表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Element Master  作者: 柚子桜
1/23

プロローグ

こんにちは。柚子桜です。

今回は、以前挫折したこの小説をもう一度書いてみようと思い、再び投稿した次第でございます。

主人公はちょっぴり暗いやつですが、温かい目で見守ってやってください。


ではでは。





いつも通りのつまらない毎日。そんな日常に、俺は飽き飽きしていた。

最初の頃は、自分で何か面白い事を探そうと奮闘したのだが、それも次第に怠くなってきて止めた。

それからと言うもの、毎日がより一層つまらなくなった。

毎日毎日毎日学校に向かい、何にも役に立たないものを勉強させられる。

毎日毎日毎日塾に向かい、親に課せられたノルマをこなすために勉強する。

どれもこれも、腐るほど嫌だった。

自分の意志が見えないまま、やりたくも無いことを半強制的にやらされる毎日。

逆らえば養ってもらえない。

(何か俺って…親のいいなりだな)

自分自身が見えない。

ここにいる自分は自分なのか。本当は、自分ではないのではないか。自分ではなく、誰かの言いなりの意志を持たない人形ではないのか。俺は自分が自分自身である確証はあるのだろうか。もしかしたら、俺は俺じゃなくて他の誰かかもしれない。自分が自分だと思っているだけで、自分じゃないかもしれない。そんな自分を覆い隠すように、他人に作られた自分かもしれない。しかし、それを自分自身で確認する事は出来ない。

じゃあ、この世界で求められる自分自身って何なのだろう。

社会に規制されて、社会の流れに呑まれて、そんなので自分自身を作る事は出来るのだろうか。

社会に規制されなくなると、人が荒廃するのは分かっている。だが、縛られた社会の中で本当の自分自身を見付ける事は出来ない。自分自身だと思っても、それは社会に影響され作られた自分だからだ。

――矛盾だ。

この社会は矛盾が多い。

[嘘はつくな]とか[素直で優しい人になりなさい]とか、大人のざれ言でしかない。

矛盾。矛盾が多過ぎて頭がおかしくなりそうだ。何が正しくて何が間違っているのか分からなくなってくる。そして、自分が廃れて行く。辛い。

どうかこの世界から逃げ出せるのなら、俺はこの世界から逃げたい。

家族も、財産も、全部捨ててこの世界からおさらばしたい。

友達を見捨てるのは気が引けるが…このままじゃ俺はおかしくなりそうだ。

「神様……」

そう天に祈ってみる。

神頼みとかは柄じゃないが、今、この世界から抜け出せるのなら何だってしてやる。

それほど俺は、この世界から立ち去りたいんだ!

辛い。何が何だか分からない。もう嫌だ。辛かった十五年。おさらばしたい。消えたい。俺という存在を消してくれ。

祈りに祈った時。願いは叶った。

茜色の空に、流れ星が流れる。

その流れ星はだんだん、だんだんと近付いて来て――俺に直撃した。

体が光りに包まれ、心地好い温かさが俺を迎えてくれた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