十七夜
「守る、か…じゃなんで政府の退魔師はアンタ達の事敵視してんだ?」
錬磨は聞いた。
「そうだな〜」
多助はうなる。
「人は、さ…人間以外認めないんだよ、口では神様とか言っといて、いざそういうのに会えば、信じる奴なんてほんの一握りなんだ…他の奴なんて恐怖しそこから敵視に変わってくものなのよ…人間って奴は」
月子は言った。
「…
でも魔って呼ばれるような事もしてる奴もいるんだろ?」
錬磨は言った。
「そりゃ、ね…力に溺れた奴はいるわよ、数えきれないほどね」
月子は答えた。
「でもね、れん君、それって人の心の弱さから力の暴走や誘惑に負けた人が、人に危害をくわえたりするの」
彩花は言った。
「それに対抗したのが退魔師ってわけか…」
錬磨は呟いた。
「兄ちゃん!退魔の事はシュウにきけよ!アイツはお前さんと同じ側の人間だ」多助は修一を指差し言った。
「…そうだな、気になるからな、やっぱ」
錬磨は修一の方を見た。
「…」
修一は頭をかきながら近づく。
「…嫌いなんだけどな…面倒なのは、さ」
修一は言った。
「そう言わないでくれよ、こっちは訳わからねーんだからよ」
苦笑いする錬磨。
「…まっ、いっか
…っとその前に、お前の姓は戦鬼だったよな?」
修一は尋ねた。
「ああ、そうだけど…それがなにか関係あんのか?」錬磨は言った。
「…
古い退魔の家系に戦鬼って名前を聞いた事がある」
修一は言った。
「…どういう事だ?それって」
錬磨は考えた。
「…お前…魔姫って名前に聞き覚えあるか?」
修一は言った。
びっくりする錬磨。
「おい!アンタ!なんで姉ちゃんの事しってんだよ?」
錬磨は興奮気味に言い寄る。
「…落ち着けよ、
ったく…だから面倒なのは嫌なんだよ…知りたくない事までしっちまうんだよ…参ったね、どうも」
修一は言った。
「なぁ?退魔師ってなんなんだよ!姉ちゃんも退魔師なのか?」
錬磨は尋ねた。
「…退魔とは人以外の支配者を許さない…そんな血を引く者達の名称みたいなもんだ…悪いが俺は興味がないんでね、そんなに詳しくはしらないよ」
修一は冷静に言う。
「詳しくねーって、アンタも退魔師なんだろ?」
錬磨は言った。
「…仕方ないだろ?俺は退魔って言うか、殺す事だけを目的に創られたんだ…まぁ見境無しの殺人者って訳だ…まったく…」
修一は言った。
「殺人者って…見境無しって事はアンタ人間も殺すのか?」
錬磨は睨む。
「…ああ」
修一は言った。
「なんでだよ?それじゃ単なる殺人鬼じゃねーかよ!」
錬磨は叫ぶ。
「…違いない、そうだな…俺にできる事が殺す事だけならば…単なる殺人鬼だ」修一は言った。
「あなたみたいな坊やとじゃ、修羅場と覚悟が違うんのよ、少なくともここにいる連中はね」
月子は言った。
「まぁシュウはシュウで特別だかな!安心しろよ!今のシュウは無駄な殺しはしねぇ!俺が保証してやる!」
多助は言った。
「…修君は優しいよ?」
彩花も言う。
錬磨は修一を見た。
「はぁ…まぁ今は信じるよとりあえずは味方って事だな?
てもな、姉ちゃんの事は教えてくれよ、頼む」
錬磨は頭を下げる。
修一は錬磨を見た。
「…参ったね…どうも」
修一は言った。
「の前に!飯だ!俺は腹が減ったぜ!休憩でもいれなきゃやってらんねーぜ!
オメーさんも慌て過ぎるとパンクしちまうぜ?」
多助は言った。
「まったくこの親父は、まぁでも一理あるかしらね?あや、準備するわよ」
月子は言った。
「そうだね、れん君も少し起きたばかりなんだから、少し休も?ちょっと待っててね」
彩花も言う。
「あ、ああわかった…」
少し納得のいかない顔の錬磨。
錬磨の肩に手を置く修一。「…アイツはちゃんと生きてる…」
修一は一言だけ言った。
「…姉ちゃん…」
錬磨は呟いた。