ゆらぎ荘の幽奈さん〜幽奈クロニクル
幽奈クロニクル
湯ノ花幽奈についての考察
※この考察では「ゆらぎ荘の幽奈さん」1~24巻までのネタバレが含まれます
この考察では単行本での各所の証言などを根拠に、結局のところ、幽奈さんがどのような時系列を経て、過ごしていったのかを幽奈さん自身が回顧していくような形の考察となります。
自分なりに時系列を整理したかったというのもありますので、多少私のイメージによっているところや既知の点もあると思いますが、そこはご了承ください。
また、文中に振られている番号がある所は最後のあたりに注として詳細も書いているので、気になった方は見てみてください。
例 あいうえお¹(20)→1は注を、20は単行本の何巻に言及があるかの根拠を指します
皆さん、こんにちは。すでにご存知だと思いますが、私は、ゆらぎ荘の地縛霊、湯ノ花幽奈と申します。これから、私の生前の時から幽霊になった後、それらの経緯を振り返っていこうと思います!少々長い話になると思いますが…。
1 生前の私と私の未来について
幽奈)私の最初の記憶は、ゆらぎ荘の空き部屋204号室、あの部屋にいたところから¹(4巻)でして、仲居さんに部屋で寝ていたところを見つけて頂いてからはゆらぎ荘の住人として生活していくようになりました。しかし、どういうわけか、私には生前のころの記憶がなくて、どうやら忘れてしまっていたようです。湯ノ花幽奈という名前も、名前がないと不便だからという事で、ゆらぎ荘の女将さんにつけてもらったものでして…。もう長いご縁になるのですね…。
では、さっそく生前のころの私やその生まれ等について整理していきましょうか。
…私には、親代わりのような存在として白叡さんという方がいらっしゃいました。
この方は、宵ノ坂や八咫鋼などの御三家の一角である天狐、その始祖でもありました。
しかし…幻さんという最愛の一人娘の危篤を知り、ひどく悲しまれた事から、「餓爛洞の術」と呼ばれる術を応用するようになっていきました。
これは、あらゆるものから霊力を集めた塊のようなものを作る事ができる術であり、あらゆる霊魂を喰らうという特性も持っていたため、コントロールが難しい術でもありました。もとは、その強力なエネルギー故に強い悪霊を倒すための手段として構築されたものでもあったといいます。
白叡さんは、その術の副作用(餓爛洞-霊力の塊と生き物の内的なエネルギー-命とを融合させる事で、不老不死を可能にさせる)を利用し、幻さんをも不老不死にさせようと画策していました。
実際に、白叡さん自身はその術を用いてほぼ不老不死のような肉体を手に入れる事に成功しており、次はその術を他者も扱う事ができるように調整する必要がありました。
そこで、将来幻さんが扱えるようになる事を前提とした実験法を編み出しました。
それは、幻さんのクローンとして「幻龍斎」と名付けられた生体を作り、それを実験体として研究する…というものでした。²(15)
かく言う私自身も、白叡さんによって生み出された実験体の内の一人で七代目幻龍斎と呼ばれ、人並みとはいえないような扱いを受けながら日々を過ごしていました。
ですが、それでも…白叡さんは私にとって生みの親である事に変わりはなく、私自身も実験体として以外に生きる術も見いだせずにいました。
そんな時、私は流禅さんと出会いました。
流禅さん、彼女もまた生まれつき過去、現在、未来のすべてを見通せる、魔眼ラプラスという眼を持つ特殊な方であり、その強すぎる能力故に苦しんでもいましたが、白叡さんの力で能力を式神ヌースとの間で分散できるようにしてもらう事を通して救われた方の一人でもありました。
また、彼女はその能力を生かし、未来予知の能力も発展させていました。
その事から、私は流禅さんとの交流の中で沐浴や恋物語が好きな事を告げると、彼女は私に相性占いをしてくれました。そして、そこでコガラシさんと出会う未来がある事、私が死後も幽霊となって現世に留まる可能性がある事等を知る事ができたのです。³(23)
