短歌・詩 memento mori 作者: 囘囘靑 社会は私たちに吃(きつ)音(おん)でいるか 正義であるかを強いる きれい事は祭壇に祀(まつ)られ だれも交換することができない 「助けて」と言おうとするための ささやかな呼吸さえも 世の複雑さを前にして 傷だらけにされるのだ 理由は積み重なって 強度を増していく 自分のものではない体温を求めても 他者は許してはくれないだろう それでも他者を探すため 私は薬を飲み続ける 今日も私を監視してくれる 他者を探すために ****** 詩「memento mori」