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こうして風は吹き始める

友達がいない。

そんなことわかってるっつーの。

いったい僕の学校生活になにが起こっているのか?

もう、自分でも収拾がつかなくなってきた。

これから、僕はいったいどうなるの?

ねぇ!だれかおしえてぇぇぇぇぇぇ!!!


  「僕、友達いませんよ?」

「この人、友達いませんよ?」


くそ、やっぱりこいつはかわいくない。


なんでだろうね!?顔に比例して性格に問題があったり、性格に比例して顔に問題があったり、なぜ神は全てを与えてあげないの?

目の前に神様がいたら、絶対にボコボコに、なるまで自分が土下座してかわいい彼女をください!って頼むわ。


「そんなこと、分かっている。」


そう声に出した角松先生は、流行に乗れない奴を馬鹿にするような目でこっちを見てきた。


「そんなこと考慮に値しない。なぜ、招待したか、だが…」


その場にいる、四季と僕はゴクリと唾を飲み込んだ。

いったい何なのか、実に気になる。


「君は優秀だった。それだけのことだ。」


「はぁ!?この人のどこが優秀なんですか!?」

四季がナチュラルに僕を馬鹿にしながら先生に質問を投げかけた。


「この男はな、1年生の頃は学年2位だったんだ。」


「…またまた、ご冗談を!」




部屋に沈黙が漂った。




十秒くらいたった頃だろうか、四季が口を開いた。

「えっ…本当なの?」

今度はこっちに向かって、質問をぶん投げてきた。


「うん。」


「そ、そうなんだ。」


うん、そうなんだよ残念ながら。


「まぁ、今は学年の中の下くらいだがな。」


角松先生がこのタイミングでそれを言った。


「先生!そこは黙っておきましょうよ~!僕に天才キャラがつくことは許されないんですか!?」


「それはできんな、残念ながら。」


そっか、残念ながら。なら仕方ない。


「そんなことはいいんです。もっと詳しく聞かせてください。」


四季がそう先生に問いかけた。


「もういい。ぶっちゃけよう。ゲーム仲間が欲しい!」 


角松先生はとんでもないことを口走った。


「はぁ!?」

「えぇ!?」


すると、二人そろって、「なに言ってんの、この人?」という顔をした。


「だって!だってだって!一人でひたすらFPSをする気持ち考えてよ!何の会話もなくただひたすら銃を乱射し続けるだけだよ!?」


角松先生は急に駄々をこね始めた。


…なにこの人、何歳だよ!


でも、気持ちはすごくよく分かる。 


だけど、だ。それを学校に持ち込むのは全く理解不能だ。


「それすごく分かります!とくに深夜やってると部屋にカチャカチャひたすらコントローラーの音が響くだけですよね!」


四季がそう答えた。ん?四季が?


今度は四季がとんでもないことを口走った。


「えっ!?」


思わず口から出てしまった。


一旦落ち着いて考えてみよう。


…ああ、そういうことか、類は友を呼ぶって言うしな。


「まぁ冗談はこれくらいにしておいて、真谷村が優秀なのは事実だ。」


冗談だったんかい。


いや、でも冗談にしてはこの人、結構ガチで駄々こねてたけどね。


「真面目な話をするとこの部活は学校で優秀な人材を集めて、学校のサポートに当たってもらう部活だ。」


やっと部活動の内容が提示された。


なんだ、以外とまともな部活じゃん。表面上では。いいですか、表面上では。重要なことだから2回言いました。


だけど、


「…わかりました。入りましょう。」 


決して悪い話じゃない。

今の自堕落で非生産的な学校生活を送るよりはましだ。


今の僕には変化が必要だ。


過去は変えられない。だけど、未来は変えられる。


普通の人にとっては部活に入るだなんて、普通のことだが、僕にとって部活に入ることは、TOTOのトイレがきれいにできないくらいありえない。


いや、TOTOのトイレ信用度高すぎるだろ。






さらさらっと、入部届に記入をする。


名前、学年、クラス、出席番号、委員会、そしてなぜか「ピタッ」と文字を綴る手が止まった。


入部志望動機


知るか!そんなもん、おれも分からん!


それにしても、


「先生、この前のアレはいったいなんだったんですか?」


はぁ、今思えばやっと本人から聞くことができる。

しかし、なんて答えるんだろうか?


「いや、アレはだな、その…」


さぁ、醜い言い訳を聞かせてもらおう!


すると、四季が何のこと?というように小首をかしげた。


その直後、四季が思い切ったように質問をした。


「あ、あの…先生!この前のアレとは、いったい何のことですか???」


すると、角松先生は戸惑いながら考える素振りをした。


多分、最初は言い訳を考えていたんだろう。

それから、数秒後、諦めたようにため息を一つ、「ふぅ…」とついて、この前のアレを説明しだした。


教室の隅っこの方で説明を受けている四季は、「うんうん。」と相づちを打つように頷いている。


説明が終わったくらいだろうか。

四季がなぜか目を輝かせながら生き生きとこう言った。


「先生FPSやってるんですか!?実は私も同じFPS結構やってたりします!!!」

「ほ、本当か!?」

ダメだ、先生の目まで輝きだした。


ゲーマーしかいないのかここは。


それにしても、僕の質問置いてけぼりなんですけど。


ちょっと、僕も仲間にいれてぇ!


