表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドジっ子な悪役令嬢は、今日も色々と空回り中。  作者: 心音瑠璃
第1章 恋の魔法にかけられて
3/113

2.前世と乙女ゲームの記憶は……

「あぁぁぁぁアルベルト様かっこいいぃぃ……!!」


(……これは、私……?)



 見慣れない服を着た女の子。 ……知らないはずなのに、ふとその姿を見てそう思ってしまう。


 ……いや、この世界を、私は知っている。


 確か……そう、“日本”という国。 服は……高校の制服。 私立の、女子校に通っていて……、これは丁度、私が同じ歳の頃の記憶だわ。




 前世の“私”は、ゲームにハマっていた。

 乙女ゲーム……恋愛をテーマにしたものに、特に。

 ドキドキ、ハラハラが堪らなく好きだった。





 前世の“私”が手に持っているゲームの画面を覗き込むと、紺髪碧眼の男の子が笑っている。


 ……わぁ、アルベルトにそっくり……って、ん? アルベルト?




「やっぱりアルベルト様が一番素敵……!」





 ……間違いない、今の私が住んでいる世界は、前世の乙女ゲームで、私がプレイしていた“聖ランドル王立学園―恋の魔法にかけられて―”だわ……!








 “聖ランドル王立学園”は、名の通り学園をテーマにした、魔法系の恋愛シミュレーションゲーム。

 ……あまり覚えていないけれど、たしかヒロインが学園に転校してきたことでスタートする。



 攻略対象は4人。


 水の国の第一王子のアルベルト・シュワード、時の国の第二王子のローレンス・ディズリー、アルベルトの護衛騎士兼執事のクレイグ、そしてローレンスの執事のシリル・ダンヴィル。




(全員ほぼ幼馴染と言っていいほどの付き合いだわ……。)

 そんなことはさておき。



(それで、今の私のポジションは……)




「うわっ、また出たよ〜……クラリス・ランドル……」





 ……この嫌そうな声の前世の“私”の言葉に、思わず自分の顔を覆ってしまう。






(だって私……よりにもよって、悪役令嬢ポジションなんだもの……!)




 クラリス・ランドル。 アルベルトの婚約者であり、モテる主人公に何かとつっかかる、悪役令嬢。

 学園長が前国王である父、というのを盾に何でもやりたい放題……というイメージが強い。

 ……強すぎて、ヒロインにどんな嫌がらせをしていたのか、すっかり忘れてしまった。



(……ど、どうするのよ、これ……)




 せめて、生徒1とかの方が絶対マシだったと、16年間クラリスとして生きてきた中で初めて感じてしまう。



(ルートだってメリバENDも、アルベルトENDですら、覚えていないなんて……)





 ……神様、前世の私に何の恨みがあったのか、教えて下さいませ……。





 ――こうして、前世の私と乙女ゲーム、それからゲーム上のクラリス・ランドルについての記憶は、とても朧げで、殆ど何の役にも立たないことだけが思い出されたのであった。

乙女ゲームの名前は、“聖ランドル王立学園”というシリーズで、ー恋の魔法にかけられてーは、その中の種類、という設定にしております。

続編がもしできたら、他の種類も考えたい、という思いで作っております(笑)

又、本文は私の中で短い方なので、次話から長くさせて頂く予定です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