九夜
コンビニの帰り道の錬磨
「…さっきの、俺どうしちまったんだ?」
さっきの声が気になる錬磨。
すれ違う女
「君、あんまり深入りすると殺すよ」
振り返る錬磨。
「…なんだ?」
女はいない。
「気の…せいか?」
顔を戻す錬磨。
そこにはさっきの女。
「やっぱ聞こえたんだ?蟲声【むしごえ】」
女は笑顔で言う。
「わたしは麗羅、初めまして錬磨君」
麗羅は言う。
「なんだよあんた!どうして俺の名前を知ってんだ?」
錬磨は問う。
「ん〜なんだって言われてもな〜、深入りするなって言ったばっかだよ?」
麗羅は可笑しそうに言った。
「訳わからねー事言ってんじゃねー」
錬磨が言った。
「へ〜強がるね♪力も使えない三下がさ」
麗羅は笑って言った。
「ってめー女だからって調子乗ってっといてー目に会う事もあるんだぞ」
錬磨は麗羅に平手打ちをした。
が空中で止まる錬磨の腕。「なんだ、やっぱ女の子だから気を使ってんの?
優しいね〜錬磨君は」
(んだ?どうなってんだ?体が動かねー)
「そんな優しい錬磨君はわたしのペットにしたげようか?」
麗羅は言った。
「ざけんなよ!てめー」
錬磨は言った。
「わぁ、怖いんだ錬磨君♪」麗羅は笑う。
「お前、俺に何しやがった?なんで動けねーんだよ!」
錬磨は麗羅を睨む。
「無駄だよ?無理に動いたらバラバラになっちゃうよ?」
麗羅の言葉通りに錬磨の腕から血が垂れる。
「ほら〜せっかく教えてあげたのに〜錬磨君はやんちゃなのね♪」
麗羅は言った。
(血が流れてる?まるで糸を伝うように)
錬磨は考える。
「ん〜錬磨君やっとおとなしくなってくれたね♪」
顔を近づける麗羅。
「悪いようにしないからさ〜ちょーっと手伝ってほしいんだ」
麗羅は言った。
「なんでだよ?俺に何しろってんだよ!」
錬磨は叫ぶ。
「ちょこーっとさ囮になってほしいんだ?」
そこまで言うと麗羅は錬磨に口付けをした。
「てめーなにし、やか…」
薬を飲ませた麗羅。
暗部の基地
「ほぉ〜コイツがあの戦鬼のね〜」
剛は言った。
「兄貴どう思う?こんなんがキーマンになるのかね〜」
剛は怪しいと思いながら錬磨を見る。
「なによ〜連れて来いって言ったから連れてきたのに〜」
麗羅は不満そうに言った。「キーマンに力などいらん、獲物が釣れればそれでいい」
天夢が言った。
「違いない、こんなんじゃつまらんからな!餌が釣れなければタタじゃ殺さん」剛が言った。
「ダメだよ剛兄ちゃん!錬磨 君はわたしのペットにするんだから」
麗羅は言った。
「なんだ麗羅はこんなんがいいのか?」
剛がにやけながら言った。「意外と面白いと思うよ?女の勘ってやつだけどね」麗羅は言った。
「どのみち先ずは餌としての役目を果たさせる」
天夢が言った。
「蟲声の用意ね?」
麗羅は言った。
「麗羅、十六夜だけではなく多くの魔神使いに向け発信しろ」
天夢は言った。
「なんでそんな面倒な事するの?」
麗羅が聞いた。
「見せしめだ」
天夢は言った。
「なるほど〜了解兄さん」
蟲を放つ麗羅。
十六夜では。
「ねー月ねーさん?買い物いかないかな?」
彩花は言った。
「パース、今から呑むのよ行くならつまみお願い〜い」
月子は言った。
「もう!ねーさんってば、しょうがないな〜」
彩花はため息をついた。
「おーいシュウ!ボディーガードの時間だよ!」
月子は氷を入れる修一に声をかけた。
「ったく、人使いが荒いね…ホント」
修一は肩を竦めた。
「あっ修君大丈夫だよ、すぐそこまでだもん」
彩花は言った。
「いや、別にいい…ちょうどタバコなくなったしね」修一は言った。
「そっか、じゃ〜お願いしよかっな?」
彩花は言う。
「ああ…前の事もあるしな姫を一人にはさせられない」
修一は言う。
「あんたなんて来なくていいわさ!彩花はあたしが守るわさ」
球根は言う。
「おっ、キュー居たのか」
修一は言った。
「ずっと居たわさ、アンアの目は節穴か!」
球根は言った。
「キューお前チッコイからな…見えなかった」
修一は言った。
「これでどうだわさ」
触手で頭を叩いた。
「キューお前なぁ…お前じゃなきゃ殺してるぞ」
修一は言った。
「うっさいぞ!行くならさっさと行って来いって、まったくオマエさんたちは」多助が言った。
「…五月蝿いのはあんただよ」
修一は言った。
「ははは…じゃ行って来ます」
彩花は苦笑いで出て行く。修一も後に続いた。
近くのスーパーに向かう2人
「…」
「…」
2人は会話なく歩く。
「ね、ねぇ?あの〜もしかしたら退屈?」
彩花は聞いた。
「…姫と一緒にいて退屈な奴なんて退屈だなんて奴はいないよ」
修一は言った。