よし、相手にしてもらえないならアカウント名を晒してやる!

その世界一有名なアカウント名をな!


くらえ!通称アカ晒し!


僕は角松先生の前にズカズカと出て行き、面と向かってこう言ってやった。


「それにしてもアカウント名が〈MADO〉の角松先生、すごく強いですね!?」


嫌みったらしく言ってやったわ!

これで、さらに話がややこしくなる、ざまぁみろ!


これが仲間外れの報いだ!


すると四季が驚きを隠せない様子でこう口を開いた。


「えぇぇぇぇぇ!?」


そりゃそうなるわな、だってFPSやってて知らない人いないもん。

ヒーローだもんゲーム内では。いいですか、ゲーム内では。


「じ、冗談ですよね!?先生があの〈MADO〉だなんて!?」


「…残念ながら」


もちろん、僕は答えを知っている。


「や、やっぱりそうですよね!?そんな訳ないですよね!し、失礼しました!」


間が長かったせいか、四季は勝手に自分の中で結論にもっていっていた。 


違う、そうじゃない。


そこで、先生に目を移すと強い気持ちが伝わってきた。

先生は決心した。それが手に取るように分かる。

先生は目をつぶって、深呼吸をして、すぐに目をカッと見開いた。


そして…


「私が〈MADO〉だ!!!」


先生が言葉を発した後、少しの間、空気の流れが止まった。


教室のカーテンがピタッと風になびくのをやめた。


「うえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」


ですよねぇ。そりゃそうなるわ。だって、おれがそうだったんだもん。


てか、驚き方やばいって、この状況知らなかったら誰かが嘔吐したかのようにしか聞こえないって。




驚きが収まった後だろうか、四季の態度がキリッと変わった、そして…。


「ま、ま、〈MADO〉さんですか!!?決勝でお会いしたの覚えてますか!?お久しぶりです!」


目をさらに輝かせながら、〈MADO〉その本人である角松先生に詰め寄っていった。


ん?決勝?何それ?

すると今度は先生が叫びだした。


「ひゅぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」


まてまて、ここは動物園か!

もうここまでくると教室もモン○ーパークとそう変わらん。


そんなことより、話の内容を理解しないと。

気になる単語の意味から理解していこう。


ん?決勝でお会いした?ってことはゲームの大会か?確か角松先生はFPS世界1位だから、その決勝?


…ってことは、


「ふぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」


し、しまった、僕が動物園の仲間入りをしてしまった。


落ちくんだ!おれ!素数を数えて落ち着いて考えるんだ。


まてよ、ってことは世界3位が僕だから、


「あの、もしかして準決勝でお会いした〈せつなん〉さんですか?」


僕は四季に真っ直ぐな視線を向けて問いかけた。


ま、まさかねぇ…


いきなりの問いに戸惑ったようにこう答えた。


「そ、そうだけど…」


ってことは…


しばらくの間、沈黙が続いた。

僕も、恐らく他の二人も何が起きているのか、話の整理がつかない。


そして、ついに、先生がこの張り詰めた空気を切り裂くように口を開いた。


「ちょっとまて…順番に私が1で、四季が2で、真谷村が3ってことは…」


またも沈黙が続いた。今の一言で話の整理、いわば「答え」が垣間見えた気がする。



3人とも考えに考える。


出した答えをさらに追求していく。


今度はそれが可能であるか検証していく。






そうしてまた出た答えを今度は現実に当てはめていく。


30秒という長いシンキングタイムを経て3人はやっと、話の整理がついた。


3人が合唱部のよう息を揃えて、できる限りの空気を吸い込んだ。


まるで誰かが、「せーの」と、合図をしたかのように3人の声がそろった。


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」


「小さな教室」にいる「大きな世界」の3人は、恐らく人生で一番大きい雄叫びをあげた。


学校が揺れた。


全てが目覚めたように揺れた。


すると、急に風が吹き始め、カーテンは再び風になびき、机に置いてあったまだ書きかけの入部届が一枚、「ヒラッ」と、宙へ舞うのであった。

どうも!犬村 ツヨシです!

5部目を書き上げるのにかなり時間がかかってしまいましたが、何とか書き上げました!

自分は風呂に入っているとよくアイデアが浮かびますが、皆さんはどうでしょうか?

まぁ、焦らずゆっくりしていれば、自然と降ってくる感じが僕はします!

それにしても、コーヒーがおいしいですね!

落ち着きたい時にはぜひ一杯!

最後に、たくさんの小説の中この小説を読んでいただき誠にありがとうございます!

今後とも連載していくので、どうか暖かく見守ってくださるとありがたいです。

布団の上より(^^)

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