そして、実際に幽霊となる未来へと至った事で、こうして今もゆらぎ荘にいるわけですが…そもそもなぜ幽霊になるという未来を辿ったのか。それには、死後でもなお現世にいたいという強い思い、未練が必要となりました。
「私はゆらぎ荘の地縛霊、湯ノ花幽奈と申します。」ふふっ、懐かしいあいさつですね…。
当時はゆらぎ荘の温泉で女子高生が亡くなった等の噂が流れていた事などもあり⁴(7)私自身もゆらぎ荘の地縛霊だと思っていましたが、今となっては少し事実と違っていたようですね。
では、その未練とは何だったのでしょうか。
答えは、生前時に未来予測世界で体験した「ゆらぎ荘でのコガラシさんとの日々」でした。⁵(23)
実は生前時の流禅さんとの交流の中で、未来予測の世界線を夢として体験するという事も可能だと教えて頂き、私はその夢の中でコガラシさんとの出会いやゆらぎ荘での日々を実体験していたのです。
そして、そうした未来の日々を実際に体験したい、いわば幽霊になり現世に留まるために、幽霊になりたい…そんな未練を抱えるようになったのでした。
そんなわけで、実はゆらぎ荘の地縛霊というよりも、私自身の未練の関係上でゆらぎ荘から離れがたいようになっていたのかもしれませんね…。
しかし、この時点ではまだ謎がありますよね。
なぜ、私が幽霊になってからの記憶には幻龍斎としての記憶が残っていなかったのでしょう。実は、幽奈としての私が覚えていなかっただけで、私が幽霊としてゆらぎ荘に初めて現れた時は幻龍斎としての記憶がありました。⁶(24)
しかし、私は生前の未来予測世界(夢)の中で、同じように幻龍斎としての記憶を保持したまま生活していると、コガラシさんとの出会いや少しの日々で未練が晴れてしまい、早く成仏してしまうという事が分かっていました。そのため、幻龍斎だった私はゆらぎ荘に現れてすぐ、自身の幻龍斎としての記憶を封じたのです。⁷(4)
その後、私はゆらぎ荘の空き部屋、204号室で寝ていたところを仲居さんに見つけていただき、湯ノ花幽奈という名前も頂き、私のゆらぎ荘での日々が始まりました。
ゆらぎ荘の人達に関しても、私がゆらぎ荘に来た頃には仲居さんと二人でしたが、後に夜々さん等も来て、だんだんと賑やかになっていきましたね。
そして、私がゆらぎ荘に来てから16年程経った頃⁸(7)…私は亡くなった時の、女子高生くらいの見た目から変わっていなかったので、ようやく見た目に合うくらいの幽霊歴を重ねた年齢にもなった頃でしたね。
ゆらぎ荘に冬空コガラシさんが来て、204号室で同棲する事になりました。それからは、雨野狭霧さんや雲雀さん、こゆずさん、千紗希さん、かるらさんやマトラさんとも出会い、様々な経験や恋愛のライバルとしても皆さんと切磋琢磨してきました。
2 荒覇吐(宵ノ坂)呑子さんとの出会いとその秘密
しかしながら、ゆらぎ荘に私や仲居さん、コガラシさん関連で宮崎千紗希さんやこゆずさんが来る事までは分かりますが、なぜ宵ノ坂家の長女でもあった荒覇吐呑子さんや誅魔忍の雨野狭霧さん、雲雀さんまでもが訪れる必要があったのでしょうか。
少し私たちの日々を思い出しながら、考えてみましょう。
私が幽奈としてゆらぎ荘に来て最初の内は、コガラシさんが龍河家の方との戦闘に巻き込まれたり、かるらさん達に誘拐されたり…色々な事がありましたよね。
そうそう、狭霧さんは確か御三家の一角、宵ノ坂の血を引く呑子さんを監視するためにゆらぎ荘に来たんでしたね。確か、コガラシさんとは同い年で初めてゆらぎ荘に来たのは…2年前の14歳くらいの頃でした。⁹(10)
そうなると、あとは呑子さんがなぜゆらぎ荘にきたか、いつ来たか…ですか。
狭霧さんの話だと、狭霧さんが中学二年生でゆらぎ荘に来た時には、すでに酔っぱらった状態の呑子さんがいたそうで…。実は、そのあたりの話は天狐の雪崩さん達が来た時のお話からより深く理解する事ができます。あの時は雪崩さん達の策によって私たちは各々、当時の年齢から3分の1歳くらい若返ってしまっていました。¹⁰(18)
