プロローグ
こんにちは。柚子桜です。
今回は、以前挫折したこの小説をもう一度書いてみようと思い、再び投稿した次第でございます。
主人公はちょっぴり暗いやつですが、温かい目で見守ってやってください。
ではでは。
いつも通りのつまらない毎日。そんな日常に、俺は飽き飽きしていた。
最初の頃は、自分で何か面白い事を探そうと奮闘したのだが、それも次第に怠くなってきて止めた。
それからと言うもの、毎日がより一層つまらなくなった。
毎日毎日毎日学校に向かい、何にも役に立たないものを勉強させられる。
毎日毎日毎日塾に向かい、親に課せられたノルマをこなすために勉強する。
どれもこれも、腐るほど嫌だった。
自分の意志が見えないまま、やりたくも無いことを半強制的にやらされる毎日。
逆らえば養ってもらえない。
(何か俺って…親のいいなりだな)
自分自身が見えない。
ここにいる自分は自分なのか。本当は、自分ではないのではないか。自分ではなく、誰かの言いなりの意志を持たない人形ではないのか。俺は自分が自分自身である確証はあるのだろうか。もしかしたら、俺は俺じゃなくて他の誰かかもしれない。自分が自分だと思っているだけで、自分じゃないかもしれない。そんな自分を覆い隠すように、他人に作られた自分かもしれない。しかし、それを自分自身で確認する事は出来ない。
じゃあ、この世界で求められる自分自身って何なのだろう。
社会に規制されて、社会の流れに呑まれて、そんなので自分自身を作る事は出来るのだろうか。
社会に規制されなくなると、人が荒廃するのは分かっている。だが、縛られた社会の中で本当の自分自身を見付ける事は出来ない。自分自身だと思っても、それは社会に影響され作られた自分だからだ。
――矛盾だ。
この社会は矛盾が多い。
[嘘はつくな]とか[素直で優しい人になりなさい]とか、大人のざれ言でしかない。
矛盾。矛盾が多過ぎて頭がおかしくなりそうだ。何が正しくて何が間違っているのか分からなくなってくる。そして、自分が廃れて行く。辛い。
どうかこの世界から逃げ出せるのなら、俺はこの世界から逃げたい。
家族も、財産も、全部捨ててこの世界からおさらばしたい。
友達を見捨てるのは気が引けるが…このままじゃ俺はおかしくなりそうだ。
「神様……」
そう天に祈ってみる。
神頼みとかは柄じゃないが、今、この世界から抜け出せるのなら何だってしてやる。
それほど俺は、この世界から立ち去りたいんだ!
辛い。何が何だか分からない。もう嫌だ。辛かった十五年。おさらばしたい。消えたい。俺という存在を消してくれ。
祈りに祈った時。願いは叶った。
茜色の空に、流れ星が流れる。
その流れ星はだんだん、だんだんと近付いて来て――俺に直撃した。
体が光りに包まれ、心地好い温かさが俺を迎えてくれた。