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Element Master  作者: 柚子桜
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第二話 初仕事#12



レイジに報告をすると、彼は驚いた様子だった。

フレイムボアが強力になっているだけではなく、中級魔族のヘリオニルまで現れたのだ。

これはまず、西区画の中心都市『ベルニーニ』まで報告をしなければならない事だろう。

そして、施設の莫大な被害。

施設の建物は窓ガラスが割れただけだが、メインにしている草原は穴が空いたり焼け焦げたりしてしまっている。

これでは、施設が再び営業を再開するには少なくとも一年はかかるだろう。

しかし、レイジは暗い顔をしなかった。「また、一からやり直せばいい」と言って、明るく笑うのだった。

「後日、お礼の品を届けます。今日はギルドに戻りゆっくり休んでください。本当にありがとうございました」

レイジにそう言われ、三人は『レイジファーム』を後にする。

彼らは帰り道を歩いていける気がせず、馬車に乗ってギルドまで帰った。



ギルドに帰るときにはすでに太陽は沈んでいて、辺りは暗くなっていた。

ギルドの戸を開けると白ぎつねが飛び付いて来て「何かあったんですか!?」と、とても心配そうな面持ちで尋ねてきた。

三人は苦笑しながら、今日起きた事の次第を白ぎつね、臨也、岬に話した。

すると三人とも目を丸くして、何一つとして言葉を話さない。

三人は不思議に思い、白ぎつねの尻尾を引っ張った。

「フギャァァ!」

突然の出来事に、現実へと引き戻される白ぎつね。

臨也も岬も白ぎつねのその叫び声で我を取り戻した。

「す、すごいわね…。ヘリオニルと言ったら、討伐金が区画の中心都市から出る程の強敵よ」

「それを昨日来たばかりのやつと、三ヶ月前に来た二人で倒すとはな。…これは驚きだ」

「はい。白ぎつねも同感なのですよ」

白ぎつねは達は驚きつつ、六斗達に色々と聞きたいようだった。しかし、六斗・雲雀・憂の三人はとてつもなく疲れていたので、白ぎつねに「風呂に入って寝たい」と告げた。

「わ、分かりました。今からお風呂を沸かしてくるのデス」

と、白ぎつねはそう言ってお風呂場の方へダッシュしていった。

その様子を見た臨也と岬は、お互いに顔を見合って笑った。

そして二人とも席を立ち上がり、六斗達のそばに歩みよった。

「まぁ、何にせよ、今日はよく頑張ったな。お疲れ」

「うん。あんた達はよくやったよ。今日はよく寝て、ゆっくり休みな」

六斗達は二人にそう言われて内心嬉し恥ずかしい気持ちになったが、それでも疲れが勝り、表情に変化がない状態で会釈しソファーに向かって足を進めた。

「本当にお疲れみたいだね」

岬が三人の後ろ姿を見て、腕を組みながらそう呟いた。

臨也も嬉しそうに、その後ろ姿を眺める。

「そりゃ疲れるだろ。雲雀嬢は氷で憂は風。どちらも、生半可な力じゃ炎に弱い。六斗が水のElementだとしても、炎で蒸発させられるだろうし。ま、何にしても、面白い人材がやって来た事は確かだな」

「そうだね」

そう言うと、臨也は席に戻っていった。

岬は二階に上がり、空き部屋から使われていない毛布を持ってくる。

ソファーに座る三人の元に近寄ると、岬は再び目を丸くした。

「ねぇ、臨也。ちょっと来てよ」

「ん、どした?」

臨也に向かって手招きをする岬。

臨也はまた席から立ち上がり、岬のいるソファーへと向かった。

そしてソファーに座る三人を見た時、口をポカンと開いて驚いた。

「こりゃ、驚いた。まさか、ここまで仲良くなるとはな」

「だね。私もビックリだよ」

岬と臨也がそこまで言うのも無理はない。

三人は、お互いに寄り掛かるようにしてソファーに座っていたのだ。六斗を真ん中に、二人の少女が頭を肩の上にのせる。

そんな仲睦まじい光景に、岬と臨也は微笑んだのだ。

「いいギルドになりそうだね。このギルド」

「あぁ、そうだな」

二人は、六斗達に毛布をかけてその場を後にする。

その後、白ぎつねが「お風呂が沸きましたのデス」と言いに来たが、その言葉は三人には届かなかった。



更新が遅くなってしまってすみませんm(__)m


これからも遅くなってしまうかもしれませんが…

頑張りますので温かい目で見守ってください

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