そこから、コガラシさん達が17歳の時に呑子さんが24歳だった事が分かり、また、呑子さんも若返りの影響を受けた際は16歳になっていて、まだ力もさほど強くなる前だったといいます。しかし、呑子さんの弟的な存在だった宵ノ坂酌人さんによると、ちょうど16歳辺りのある時から急に強くなったとも言われていました。
そうした一連の流れについての答えは、呑子さんが16歳の時に暗殺されそうになった事件が関わっていたようです…。¹¹(2)
若返った呑子さんは、過去の自分に何があったのかを探るため、かつて殺されそうになったという場所に行き、かるらさんの使いであるスズツキさんの「宿命通」という過去の記憶を再生する術により当時の状況を確認され…
そこでは確かに、呑子さんは瀕死の状態で倒れていましたが、その時一緒にいたのは幻龍斎としての私でした。
その後、呑子さんの若返りの術が解けますが、呑子さんは「今見た事については秘密」と詳細を語ろうとしていませんでした。¹²(19)
…ここで、また一つ私についての秘密が明らかになりましたね。
そう、実はゆらぎ荘に呑子さんが訪れたのは、私-幻龍斎が呑子さんに介入した事が関連していました。
呑子さんは、純粋な宵ノ坂からの生まれではなく、荒覇吐家と宵ノ坂家の間に生まれ、養子として宵ノ坂に受け入れられていたという出自がありました。
そうした事もあり、生来は強大な力を持って生まれてきたのですが、それ故にその力の脅威を封じるための封印術も同時にかけられていたのです。呑子さんが暗殺されたという件に関しても、成長していく度に力を強めていく呑子さんを良く思わなかった、当時の宵ノ坂家の当主-宵ノ坂醸之介による策略でした。¹³(24)
そこから整理すると、呑子さんが瀕死の時に私が一緒にいた事も理由がありまして…私は呑子さんにかけられていた本来の実力を封じていた術を解除しようとしていたんです。
それなら、なぜ呑子さんが瀕死になる前に封印を解かなかったのかという疑問もあると思いますが、それは襲撃に合う前に接触を試みても信じてもらえず、うまくいかない事が未来予測の過程で分かっていたからです。
さて、ここまで呑子さんについて色々と話してきましたが、そもそもなぜ私が呑子さんと接触しようとしたのかという疑問がまだ残っていますね。
これについては、魔境院逢牙さんの存在が深く関わってきます。
3 魔境院逢牙さんと餓爛洞について
逢牙さんは御三家の一角でもある、八咫鋼の末裔とされる方で後のコガラシさんの師匠となる方でもありました。
コガラシさん達が生まれる100年ほど前に帝都に出現した餓爛洞の討伐に関連して命を落としてしまうのですが、その後も悪霊退治のため現世に留まり、コガラシさんにも修行をつけた…とのことでした。
…皆さん、疑問に感じたでしょうか。餓爛洞…、これは冒頭で説明したようにいわば、私-幻龍斎が術の施行者となる事からほとんど同体のようなものでした。そして、100年近く前に逢牙さんが対峙した餓爛洞は2代目の幻龍斎が餓爛洞の術を制御しきれず、暴発した結果として発生したものでした。¹⁴(15)その後も再び餓爛洞の存在が月の裏にて発見された際も、逢牙さんと修行をつけてもらったコガラシさん(14歳の時)が倒した事で解決していました。
この時、2度目に発生した餓爛洞は本体の霊力貯蔵庫だったとされています。通常、悪霊レベルの霊が発生した際には、人魂などをいくつかまとっている事が多いのですが、今回は餓爛洞そのものが霊力の塊である事から、見た目が本体とほぼ変わらなかった事や本体レベルの大きさまで成長していた事もあり、より気づきずらいところもあったのでしょう。
しかし、そうしたことから最初にゆらぎ荘に尋ねた時の逢牙さんは、二回目の餓爛洞が霊力貯蔵庫であったなら、まだ本体が地上にいると勘違いしてしまっていたのです。¹⁵(14)
