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元サラリーマン、イギリス空母を検討する

 私の名は市ヶ谷岩雄、かつてはただのしがないアラフォーサラリーマンをしていたが、今は違う。

 今はその生涯に幕を閉じ、転生後の新たな人生を歩むための一歩を踏み出している。


 その一歩とはつまり、転生後の異世界に連れて行く現代空母を選ぶ事だ。


 とはいえ考慮の末にアメリカ海軍のワスプ級強襲揚陸艦がベストではないか? との結論にいたったが、まだ結論を早急に出す時ではない。

 アメリカ以外の空母も検討すべきであろう。


 そう考え、まずは強襲揚陸艦ワスプは保留としておく。


 ではどの国の空母を検討すべきか?

 まずはイギリス空母を検討してみよう。


 とはいえ、イギリス空母は数は多くない。

 まぁ、それを言ってしまうとアメリカ以外はすべてそうなのだが……


 そもそもイギリスは空母発祥の地であり、すべての空母の母とも言える国なのだ。

 にも関わらず、イギリスは第2次大戦後、順風満帆に空母を開発、運用できたとは言い難い。

 CVA-01級の開発中止がいい例だろう、イギリスは結局のところ第2次大戦によって事実上、海洋大国海軍の地位からは没落してしまったのだ。


 そして追い打ちをかけるような財政面での苦悩はイギリス海軍を長らく苦しめている。


 それでも、イギリスは世界各地の植民地が独立していく中でもまだまだ多くの海外領土を有している。

 そのため自国の近海だけを見ているわけにはいかないのだ。


 だからこそ、財政面が厳しい中でもイギリスはこの範囲内で革新的な空母を開発してきた。

 代表的なのはフォークランド紛争で活躍したインヴィンシブル級空母だろう。


 空母インヴィンシブルの活躍において軽空母と垂直離着陸機の実戦での有用性が世界に示されたのだ。

 とはいえ、これには否定的な意見も多数存在するのことはするのだが……


 そんなインヴィンシブル級空母もイギリスの財政面での煽りを受ける事になり、後継の空母が就役するまで長らく2番艦のイラストリアスがヘリ空母に改装されながらも現役に留まり続ける事になった。


 そう、ヘリ空母に改装されながらだ。

 インヴィンシブル級空母に艦載されていた戦闘機、ブリティッシュ・エアロスペース ハリアー IIは老朽化にともない2011年に運用を終了している。

 そこから戦闘機を運用する事がなくなったため、ヘリ空母へと改装されたわけだが、つまりはイギリスは空母の運用を行っていない期間が存在するのである。


 そんなイギリスに空母が帰ってきたのは2017年、本当につい最近なのである。

 輝かしき新たな空母の歴史に名前を刻んだその空母の名はクイーン・エリザベス級航空母艦。

 女王陛下の名を冠した艦艇である。


 クイーン・エリザベス級空母はイギリス海軍史上最大の大きさを誇る空母であり、特徴的な2つのアイランド艦橋を持つ事でも知られる。

 戦闘機の発艦にはスキージャンプ台を使用するが、艦載している戦闘機はF-35Bだ。


 当初はF-35Cを載せる予定であったが、F-35Cの完成が遅れたためF-35Bへと変更を余儀なくされた。

 とはいえ、結果アメリカ海兵隊のF-35Bを載せる事にもなり、米英の作戦連携強化にも繋がっている。

 艦載機はヘリも含めて40機ほど、アメリカの空母と比べると機体数はどうしても少なく感じてしまう。


 このあたりをどう評価するかだろう。


 クイーン・エリザベス級空母は確かに艦載機の数は米空母より少ないが、特徴的な2つのアイランド式艦橋は効率よく空母を運用できる最適な設計だ。

 何より、飛行甲板をよく見渡せるように艦橋の窓は欧州最大の大きさを誇る。


 そして何よりコマンドー母艦としての役割も期待されているため、陸軍の攻撃へリや輸送ヘリも運用でき、強襲揚陸艦に近い運用も可能だ。


 うむ、クイーン・エリザベス級空母いいのではないか?

 イギリス最新鋭の空母という言葉の響きも魅力的だ、まぁそこに拘るわけではないが……


 ではクイーン・エリザベス級空母以外のイギリス空母はどうだろうか?

 上記で述べた通り、現在イギリスはクイーン・エリザベス級以外の空母を保持していない。

 とはいえ、似たような役割を担った艦艇はある。


 それが航空支援艦アーガスだ。

 この艦艇は現在はヘリ空母、傷病兵収容艦としての役割を担っている。

 言うなれば病院船だ。


 しかし就役当初は航空練習艦であり、戦闘機、ブリティッシュ・エアロスペース ハリアー IIも8機収容できた。

 つまりは改修次第ではF-35Bの無理矢理な運用も可能ではないか? 検討できるのいではないか? という魂胆だ。


 しかし航空支援艦アーガスは全通飛行甲板ではない。

 艦首に船の機能を集約させ、後部に巨大な飛行甲板を有する艦影だ。

 実際のところ、この手のタイプの強襲揚陸艦は多く存在するが、どれも艦載機はヘリであり、戦闘機の運用は厳しい。


 特にアーガスの飛行甲板は113.52メートル×幅28メートルとどちらかと言えばヘリのための飛行甲板であり、公式にもヘリ空母なのだからいくらF-35Bでも戦闘機の運用は厳しいだろう。


 ではアーガス以外に何かないか?と言われば残念ながらもう弾切れだ。

 一様は全通飛行甲板を持つヘリ空母であるヘリコプター揚陸艦オーシャンがあるにはあるが、このオーシャンはすでに退役している。


 それにオーシャンはヘリ空母、航空機はヘリしか運用できない。

 海兵隊を運ぶという意味では検討の価値ありだが、戦闘機は運用できない。


 何より今はイギリスからは退役しブラジル海軍に売却され、ブラジルの老朽化し退役した空母サン・パウロの後継艦、空母アトランティコとなった。


 とはいえ、ブラジル海軍でも空母サン・パウロの後継艦として購入されながらも、その役割はやはりヘリ空母だ。

 それは当然といえば当然だが、ヘリ空母アトランティコでのF-35B運用は厳しいだろう。


 うむ、ブラジルの話に逸れてしまったがイギリスの空母は今のところ保留といったところだろう。

 まだまだ他国の空母も検証が必要だ。

特にオチもない短い連載作品になるかと思いますが、気が向いたら☆評価なりブクマなり感想ください

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