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遅刻は一種のステータス

真谷村 天神は朝、意外にも早く目覚めてしまう。

少しくらいなら、いっか。

…と、油断してしまう。

ここで考えて欲しい。

みんなが言うちょっとだけ!とか、一回だけ!とか、一口だけ!とかは、女子の言う

「カワイイ!」

と同じくらいに信用できないということを。

全く、これだから最近の若者は…

うん。最近の若者っていうのは自分だね!!!

金曜日。

あのろくでもない部活に入部した翌日のことだ。

ついに…ついにこの日がきた!

土日の休み前。

僕たち学生にとってはとても明朗な日でもあるだろう。

そんな土曜日と日曜日という女神を前にした僕は、月曜日から木曜日までの疲れですり減った、残り少ないエネルギーを振り絞り、今、布団から飛び起きた。

今もなお眠たい目蓋を擦った。すると、朝日が差し込んでくるのが感じられた。

ああ、確かに今日がきた!

リア充じゃなくても至福の1日は来るのか?


来るはず!多分。


………おいおい、そんな甘い思考で大丈夫か?


大丈夫だ。問題ない!


そんなことをしみじみと寝ぼけした脳で考えながら、ふと、壁の時計に目をやると、長い針は真上を向き、短い針は真下を向いて、カチカチと今も時を刻んでいた。


そう、まだ6時だった。


あたりを見渡し、窓を開け、外の明るさを確認した。

ゆっくりとベッドに腰を下ろし、僕は明らかに死亡フラグである思考に至った。


もう少しくらい、いっか。


僕は再びベッドへ倒れ込み、シャットダウンしてしまった。


すると、光の差し込む窓から朝の少し冷たい風が入ってきた。


そう。


こうして、今日という名の風が吹き始めたのだ。







真谷村 天神、再び起動。

今度はノーモーションで飛び起きた。

カチカチと時計は何にも逆らうことなく時を刻んでいる音がした。


眠たい目蓋を今度はしっかりと擦った。


その直後、「ばっ!」とシャフ度もびっくりするくらいの角度で時計を確認した。


長い針にしっかりとピントを合わせた。

長い針はしっかりと真上を向いている。


ふぅ、と安堵のため息をついた。


なんだ、7時か。ならまだ余裕!てか、超☆余裕!!!


てっきり、寝坊したかと思ったよ!


僕は念のため短い針に目をやった。


短い針は真下から60度、時計回りに回転した位置にあった。


ん?60度?


ふぅ、と今度は危惧であるため息をついた。


そう。8時だ。遅刻確定時刻まであと15分。


軽くストレッチをして、体がしっかりと戦闘の準備ができたことを確認した。


On your mark…

Set…


GO!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


僕はフレッツ光並みの早さでバックに全教科を詰め、auひかり並みの速さで自転車をかっ飛ばした。







遅刻だ。


「いっけなーい☆ちこく、ちこく!」


…と言っていられるレベルではない。


これはもう、よくある少女マンガの主人公が、


「やべぇぇぇぇ!ちこくじゃぁぁぁぁぁ!ぼけぇぇぇぇ!!!」


…というレベルでヤバい。


口に食パンなんて言っていられる場合ではない。

もう、口にウィダーinゼリーを咥えないと間に合わんレベルでヤバい。


それにしても、ウィダーinゼリーは実質2秒チャージくらいで済むから助かるわ。マジで。


そんなことより、何とかこの状況を打開する方法、すなわち打開策はないのか。


通学路にある広い公園で自転車を止めて少し考えた。


広い公園の時計は8時10分を指していた。


残された時間はあと5分。


どれだけ早くペダルを漕いでも、あと15分はかかる。


そうだ!!!


そのとき!天心の脳に電撃走る!!!

その結論とは!


結論、あきらめよう。


はい。無理です。

いや、だって僕クロックアップとかできませんし。

「人生、あきらめることも重要だ。」とか、よく聞くし。

そもそも、海外では10時から始まる学校もありますし。

重役出勤という言葉も日本にはありますし。お寿司。

ああ、お寿司おいしいよね。好きだよ、お寿司。


「はぁ、学校めんど。」 


もういいや、一限が終わったくらいにいこうぜ!


あひゃひゃ!もう、どうにでもなれ!









一限の終わり。


やっと教室の前まできた。


既に通知表に「遅刻1回」という、くっそいらねぇステータスが「一つ」ついた訳だ。


そんな中、教室へ入るこの感じ。


ああ、重役出勤ってこんな感じなのか。


なんだか、大人の階段を一歩登った気がした。


…ちなみに、君はもうシンデレラなんかではない。


戸を開け、真っ先に席へ向かった。

すると、谷口が話かけてきた。

「よう!天心!お前部活入ったって本当か!?」

思いっきりバカにするような笑顔をこっちに向けてそう問うてきた。


それにしても………なんでお前が知ってんの?


「それ、誰から聞いた?」

「さぁね、どっかの誰かさんからかな~。」

くそ、四季か。

「誰だ!」

「さぁね?意外と身近な人かもよ!?」

くそ、四季だ。

「よし、そろそろワークに移動するぞ。」

「お、おう。」

気づけばもう2限が始まろうとしていた。

チャイムという名の、学校生活最大の生徒への圧力をかけられる前に、教室の彼方へさぁ行くぞ!







だらだらと授業を受けて、だらだらと時間も過ぎていった。


帰りの準備もだらだらと済ませた。


今朝通ってきたあの騒がしい道を、静かに帰ろうとしていたそのとき、ある重要なことを思い出した。


「そういえばおれ、部活に入ったんだった。」 


って、いっても部活って具体的にどうしたらいいの?


結局あの後、よく叫ぶ動物園が閉園されて、野生に返されただけだもん。


活動内容もよく分からんし。 


まぁ、とりあえず、昨日の部室らしき廃墟。または、廃墟らしき部室に行ってみるか。


窓の外はもうすぐ黄昏時になりそうだ。階段を登りきった後の大きな透明なガラスからは、ほんの少しだけ赤みがかった夕焼けの光が差し込んできた。

どうも、犬村 ツヨシです!

まず、投稿が遅れてしまってすいません!

m(_ _)m

土日は投稿ができないことが結構あるので、そこはどうかお許しください!

いや~、最近ノートにプロットを書くようにしたんですが…泣けるくらい漢字が書けない事に改めて気づきました…(泣)

なので即座に、本屋へgoして漢字の本を購入しました!

やっぱり日本語って素晴らしいと、改めて感じております。

最後に、沢山の小説の中からこの小説を読んでいただき本当にありがとうございます!

今後とも末永く読んでいただけると光栄です。

布団の上より(^^)

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