というのは、私の推測ですが2度目に発生した霊力貯蔵庫としての餓爛洞は、100年前の過去に現れた餓爛洞本体に対するものだったんじゃないかと思うんです。
そもそも、逢牙さんが成仏できなかった理由には、消滅したものが通るはずの餓爛洞の魂が三途の川を通っていなかった事からコガラシさんが倒したのは貯蔵庫の方で、本体はまだ死んでいないと気づいたからでした。¹⁶(14)
ですが、そもそも倒したのは霊力の塊としての餓爛洞なので、霊力が離散するだけで魂も何もあるはずがなく、魂があるのはどちらかといえば本体の方だと思います。それに霊力貯蔵庫は本体があってこそ生まれるものだと考えられていますし…。まぁ地球に向かっていたという事から白叡さんがさらなる霊力を増やすために仕組んでいた可能性もありますね。
えっと話を戻しますが、この事は生前、幻龍斎としての私が未来予測世界を見ていた時に、直面した最初の危機でもありました。つまり、逢牙さんは霊波紋が餓爛洞と一致するものが餓爛洞の本体だと思っており、そうなると術を行使した幻龍斎としての私と波紋は一致する事になります。そして幻龍斎とはいわば幽奈になってからの私の事でもあるので、当然、霊波紋も私と一致してしまうというわけです。
そうした事から、逢牙さんは幽奈としての私の事を餓爛洞の本体だと考え、私の存在を消そうとしていました…。
未来予測世界でもそうした未来を予測し、様々な行動を変えて説得に試みましたが、どうしても逢牙さんの誤解は解けず、私を消そうとし、コガラシさんは何があっても私を守ろうと身代わりになり、消滅してしまう…そんな未来から抜け出せずにいました。
しかし、そんな中で見つけた唯一の解決法が呑子さんの存在だったのです。
呑子さんには御三家の宵ノ坂という超越者級の力、その中でも封印を解けば当代一の実力を持つ可能性がある方だと分かり、私はそこに懸ける事にしたのです。
そして、これまでの未来では呑子さんは暗殺の策略により、亡くなってしまっていた事を知り、後々は逢牙さんへの戦力として共闘してもらうために、私は瀕死の呑子さんを助け、ゆらぎ荘へ来るように勧誘した…というわけです。
当時、私はすでに湯ノ花幽奈として過ごしていましたが、幽霊になった時の幻龍斎さんは予めこの時だけは幻龍斎の記憶の封印が解除されるよう設定した上で自身に封印術を施していたようです。¹⁷(24)
呑子さんが一時的に若返った時に幻龍斎としての私について秘密にしてくれていた事や実際に逢牙さんと戦闘するという時に初対面かのように振る舞っていたのは、幻龍斎としての側面を持つ私の事をなんとなく知った上で隠していてくれようとしたから…なんでしょうね。
以上が、なぜ呑子さんがゆらぎ荘に来ることになったかという事の全貌です。
幻龍斎としての私が呑子さんに施されていた封印も解き、ゆらぎ荘へと勧誘したあの日から…呑子さん自身も、自分のやりたい事をしたいと思うようになり、自ら宵ノ坂の家を飛び出し、好きな事をやるようになったようで…実際にあれから5年程たってからゆらぎ荘にも来て頂けました。¹⁸(24・2)そして、その頃は私も湯ノ花幽奈としてゆらぎ荘にいましたが、細かい事情については黙っていてくれていたようです。もう私自身も幻龍斎としての生前の記憶は封じてしまっていましたからね…。
ちなみに、実際に逢牙さんとはコガラシさん達が17歳-高校二年生の時に少し衝突しましたが、呑子さんの存在もあり、無事和解する事ができました。
また、あの戦いがあったおかげで私も幻龍斎としての頃の術に関する記憶だけは思い出す事ができ、今の幽奈としての私でも幻龍斎さんの時の天狐の力が使えるようにもなれました。
またここまでの経験から、皆さん、かなり戦闘に関する腕も上がり、呑子さんは最大お酒千升分まで霊力として換算できるように、雲雀さんは真の霊装結界、千紗希さんは霊力の向上で霊体の姿でも見られるように…、また、夜々さんの猫神様はニャンガさんというより強い猫さんに憑依してもらう事で超越者級の力を扱えるようにもなりました。
