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十四夜

錬磨のアパートに向かう凱鬼。

「さて、と」

インターホンを押す凱鬼。「やっぱり居ねーな」

頭をかく凱鬼。

「凱?あんたまた来たの?」不意に声がかかる。

「…春枝、

イヤイヤまーちょっと男同士の絆でも深めようかな〜って」

凱鬼はおどけた様子で言った。

「なーにキモい事言ってのよ、んでその様子じゃレン留守だったの?」

春枝は聞いた。

「ん、そうみたいだ、どこほっつき歩いてんだかね…アイツは?」

凱鬼はやれやれと言わんばかりのジェスチャーで答えた。

「はぁ〜またかーレンの奴ここ3日捕まらないどころか連絡すらとれない状態なのよ、どう思うよ?」

春枝は苦笑い気味に聞いた。

「ん〜あのやろー浮気かね?まー春枝が相手じゃ浮気の一つや2つ」

凱鬼の言葉を止めた春枝の右ストレート。

「何よ!私だって頑張ってるわよ!レンのバカ…」

涙ぐむ春枝。

「あたた、たく本当に乱暴な奴、

あんなー俺の知ってる錬磨は浮気なんざ出来る奴じゃねーんだよ?お前も知ってんだろ?」

凱鬼は優しく言った。

「それに俺の知ってる春枝と付き合ってんなら、んな事はできないよ…怖くて」凱鬼は呟いた。

「まったく、あんたはホンッとに一言多いわよ…凱、ありがとうね」

春枝は言う。

「よせよ、らしくないぜ、錬磨の野郎は俺が探すからお前は、早く元に戻って迎えられる用意しててやれよ」

凱鬼は言った。

春枝は泣きながら頷いた。凱鬼は錬磨のアパートを後にした。

「あのバカ…春枝の事泣かせやがって、女泣かせるなんざてめーにゃまだ早いだろってんだ」

凱鬼は呟いた。




十六夜アジト。

「修君!」

彩花は修ーに話しかける。「…ん、姫なんだ?」

修ーは聞き返した。

「あのね…レン君の事ね、あのありがとう!

助けてくれて」

ペコリと頭を下げる彩花。「…別にいい、姫が気にする事ははない、俺は俺で気になる事があっただけだ」修ーは言った。

「それでも、助けてくれたのは間違いないよ?

だからねありがとう」

彩花は言う。

「…まったく、羨ましいね姫にそこまで思ってもらえる奴なんてそうはいないからな…」

修ーは言った。

「も〜修君まで月ねーさんみたいな事言って、レン君は…私が巻き込んだようなものだから、助かったのは嬉しいんだよ?」

彩花は言う。

「…姫、まぁいい、か

ここからは奴次第、俺の出る幕じゃない…願わくは、姫の支えになってやってくれれば…ああ、いやそれは望み過ぎかな」

修一は呟いた。

彩花の頭を撫でその場を後にした。


十六夜アジトの廊下。

「…修ーか?」

球根が言った。

「…ああ、お前に聞きたい事があってな」

修ーは言った。

「あやかの事だわね?

あんたは…どう思うわさ?」

球根は言った。

「…まぁ、戦いになれば必要のない感情だが、あの娘にそれを押し付けるのは…エゴって奴じゃないか?」修ーは言った。

「そうかもしれないが…大切な者をなくした時あやかは立っていらるほど強くないわさ」

球根は言う。

「…キュー、お前の優しさは残酷な事だよ…どうせ消すなら中途半端ではなく、感情全部消してやんなくちゃさ」

修ーは言う。

「あたしも迷う事もあるわさ…修ーお前を見ていると感情の大切さも考えるわさ」

球根が言った。

「…そりゃどーも、だが決めるなら早目がいい、でなきゃ最悪2人とも失う事になる」

修ーは言う。

「一つ聞かせて欲しいわさ」球根が聞いた。

「…どうぞ」

修ーは言った。

「感情がないってどんな感じなんだわさ?」

球根が申し訳なさそうに聞いた。

「…悪いもんじゃないよ、意外とね…考える事が少なくていい

…それに正確に言えば俺は無感情じゃないよ、逆に人を殺す感情だけ強められ他が薄いってだけだって事だから、ね」

修ーが言った。

「…ここはいい、うわべだけでも俺にも感情が湧き出てくる感覚さえ覚える。

…感謝するよ…あんた達には、さ」

修ーは続けて言った。

「あんた、変わってるけどいい奴だわさ」

球根は言った。

「…」

修ーは球根をひとなでして去って行く。



政府側。

「天夢、剛、麗羅…彼らの独断的な作戦だったと?」着物の女性が訪ねた。

「その様で…」

細身の男は言う。

「しかし、暗部が動く事が何も掴めないと言うのは少々疑問な事ですが?」

女性が聞いた。

「三者の独断故に、暗部の方も情報がない状態だと聞いております」

男が言った。

「…そう、ですか

では当事者を此所へ連れてまいれ」

女性が言った。

「!なりません!魔姫【まき】様は戦鬼家の巫であられます、その様な者どもに会わせる事などできません」

男が言った。

「何故です?私に会わせられない理由でもあるのですか?」

魔姫が訪ねた。

「その様な理由など、ただご自分の身分をお考えください」


「今の日本に身分だのと…愚かな」


「その様な考えがおできになるのも、余裕がおありな立場からの事

残念ながら今の日本では平等など、理想事でしかないのです」


「…悲しき事ですね、命に罪などないのに、

そうは思いませんか封魔【ふうま】」


「…はい、その通りで」

封魔は頭を下げる。

「…零日を呼びなさい…」

魔姫は言う。

「かしこまりました」

封魔が一礼して出て行く。


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