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竜騎士と禁断の契約

**第一章:竜の涙**


遥か天空に浮かぶ島々、エスペリア。その中でも最も辺境に位置する、忘れられた島、アストラル。そこには、かつて竜と心を通わせ、共に空を駆けた竜騎士団が存在した。しかし、今は昔。竜は姿を消し、竜騎士団の栄光も忘れ去られようとしていた。


アストラルに住む少女、セラは、竜を信じ、竜騎士に憧れる、活発で好奇心旺盛な少女だった。彼女は、幼い頃から古文書を読み漁り、竜に関する知識を深めていた。


ある日、セラは、禁断の森と呼ばれる場所で、傷ついた小さな竜を見つけた。竜は、翼を折られ、瀕死の状態だった。セラは、竜を助けようと、禁断の森に足を踏み入れた。


禁断の森は、かつて竜騎士団が訓練を行っていた場所だったが、今は魔物が巣食う危険な場所となっていた。セラは、魔物を避けながら、竜の傷を治療した。


すると、竜の目から一粒の涙がこぼれ落ち、セラの手に触れた。その瞬間、セラの体に不思議な力が流れ込み、彼女は竜と心を通わせることができた。


**第二章:禁断の契約**


竜は、フィーと名乗り、かつてアストラルを守っていた聖竜の末裔だった。フィーは、魔族の襲撃を受け、翼を折られ、禁断の森に逃げ込んだのだという。


セラは、フィーを助け、魔族からアストラルを守ることを決意した。しかし、セラはただの少女であり、魔族に対抗する力を持っていなかった。


フィーは、セラに禁断の契約を持ちかけた。禁断の契約とは、人と竜が魂を共有し、絶大な力を得る代わりに、魂の一部を竜に捧げるというものだった。


禁断の契約は、かつて竜騎士団が行っていた秘術だったが、魂を失うリスクがあるため、禁じられていた。セラは、迷ったが、アストラルを守るため、フィーとの契約を結ぶことを決意した。


二人は、満月の夜、禁断の森で儀式を行った。フィーは、セラの魂に触れ、契約を成立させた。その瞬間、セラは、竜の力を手に入れ、竜騎士としての力を覚醒させた。


**第三章:忘れられた騎士**


セラは、竜騎士としての力を手に入れたが、戦うための技術や知識は不足していた。フィーは、セラに竜騎士としての訓練を施すことを決意した。


二人は、禁断の森で訓練を始めた。セラは、剣術や魔法を学び、竜との連携を深めていった。


ある日、セラは、禁断の森で、一人の青年と出会った。青年は、ボロボロの鎧を身につけ、記憶を失っていた。


青年は、自分の名前をカイと名乗り、かつて竜騎士団に所属していた騎士だった。彼は、魔族との戦いで記憶を失い、禁断の森を彷徨っていたのだという。


セラは、カイを助け、竜騎士団の過去について教えた。カイは、自分の過去を知り、再び竜騎士として戦うことを決意した。


**第四章:魔族の侵攻**


カイは、セラと共に訓練を重ね、徐々に記憶を取り戻していった。彼は、セラに剣術や戦術を教え、彼女を一人前の竜騎士に育て上げた。


ある日、魔族がアストラルに侵攻してきた。魔族は、強大な力を持っており、アストラルの人々は、絶望していた。


セラとカイは、フィーに乗り、魔族との戦いに挑んだ。セラは、竜騎士としての力を発揮し、魔族を次々と倒していった。


カイは、剣を手に、魔族の軍勢を切り裂いた。二人は、力を合わせ、魔族を撃退しようとした。


しかし、魔族の数は多く、セラとカイは苦戦を強いられた。その時、セラは、禁断の契約の副作用に苦しみ始めた。


禁断の契約は、魂を竜に捧げる代わりに、徐々に精神を蝕んでいくのだ。セラは、意識を失いかけ、竜との連携も乱れ始めた。


**第五章:魂の絆(続き)**


セラの意識が薄れていく中、フィーは彼女の心の声を聞いた。「諦めないで、セラ。私たちは、共に戦うと誓ったじゃないか!」


フィーの声に励まされたセラは、最後の力を振り絞り、意識を取り戻した。彼女は、フィーとの絆を信じ、再び竜騎士としての力を発揮した。


セラは、聖竜の力を解放し、魔族の軍勢を一掃した。その力は、禁断の契約によって増幅されたものであり、想像を絶するものだった。


しかし、力を使いすぎたセラは、完全に意識を失い、フィーと共に地上へと落下していった。


カイは、セラを助けようと、必死に手を伸ばしたが、間に合わなかった。彼は、セラの身を案じ、悲しみに暮れた。


**第六章:真実の愛**


セラが目を覚ますと、そこは禁断の森の中だった。彼女は、フィーと共に、倒れていた。


「ここは…?」


「セラ…気がついたか。」


フィーは、セラの無事を喜び、彼女に寄り添った。セラは、自分の身に何が起こったのかを理解できずにいた。


フィーは、セラに全てを話した。禁断の契約は、魂を失うリスクがあるだけでなく、感情を失う可能性もあった。しかし、セラは、強い意志を持っていたため、感情を失うことはなかった。


フィーは、セラに感謝し、彼女への愛を告白した。「セラ、私は、お前を愛している。お前と共に、この世界を守りたい。」


セラは、フィーの告白に心を奪われ、彼の愛を受け入れた。二人は、種族を超えた愛を誓い合った。


カイは、セラとフィーの元へ駆けつけた。彼は、セラの無事を喜び、彼女に感謝した。


カイは、セラとフィーの愛を祝福し、自分もまた、アストラルを守るために戦うことを決意した。


**第七章:新たな夜明け**


セラ、フィー、カイは、力を合わせ、魔族との戦いを続けた。彼らは、竜騎士団の魂を受け継ぎ、アストラルを守り抜いた。


魔族との戦いが終わり、アストラルには平和が訪れた。セラは、竜騎士団を再建し、新たな時代を築き上げた。


セラとフィーは、共にアストラルを統治し、人々と竜が共存できる世界を目指した。彼らの愛は、人々の心に希望を与え、未来を照らした。


カイは、セラとフィーを支え、アストラルを守り続けた。彼は、竜騎士団の象徴として、人々に勇気を与え続けた。


そして、アストラルには、再び竜が舞い降りるようになり、竜騎士団の栄光が蘇った。


セラとフィーは、いつまでも愛し合い、アストラルを繁栄させていった。彼らの物語は、永遠に語り継がれることだろう。


**エピローグ**


数年後、セラとフィーの間には、人間と竜の血を引く子供が生まれた。子供は、アストラルに希望をもたらし、新たな時代の幕開けを告げた。アストラルは、永遠に平和な世界となった。


おわり

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