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Element Master  作者: 柚子桜
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第二話 初仕事#5



少女らが草原に出た時、そこは火に包まれていた。

「どうなってるのよ。フレイムボアにこんな力は無いはずよ」

「加護の受け過ぎ…それか、敵はフレイムボアだけじゃないかも知れない」

「そうね…でも、今はこいつらの退治が先よ」

雲雀はそう言うと、手の平に意識を集中させた。

「ブモォォォ!」

暴れ回っているフレイムボアの一体が、雲雀に向かって突進してくる。

「白河っ!」

六斗はフレイムボアに突進されているのに動かない雲雀対して声を荒げる。

そんな六斗の言葉に動じず、雲雀は冷たい視線をフレイムボアに向けた。

「無粋な魔物よ…凍りなさい」

雲雀がフレイムボアに手を翳すと、地面から氷の柱が突き出る。

氷の柱はフレイムボアを閉じ込め、身動きを封じた。

「ブモォォォ!」

仲間をやられたフレイムボアの集団が、纏めて三人を襲う。

そんなフレイムボアの集団が一気に空に舞い上がった。

憂の風のElementだ。

「何の罪のない動物達を…」

憂のその言葉には、怒りが込められていた。

途端、上から吹いた強烈な風がフレイムボア達を地面に叩き付けた。

「凍れ」

雲雀が言うや否や、フレイムボアの集団は氷付けになり動かなくなった。

その氷を、憂が起こした竜巻が粉砕する。

「……すげ」

六斗はその光景に、冷や汗を掻きながら立ち尽くしていた。

「あら、遅いじゃない」

六斗の存在に気が付いた雲雀が声を掛ける。

六斗は先程の戦闘を見ていたので、雲雀に対して少し恐怖心を抱いた。

「あ、あぁ。白河さん達が早過ぎるんだよ」

「ふーん」

痛い視線が六斗に対して向けられる。

雲雀は六斗の発言に対し、何か不満を感じたようだ。

そんな二人をよそに、憂は焼け死んだ動物達に近寄った。

「かわいそう…」

死体を撫でる憂。

動物好きの憂にとっては悲しい体験だろう。

(おっと、やらなきゃいけない事が)

六斗は合掌をしている憂の後ろに立ち、憂に声を掛けた。

「憂、少しいいか。後、雲雀も」

「……うん」

「分かったわ」

二人は六斗の元に集合した。

そこで六斗は、二人にいくつか確認を取る。

「二人とも、フレイムボアは低級の魔物なんだよな」

「えぇ、そうよ。野生のボアに火の加護が与えられただけなんだから」

雲雀はそう言って、この前のフレイムベアの話を持ち出した。

「あなたが最初に見たフレイムベア。あれも低級の魔物。ただ、低級の魔物は火の加護を受けたからと言って、火のElementを使いこなせる訳ではないわ。」

「と、言うと?」

「彼らにはElementの使い方が分からないのよ。使えたとしても、火を吐くくらいかしら。後は属性が付くくらいね。水には弱くなるけど、風には強くなるわ」

「成る程な。と言うことは、さっきのやつらみたいに走った道が燃える事は無いと」

「えぇ、普通ならね」

雲雀はその部分を強調して言った。

「成る程…低級の魔物に破られるはずのない水水晶が破られ、フレイムボアがElementの使い方を覚えた……何かあるな」

六斗は力強くそう言いきった。

二人は六斗の言葉に、体をピクリと反応させる。

六斗は結論が出たと同時に、次の行動に移ることにした。

「二人の内どちらか、水水晶の効果範囲とか確認出来るか?」

「…私、出来る」

憂が名乗りをあげる。

六斗は事の順調さに、少し嬉しくなった。

「よし、じゃあ確認は憂に頼む。それじゃあまず、水水晶を見付けよう。草原と森の境目だったよな?」

六斗の問いに、二人の少女は首を縦に振った。

そして三人はフレイムボアが通り燃えた炎の道を消火しながら進み、草原と森の境界を目指した。



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