その後、呑子さんの弟分にあたる方-宵ノ坂酌人さんとの戦闘もあり、そこでは狭霧さんが誅魔忍でありながらも御三家の宵ノ坂を破ってしまった、強力な技「雨滴穿石」を生み出し、扱う事ができるようにもなりました。
4 流禅さんについて
このように皆さんかなりパワーアップされた事もあり、しばらくは安泰だったのですが…。
私たちが高校二年生となり、修学旅行に行っている最中、再び危機が訪れます。
以前やられた事を恨んでいた宵ノ坂酌人さんが、対象の霊力や感知力をなくす効果を持つ、特殊な水晶を用いてコガラシさんが霊力を扱えないようにしようとしたのです。
もしそうなってしまっていたら、コガラシさんは私の姿も見れなくなってしまい、私も自身の思いをうまく伝えられないままだったのかもしれません…。
ですが、この事態はたまたま出会った流禅さんと、そこで宮崎千紗希さんが見て下さった予知夢のお蔭で、無事回避する事ができました。
流禅さん…、彼女は私が幻龍斎として現世に生きていた頃の晩年から付き合いがあり、私の最後を見送ってくださったのも彼女でしたね。私が湯ノ花幽奈となってから、コガラシさんと二回目のデートに行った時もたまたま入った占い屋で会う事ができ、あの時は相性占いや記憶を失っていた私の過去について少し探って頂きました。思えば、流禅さんは、生前の時からの私をずっと知っているという事になりますので、もしかしてデート中に出会った事も私の未来に何らかの影響を与えるための予知された行動…だったのでしょうか。
実際、今回の修学旅行の時も本来なら、私たちは神社におみくじを買いに来て、そのまま宿に帰るという未来があったはずで、その未来ではコガラシさんが水晶体の罠にはまる事に気が付かないままになっていたでしょう。
しかし、神社に行ってみると確かにくじ引きはありましたが、少々混んでいた事からどうしようかと思っている時、占い屋さんを見つけ、やはりそこには流禅さんがいました。
そして、見たい夢を見せる事ができるかもしれないという名目で千紗希さんに予知夢を見せる事で、コガラシさんの危機についてあらかじめ知る事ができました。¹⁹(17)
そう考えると、生前の私が望んでいたように私とコガラシさんが互いに辛い終わり方にならないようにいろいろと介入して下さっていたのかもしれませんね…。
しかしながら、「とある未来」の予知夢に関して、夢といっても千紗希さんは10年ほどの時間をコガラシさんと付き合う世界線で生き、無理に終了されるという悲痛な体験をする事にもなりました。
コガラシさんに危機を伝えるだけなら、わざわざ千紗希さんに予知夢を見せずとも、教えていただければよかったのに…なぜ、そうする必要があったのでしょうか。
私が思うに、あえて予知夢を見せた事はみなさんの告白への気持ちに踏ん切りをつけさせる意図があったように思いました。ここまでの流れがあったからこそ、雲雀さんや狭霧さん、そして千紗希さん自身もコガラシさんに告白する事が出来たのだと感じますし…もちろん、私自身も。
千紗希さんの予知夢から、私についても記憶の封印が完全に解けた瞬間に成仏してしまうという事が分かりました。
そして、実際に夢の中で生前のころの記憶が出てくるようになり、封印が解け始めている事を実感する事ができたからこそ、私もコガラシさんに告白する事が出来たのだと思うんです。
しかし、改めて考えると、流禅さんはなぜ皆さんに告白を促すような未来へと進ませようとしたのでしょうか。確かに、皆がコガラシさんを好きならみんな告白の機会があった方がいいとは思いますが…何か流禅さんにとっての利点があったのでしょうか。
…実は、この事こそがゆらぎ荘に訪れた最後して最大の危機を解決するために欠かせない事でした…!
5 最後の危機~宵ノ坂醸之介編
それは私がコガラシさんに告白した翌日の事でした。
唐突にコガラシさんの護身用に張っていた結界が破られ、外に出てみるとそこにはコガラシさんと霊体になったコガラシさんが二人…!!
