第二話 初仕事#1
さてさて。
今回から戦闘シーンに入ります。
技の名前とかってあった方がいいんでしょうか(-.-;)?
翌朝。如月六斗少年は、短針と長針が真上で重なった時刻に起きた。
(やべ…寝過ごした)
寝癖のついた頭のまま、六斗は階段を使って一階に降りてゆく。
ソファや暖炉などがある部屋には、白河雲雀と葛城憂の姿があった。
二人はもうとっくに起きていてようで、服を着替えていて髪も整っていた。
「あ…おはよう」
六斗は控えめに、その二人の少女に声を掛けてみる。
雲雀は読んでいた新聞から目を離し、憂は猫を抱き抱えて六斗を見た。
「おはよう。ずいぶん遅い朝ね」
「まぁ、昨日は色々あって疲れたから」
「色々あって…ね。多分、今日は昨日より疲れる事になるわよ」
「え、どう言うこと?」
「すぐに分かるわ」
六斗は首を傾げ、憂を見てみた。
相変わらず猫を抱き抱えていて、猫の手で何やら遊んでいた。
一旦頭を切り替え、辺りを見回す。
テーブルの上に作られた朝ごはんのパンと、文字の書かれた紙が置いてあるのを発見した。
「何だコレ」
椅子に座り、朝食に手を伸ばしながら、その紙に書かれた内容を把握する。
【白河雲雀、葛城憂、如月六斗の三人へ。
白ぎつね達はちょっと用事で隣町の『サミナ』まで行ってきます。
六斗さんは多分、仕事の受け方など分からないと思うので、先輩の二人がリードしてあげてください。
仲良く三人で依頼を完遂してきてくださいネ。ちなみに、お勧めする依頼を一つ選んでおきました♪
P.S.
ちゃんと三人で行ってくださいネ】
手紙を読み終わり、六斗は小さくため息を吐いた。
(魂胆見え見えじゃんか)
呆れたような顔をしつつ、手紙と一緒においてあったもう一つの紙を手に取る。
こちらは依頼の内容が書かれた紙だった。
【依頼:フレイムボア退治
場所:街外れ西の観光施設
連絡先:426T-3869
備考:フレイムボアが庭園などを荒らし、経営が成り立たなくなりつつあります。腕に自信がおありの方をお待ちしております。】
内容を確認し、六斗はチラリと二人の少女を見た。
憂は猫を抱き抱えながら、雲雀の隣に座って雲雀の読んでいる新聞を眺めていた。
それから六斗は、雲雀に視線を移す。
いつも通りの綺麗な髪を、今日は両サイドで三つ編みにしていた。
(葛城はともかく、白河雲雀と仲良く出来るか…不安だ)
視線を元に戻し、残りを全てのパンを口に頬張り、もう一度依頼用紙と向き合った。
(フレイムボア退治か。能力の使えない俺が前に出ても、足手まといになるだけか)
役立たずの自分に苛立ち、手に持っていた依頼用紙を机の上に投げた。
その投げた用紙を、隣から伸びてきた白い腕が拾い上げる。
「葛城…」
「憂で良い。で、いつ行くの?」
「え?」
「時間。いつ行くの?」
顔を高さを六斗に合わせ、憂は尋ねた。
「えーと、俺は用意が出来たらいつでも良いけど」
「そう」
憂は短くそう言うとクルッと踵を翻し、雲雀がいる方に体を向けた。
「雲雀は、いつ行くつもり」
部屋の天井を見上げ、少々考え込む。
「そうねぇ…夕食までに帰れるのならいつでも。でも、早めに終わらせておきたいわ」
「わかった」
またまた憂は体の向きを変えた。
そして、六斗の目の前に依頼用紙を投げた。
「六斗、今すぐ準備して」
「すぐに行くのか」
「うん」
分かったと呟くと、六斗は席を立ち二階に上がった。
憂は六斗が上がって行くのを見ると、ソファーに座っている雲雀の後ろに回り込んみ、耳元で囁いた。
「雲雀、新聞逆さま」
「えっ!? あっ…」
慌てて新聞の上下をひっくり返す。
そして、頬を膨らませて憂に向き直る。
「分かってたのなら言ってくれればいいのに」
「雲雀、緊張してたから」
うっと雲雀は言葉に詰まった。
この少女も六斗と同じで、お互いにどう接して良いか分からないのだ。
ぎこちないままではいたくない。だけど、お互いに苦手意識があるので話し掛けづらい。
「大丈夫。緊張せず、普通にいけば良い」
「うぅ。でも、朝言ったように何だか緊張しちゃって…」
そう。時刻は少し遡る。
あれは、白ぎつね達が出て行った後の事だった。




