第五話 選ばれし者
悠真は、スマホの画面を見つめたまま動けなかった。
「君も、"選択の力"に気づいたんだね」
そんなメッセージを送れるのは、この力の存在を知っている者だけだ。
「誰だ……?」
慎重にメッセージの送信者を確認しようとしたが、
差出人の情報は"不明"と表示されている。
電話番号もメールアドレスもなく、
まるで"存在しない誰か"から送られてきたかのようだった。
───【選択肢】───
「あなたは誰ですか?」と返信する
何もせず、しばらく様子を見る
メッセージを削除し、忘れることにする
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悠真は、慎重に選択肢の未来を確認した。
1を選んだ場合 → 相手からさらにメッセージが届き、
"選択の力"について詳しく知ることになる
2を選んだ場合 → しばらく何も起こらないが、後日、直接接触される可能性がある
3を選んだ場合 → メッセージは二度と届かなくなり、
平凡な生活を続けることができる
「……3を選んだら、このまま普通に生きられるのか」
一瞬、迷いが生じる。
だが、悠真はこの力に興味を持ってしまった。
選択次第で未来を変えられるという事実。
その奥には、まだ知らない"真実"が隠されている気がする。
「知りたい……」
決意し、1.「あなたは誰ですか?」と返信するを選んだ。
数秒後、すぐに返信が返ってきた。
「ようこそ。"選ばれし者"へ。自己紹介は後ほど」