第二章 そろそろ学園はじめます。 「談話部編」
年代記みたいに書くといったな、あれは嘘だ。
「何やってのよ。あんた馬鹿?」
どうも。幼馴染に開幕早々、罵られる系男子、俺です。
今は俺が所属している部活である『談話部』の部室にいる。
談話部というのは、色音 十色という一つ上の先輩が作った現代社会におけるコミュニケーション力の向上を図る部活である。
・・・というのは建前で、実際は暇な時に集まって、駄弁って、適当に話をして帰るだけの部活である。
先ほどは、別に馬鹿な行動をしたわけではなく、部室の入り口を塞ぐようにして置かれてあった箱が普通に邪魔だった荷物を端に退けただけである。
「いや、俺は普通に荷物を移動させただけなんだけど・・・何か問題でもあったのか?」
「その箱に張られてある紙を見てみたら分かるのじゃないかしら。」
「うん?どれどれ?」
先ほど端に退けた、やたら重かった荷物を見に行く。そこには、「少女在中」と丸っこい字で書かれた紙が張ってあった。
「少女在中と書かれてあるけど、それがどうかしたのか?」
「その張り紙を見てそれがどうかしたのかなんてそんな返事を返せるのはうちの部活だけだと思うわよ。」
「でもさ、いつもの事じゃん。いまさら何をどう突っ込めばいいかなんて分からないし。」
実はこのダンボール、部室に来るといつもあるのだ。場所は大抵、扉の前や俺の席の上などにある。
その時、箱が揺れた(というより内側で暴れてる感じであるが)。そしてその中からはなにやらくぐもった声が聞こえる。
「鈴花ちゃん、今日はちょっとガムテープ張りすぎじゃない?色音、内側から出られないよ?」
「色音さんはそれでいいのではないでしょうか。いっそそのまま一生を過ごせば良いのではないですか?」
「ふぇ?鈴花ちゃん酷い!!りょ、了君助けてー鈴花ちゃんがいじめるー。」
「色音先輩、そんな平坦な口調で俺に助けを求められても困ります・・・。」
「了君、早く助けてくれないと色音、あの秘密ばらしちゃうぞ。」
「はて?色音先輩に握られるような秘密はないような気がしますけどね?何のことでしょうか。気になりますから今すぐ助けたほうがよろしいのではないでしょうか鈴花様。」
「そうね。色音さんは助けるとして、了。後で詳しくじっくり話し合いましょう、分かったわね?もちろん拒否なんてさせないし、できないわよ。」
顔にかすかな微笑を浮かべながら、見下したように言う。事実、悲しいことではあるが見下されている可
能性が高いことは変えられない。
顔を引きつらせながら、肯定の意を示す。
「ワ、ワカリマシター。」
「返事に心が篭ってないわね。もう一度言いなさい。分かったわね?」
「合点承知の助でござる!」
「蹴られたいのかしら?もう一度だけチャンスを与えてあげるわ。・・・分かったわね?」
どうやらお気に召さなかったらしい。やはりここは完全な服従の意を示すしかないな。そうするとすればこれしかない。
「イエス、マム!全ては我が主のために!」
「なかなか悪くないけれど、誠意というものが見えないわね。いい加減、本当に足蹴にされたいのかと思ってきてしまうわ。」
「分かったよ。分かった分かった。俺は優しいからなー。」
「そうね。私も分かったわ。足蹴にしてあげる。そこに裸で寝転がりなさい。踏みながら警察に連絡してあげるわ。」
そこで、箱の暴れようが激しくなってきた。
「ふ、二人共!!本当に早くして!色音、酸素が薄くて意識も薄れてきたよ!?」
「「あっ。」」
急いで色音先輩を助けたとさ。
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~30分後~
「ふぅ・・・二人とも夫婦喧嘩はいいけど、周りにもしっかり気を使ってね?色音、本当に死にかけたよ?」
「申し訳ありません。色音様。鈴花嬢様にはしっかりと言い聞かせておきま・・・」
「黙りなさい、駄犬。あんたは私のペットがお似合いよ。」
「お前こそ黙れよ。性悪姫が!」
「あら、姫なんてうれしいわね。けれど、少し余計な物がついているわよ?」
「はてさて、摩訶不思議なことを言いますね。わたくしめには完璧な表現の仕方だと思いますがなにかご不満でも?」
「一回、躾が必要みたいね。色音さん、鞭を持ってきてもらえる?この駄犬を調教するわ。」
「ふ、夫婦喧嘩には突っ込まないんだね・・・。正直、色音はこっちの方が不思議だなぁ・・・。」
と、何気に鈴花に対して失礼なことを言う色音であった。
そして俺はふと思う。
「・・・これを、形に残せれたらな。」
何がこう思わせたのかは分からないが、ふと湧き上がってきたのだ。
これが「俺の学園クロニクル」を作るきっかけになるとは思ってもなかったけれど。
最後まで見てくださりありがとうございます。
どうも、テンションがふつうな霧夢です。
今回は俺クロ制作の始発点の話でしたがいかがでしたでしょうか。
真面目なのはここまでにしておいて、正直、キャラが多すぎて脳が吹っ飛びそうです。
さらに次の話ではまた新しいキャラがでます。死にそうです、はい。
では次回もお会いしましょう。




