】

素材類

 シロクサ乾燥葉 × 25枚

 ハコネソウ生葉 × 25枚

 イヤシゴケ乾燥粉 × 30g


道具類

 調合道具一式(借り物) × 残10日

 保存瓶 × 3本

■ 30話あとがき


道具を手に入れる回です。


採取クエストの分け前は大銅貨二枚強。調合道具は小銀貨二枚。全然届きません。リナに「錬金術師ギルドに道具の貸し出しがある場合もある」と言われて翌朝すぐ行きます。小銅貨三枚で借りられました。保存瓶は別売りで買い切りです。


夜に薬草の下処理を済ませておくケイ。翌朝動けるように逆算しています。


リナは食堂で書き物をしていて、話を聞いているようで作業を続けています。ケイが礼を言うと少し間があります。


次回、初調合です。


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