美青年を看病することになりました 03
それから青年はベッドに運ばれた。ステラが慣れた手つきで丁寧に青年の右肩へ包帯を巻く。傷は酷く、じんわりと赤い血が包帯に滲んでいる。それにしても彼は、いったいどこで何をしてこんな大けがをしたのだろうか。横に首を傾げながらステラはそっと布団をかけ、少しでも早く治るようにと優しく手をギュと握った。
「それじゃ、悪いけどステラ。後は任せたよ」
「はい、お任せください」
となわけでしばらく間、ステラは青年を看病することに──。
◇◇◇
あれからまた数日経ち、青年の容態は徐々に良くなり会話ができるまで回復する。
「具合の方は、どうですか?」
「ああ、問題ない」
柔らかく、耳触りがいい優しい声。
透明感ある灰色の髪が日差しを受け煌めき、赤みを帯びたアーモンド色の瞳がこちらを見つめる。すっかり顔色も良くなり、青年の表情は生き生きとしていた。改めて見るとその美しい横に、思わず目を奪われそうになる。服装も華やかでここら辺では見かけない。なんせ、ハンガーに掛かった紋章が刻まれた藍色のマントと腰につけていた豪華な剣が何よりも証拠だ。
「それは、良かったです」
「君が懸命に看病してくれたおかげだ。助かった礼を言う」
「そんな。私は大したことはしていません」
目のやり場に困ったステラは、不意に顔を背けると青年がポツリと呟く。
「もしよければ、名前を教えてくれないだろうか?」
「ス、ステラです」
「‥‥とてもいい名前だな」
すると、青年は柔らかな笑みを浮かべる。
ステラも彼の何気ない言葉に少し胸が熱くなった。




