1/4
博物館にて
----------「あっ...」
次の瞬間、"それ"は真っ二つになっていた。
空気が凍りつく。
みんなの視線が"それ"に注がれる。
みな一様に、口をあんぐりと開けて、信じら
れないという表情をしている。
「は、ははは、いや、事故だよ!ねぇ、みんな見てたでしょ?ねぇそうでしょ!」
全員、"それ"を見つめたままだんまりだ。
ただどうにも様子がおかしい。
反応がないどころか、瞬きさえしない。
「あれっ、みんな?どうしちゃったの?」
状況を飲み込めない彼の代わりに説明すると、今、"それ"を割ったせいで時が止まっている。
「ちょっと待って!じゃあなんで僕は動けるの?」
それは、あなたが"それ"を割った張本人であるということと何か関係があるのでは?
「じゃあ、どうやったら時が動くの?」
そんなこと聞かれても、私、神でも仏でもないですからわかりませんよ。
「ところで、あなたは誰なの?」
...........
「........」