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グロット・オー ~スナープ団をぶっ潰せ!~  作者: 雲乃琳雨


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40/43

40、スナープ団を訪問

 夕食を取りながら今日のことを話した。


「誘拐事件や地雷のことを聞かれたから、お前たちに話を聞いておいて良かったよ。デナスはやはり東のスパイではないかという話だった」

「そうなんだ。王女からも会議のことは聞いたよ」


 スナープ団は東ともつながっているんだろうか。俺も王女の計画のことを伝えた。


「明日、スナープ団の塔に行ってくるよ」

「分かった。気を付けてな」

「うん」


 翌日の午後、俺たち三人はスナープ団の塔に出向いた。


「緊張するね」

「うん」


 コズエとタクトが話していた。俺ももちろん緊張した。念のため録音石のスイッチを入れる。入口には特に護衛はいなかった。中に入ると広いエントランスに、黒い皮のソファが置かれていた。窓は一つしかなく、丸い照明が複数ぶら下がっていて、白い壁で明るかった。正面に受付がある。受付の女性は、ローズピンクの緩い大きな巻き髪に尖った赤いフレームの眼鏡をかけていた。髪色と同じスーツを着ている。


「ご用件は何でしょうか?」

「僕たち冒険者のフリオン団の者です。こちらでアイテムの買取はしていますか?」


 ということにしておいた。


「はい、主にS級アイテムから、冒険者の店より高価買取しております。カタログはこちらでございます」


 女性がカタログを渡してくれた。結構厚みがある。A級もきついのに、S級なんか絶対無理だ。そもそもS級のアイテムはみんな自分で使うから売ったりしないだろう。カタログの中を見ると、


「あ! あの指輪がある。あれソロモン王の指輪って言うのか」

(え? なんか聞いたことあるな)


 コズエが変な顔をしていた。腕輪とネックレスも載っている。買取価格はそれぞれ、金貨三百枚だ! イグナシオの借金が一気に返せるな。まあ、俺も無理なら、イグナシオも無理だろうな。指輪は金貨千枚だ。冒険者協会だと金貨がなくて、買取できないだろ。小切手で振り込みならできるか。コズエも値段に驚いた。


「すご!」(一億円!?)


 これだと、クライムが狙われたりするかも……。ゴーザでも目星をつけてたぐらいだから、身に付けていれば誰が持ってるかは、もうみんな知っているよな。持ってなくて正解だ……。

 カタログには、アイテムの効果も書いてある。ネックレスはドラゴンブレスも防ぐらしい。なるほど、あのアイテムを付けてドラゴンに挑むわけか。指輪は、ドラゴンがドロップするアイテムだ。誰か倒したのか……誰だよ。


「このカタログすごいね。学校でも習ってないアイテムがたくさんある」

「そうだな。図書館にあってもいいぐらいだ」

(なんか、二人ですごい盛り上がってる……)


 俺は女性に聞いてみた。


「このカタログは販売していますか?」

「いえ、それは弊社の非売品です」


 だよね。でも、誰かが知ってる情報をまとめたものだから、どこかの本に書いてあるかも。その他のページでコズエが見つけた。


「あ、エイリアスの花も書いてある。値段が金貨100枚だよ」

「みなさんのおかげで効果が分かったので、新しくカタログに載せました。もちろん朝露が付いたものです。フリオン団でしたらそちらはどうですか?」


 女性が勧めてくるが、コズエがいたから上手くいったようなものだし、もう無理だと思う……。


「多分、あそこのジャインアトベアーは、エイリアスの花のおかげで他のベアーより強いんじゃないかな」


 誰も成功してないのはそのせいだと思う。そのページには、紅色の四角に白い?マークのイラストで、グロット・オーも書いてあった。値段は要相談だ。誰も売らないだろうよ。

 次に杖のページを見る。USS級、悪魔の杖? 先端が渦を巻いて、横に宝石が付いている。


「悪魔のアイテムがある。悪魔がドロップするのか? 悪魔は見えないし、戦う話も聞いたことないな」

「悪魔がいるの? USS級って?」

「悪魔のことは学校でも習うよ。ウルトラSS級って意味かな?」


 コズエが驚いて聞いてくる。タクトが答えた。俺も悪魔のことは気になっていたので、モーリアにある図書館で調べていた。モーリアには、国で一番大きな図書館がある。俺が説明する。


「悪魔は欲の深い人間に自然と寄ってくるけど、それは悪魔にとって強制的なんだ。それで自由になるために、願いを叶える手助けをする。その人間を倒す奴が来れば、自由になれるから喜ぶらしい」

「それは、味方にもなるということ?」

「結果的にそうなるのかな?」

「へ~。なんかおもしろいね」


 悪魔の杖は、悪魔が授けるんだろうか? それは書いてないな。効果は体力の半分で魔法が使えるとある。魔法使いじゃなくても魔法が使えるということか……。ふ~ん、悪魔の杖は初めて知った。その時、玄関ドアが開いた。


「ふ~、間に合った」

「お帰りなさいませ。ご主人様」

『え?』


 ということは、こいつがロドリゴ? すっかりカタログに夢中だった。受付の女性はすぐに連絡したんだな。やられた……。


(小さいおじさん来た)


 コズエは目線を低くしている。ロドリゴは俺と同じぐらいの身長で、丸い体格、頭はハゲて、ハンドルの口ひげを生やしている。50代後半ぐらいか。横の髪から地毛の黒髪が見えているので、金髪に染めているようだ。黒いスーツに光沢のある赤いネクタイ、紫ピンクのベストを着て手には杖を持っている。後ろには双子の、大きな顔でごつい大男の護衛がついていた。金髪で、赤い生地に金のアクセントのジャケットと白い、ぴったりしたズボンの制服を着ている。腰には剣を差していた。


「フリオン団のみなさん、我が城へようこそ!」

「どうも、お邪魔してます」


 そう言うのが精一杯だった。杖に紫の宝石が付いていた。——あれ? もしかして悪魔の杖? こいつ悪魔と契約してるのか!? 確かになんか禍々しい感じがするな。


「君たちの活躍は聞いているよ! 異世界人を連れているからだろ? 幸運のお守りだからね」


 コズエのことを知っているのか。そうだろうな。神殿に預けるつもりで旅をしていたから伝えてあるし、そこから話を聞いたんだろう。ロドリゴはコズエに話しかけた。


「どうだいコズエ、うちに来ないか?」

(割と友好的? それなら……)「えっと、じゃあ私だけ、1日泊まらせてもらってもいいですか? この建物のことを見学したくて」

((え?))


 コズエは両手を握ってニッコリと返事をした。俺は驚いたし、タクトもビクッとしていた。直球すぎでは? コズエはこっちを向いてウィンクした。う~ん……。


「もちろんいいとも! ずっといてくれてもいいよ」


 ロドリゴは手を広げて歓迎する。いいの? いやいや、ずっとのほうが狙いだろう。


「私はこの後、また出なくてはいけないから、他の者に案内させるよ。明日の午前中にはまた来るから」

「じゃあ俺たちも、明日の午前中にまた迎えに来ます」

「いいとも」


 それなら、ここはコズエに任せよう。俺たちは建物を出た。タクトが心配そうに俺に聞いてきた。


「コズエ大丈夫かな?」

「神様が付いてるからな。大丈夫だと思う」


 そう思うしかない。俺たちは塔を後にした。


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