表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/18

十六夜

暗部側の出来事。

「まったく…情けない、貴様等ならばと思い目を瞑っていたのだが…結果がこれか?」

老人が言う。

「申し訳ありません…霧怨【むおん】総隊長、この度の失態言い訳のしようがございません」

天夢が頭を下げる。

「言い訳じゃと?そんな物何の役にもたつまえ…暗殺者は最低は相討ち、最悪は返り討ちじゃ、がお主等は負けたのに誰一人とてそのどちらの道へも進んでいない…これはどういう事じゃ?」

霧怨は尋ねた。

「どのような罰でも…しかし弟と妹はどうか慈悲を…」

頭を下げたまま天夢は言う。

「ふむ、しかしのぉそれでは下の者に示しがつかんじゃろうて…」

霧怨は言う。

「すべて俺が指示した事であり、残りの者達は従うしかありませんでした」

天夢は言った。

「部下思いと言う訳じゃな?しかし天夢よ、それらが主の泣き所、枷になっておるのじゃぁあるまいの?」霧怨は厳しい目付きで言う。

「…」

天夢は答えられない。

「ふむ、少々厄介じゃの?本来、暗殺者は孤独な者じゃ

部隊など作る事が間違い、しかし今の世は力ある者が強者になる、しかしだからこそ失ってはいけない物がある」

霧怨は言った。

「天夢よ、暗殺者とはなにか?」

霧怨は問いかけた。

「暗殺者…それは、主の影となり邪魔者を排除するもの」

天夢は答えた。

「ふむ、半分じゃの」

霧怨は言った。

「半分?」

天夢は言った。

「解らぬか?

暗殺者とは何か?

奴ならばこう言ったじゃろ…ただ殺す者…とな、天夢よ御託はいらんのじゃよ」霧怨は言った。

「殺す者?…それでは俺達はただの殺人集団になってしまいます」

天夢は言った。

「殺人集団?まだ温いわ…集団じゃなくただの一人、そこから殺人鬼が育てばよい…それだけの事じゃ」

霧怨は言った。

「罰は追って伝える…」

奥の部屋に向かう霧怨。




凱鬼と飛遠

「凱鬼さんなぜ奴にこだわるです?」

飛遠は聞く。

「うーん、まっ知らない中じゃないからな〜

…どうやら嫌な予感が当たっちまったらしい」

凱鬼は言った。

「予感?信じられないっすよ?凱鬼さんの勘は当てにならないっす」

飛遠は言った。

「…遠ちゃん、俺の事嫌い?俺は悲しいぜ」

凱鬼は肩を落とす。

「いえ、凱鬼さんの事は好きですけど…まぁいろいろと興味深いですからね」

飛遠は言った。

「はぁ〜俺なんかより面白い奴なんざ山程居るだろーに」

凱鬼は言った。

「いやいや、なかなか希少価値高いですよ、凱鬼さんは」

飛遠は言った。

「そーかよ、まったく変わった奴だね、お前さんは」凱鬼と飛遠は歩いて行く。


十六夜では。

錬磨が目を覚ます。

「…そーかよ、忘れてたんだな俺は」

錬磨は球根の触手の能力で記憶を取り戻した。

「ったく…だせー事になっちまったな…」

錬磨は呟いた。

ベッドから降り部屋からでた。

「あの声…ライガーの奴、聞きたい事がある時は出てきやしねー」

錬磨は言いながら歩く。

「しかし、なんつー広さだよ?彩花の部屋もそうだけど、どうなってんだよあいつら」

錬磨は扉を見つけた。

扉に近づく。

声が聞こえてきた。錬磨は扉の前で止まる。

耳をすませ話しを聞く錬磨。

「盗み聞きじゃねー、用心の為だろ」

錬磨は自分に言い聞かせる。

「しかし、あやあの小僧どうするんだ?」

多助は聞く。

「えっ?どうって、どうもしないよ?」

彩花は言った。

「どうもしないよってオマエさんそれじゃすまないだろ?

小僧はこのまま帰してもまた政府に狙われるだろうし、下手すりゃ敵になる可能性だってあるだろうに」

多助はオーバーリアクションで言った。

「敵になるって、れん君はそんな人じゃないよ?」

彩花は言う。

「でもねあや、あの男は退魔の力があんのよ?」

月子は言う。

「修君も退魔の人だよ?でも私達の仲間じゃない」

彩花は少し膨れっ面で言う。

「こら〜あや!そんな顔すんじゃないの?美人が台無しじゃない」

月子は言った。

「ツキ!オマエさん、怒る場所が違うだろう!」

多助は突っ込みを入れた。「はぁ〜うっさいオヤジだよ、乙女心がわからないオヤジは嫌われるわよ」

月子は言った。

「なんだよ!わけわかんねーよ!なぁシュウ?」

多助は修一に話しをふった。

「…まぁ、本人に聞くのがいいんじゃないのか?」

修一は扉を親指で差した。ドアを開ける多助。

「…よう!兄ちゃん起きてたのか!」

バンバン背中を叩く多助。「ちょっ…何すんだよ!いてーな!」

錬磨は怒鳴る。

「んだよ!これくらいで怒るなよ!オマエさんも男だろ?」

多助は言った。

「んなの、いてえ事に変わらないだろ?」

錬磨は言う。

「…聞いてたなら説明は要らないよな?」

修一は言う。

「正直わかんねーよ、話しが急すぎだろ?

でもあんた達は俺の事助けてくれた事はわかってる」錬磨は言った。

「違うよれん君!私が…私が巻き込んじゃったんだよ!ごめんなさい!」

彩花は半泣きで謝る。

「んな顔すんなよ…あやか、お前のせいじゃない、だから泣くなよ」

錬磨は言う。

「責任とれよ!」

多助と月子は錬磨を押した。

「うわっ、と」

錬磨は彩花の正面に押し出された。

「えっ、と」

焦る錬磨。

「れ、ん君?」

彩花は錬磨を見る。

「あーもう泣くな!俺はここにいる!

お前の近くに居てやるからよ…もう泣くな」

錬磨は彩花を抱きしめる。「れん君…ありがとう」

彩花は顔を埋めた。

「…それがお前の答えか…なら強くなれよ、姫を支えられる位に、な」

修一は呟いた。


数分後…。

「あやか、落ち着いたみたいだわね?」

球根は言った。

「うん、ごめんね…もう平気だよ」

彩花は答えた。

「まったく!あやが泣き止まない時は兄ちゃんの事ボッコボコにしちまおうかと思ったぜ!」

多助は言った。

「勘弁してくれ、あんたの力でやられたら、死ねるね」

錬磨は言った。

「それで…どこから話せばいい?見たとこ、きみ少しは思い出したみたいだけど?」

月子は聞いた。

「ああ、まぁ、あやかと会ってからの事はだいたい」錬磨は言った。

「うーん、まずれん君の質問に答えるから、その上で私達の事教えるよ」

彩花が言った。

「そうか?じゃまず確認するけどさ、アンタら全員魔神使いってやつなのか?」錬磨は聞いた。

「うーんとね、修君は違うよ、れん君と同じ退魔側の人だよ」

彩花が答えた。

「退魔側って…アンタ達にとって敵って事だよな?」錬磨は修一を見た。

「まぁ〜一般的にはそうだな、でもシュウは変わり者だからな!」

多助は答えた。

「ふーん…変わり者、ね」

錬磨は言う。

「…何よ、シュウがここに居たらいけないの?

そんな事言ったら君もおなじよ?君とシュウだったら私はシュウを信じる。

何もしらない君よりはね」月子は少しきつめに言った。

「いや、悪い…少し気になっただけだ、他意はない」錬磨は言った。

「まぁ、いいけどね…」

月子は言いながらビールの蓋を開ける。

「…で凱鬼が所属している方、政府だっけ?そいつらがアンタ達の敵って事になるのか?」

錬磨は質問に戻った。

「違うよ、れん君…私達は別に彼らを敵視してるんじゃないんだよ?

ただ普通の人と違う力があるから彼らにとっては危険視してるんじゃないかな」彩花は答えた。

「襲われれば俺達は戦うが少なくともこのメンバーの中には自ら戦う奴は居ねー!自分と仲間を守る為の最終的な手段が戦うって事だ」

多助は言った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