これは、宵ノ坂酌人の父であり、かつての当主、宵ノ坂醸之介が私たちへの一方的な怨恨から起こした事であり、なんと禁術を用いてコガラシさんの肉体と自身の魂を融合させ、憑依のような状態にしてしまったのです。
彼はさらに鍛え上げた自身の力と強靭なコガラシさんの肉体をもってして、私たちを消そうとしました。…万事休す…という時、やはりコガラシさんは例えご自身の肉体だとしても、私たちを守るためにためらいなく、渾身の一撃を打ち込みました。それにより、一時的にダメージは与えたものの、コガラシさんの霊体としての体は霊力を使い果たし、瓦解していきました…私はまず瓦解を止めるためにわずかな霊子を結界に閉じ込め、なんとか復活させようとしましたが…そこに現れたのが、流禅さんでした。
そして、彼女は式神のヌースを用いた特殊な術を展開し、その場にいた皆を眠らせます。
彼女がしようとしていた事は、まず憑依の作用の応用を用いてコガラシさんのわずかに残った霊力を回復させるという事でした。憑依には本来強い信頼関係が必要…ですが、その応用であるこの術にはさらに強い関係…恋愛関係が必要。しかし、現時点でコガラシさんと結ばれた人はまだいない…そこに、皆さんを眠らせた意図があります。
つまり、流禅さんの夢の中で未来予知世界を見せる能力を駆使する事で、各々コガラシさんと結ばれた未来を過ごし、恋愛関係を進展させる事でより上位の憑依関係を実現させる。そして、その未来のコガラシさんの情報から、破損したコガラシさんの記憶と霊魂情報を補完するというものでした。そのため、コガラシさんに好意を持っていた方であり、実際に結ばれる可能性がある者として選ばれた…雲雀さん、狭霧さん、千紗希さん、朧さん、かるらさん、そして私の6人が対象となったのでした。夢である以上、後々が辛い事でもありましたが…。
また、その間はこゆずさんやマトラさん達が悪鬼の果てとなり、暴走する宵ノ坂醸之介さんを食い止めて下さり、私自身もその夢の中で過去の自分と向き合い、封じていた記憶をすべて思い出す事ができました。
そうして、無事コガラシさんも魂の依り代となる霊体を取り戻し、狭霧さんや朧さんと協力して、醸之介さんの魂と分離させ、コガラシさんの肉体を取り戻す事にも成功しました。
宵ノ坂醸之介さんによる最大の危機は、コガラシさんの一撃で終焉を迎え、なんとか危機を乗り越える事ができたのでした…。
未来予測ができる流禅さんに対しては、そもそも宵ノ坂醸之介さんが禁術を得る事を防げばよかったのでは等、思う所がありますが…おそらく、それもさらに先を考えてゆらぎ荘のみんなが欠ける事ない未来を歩むために必要な試練だった…という事ではないかなと私は思っています。
現に、最後にコガラシさんの肉体を取り戻すための過程ではみなさんが夢の中で修得した新たな力、朧さんの神速の共有能力や雲雀さんの究極の霊装結界の技術²⁰(22・23)等がなければ、成しえなかった未来だとも思いますし…。
6 エンディング
そして、物語の最後となりますが、ついにコガラシさんが誰を選ぶかという所になります。
千紗希さんの未来予知では、私も成仏し、みなさんも告白したものの皆振られてしまうという事でしたが…。
ゆっくり答えを…と思いましたが、どうやら私の成仏の方が先に来てしまい、コガラシさんはそこで、皆さんに答えを聞かせてくれました…。
流禅さんの術で眠っていた時のみなさん一人一人と付き合っていたという記憶も持っていたため、複雑な心境だったと思いますが…それでも、私を選んでくださいました、好きだといってくれました…。そして、私が生前からコガラシさんを救うための道を探し続けてきた事と同じように、コガラシさんも皆さんと付き合う事になる未来で何度も私の成仏を見送る内に、私を現世に留めさせる方法はないか…探って下さっていました。
コガラシさんの霊媒体質を利用し、未練が晴れた事による成仏への道に暴走を起こし、一時的に成仏を滞らせる事。
そして私にもっとこの世にいたいと…未練はまだまだ晴れそうにない…と、コガラシさんはそう思わせてくれました。
そこまでして頂いて、未練が消える…なんて…私もできませんでした。
こうして、私はその後もゆらぎ荘で生活し、働き続ける事を決め、コガラシさんとも結婚する事ができました。
もちろん、いつかは成仏しなきゃいけないとは思っていますが、コガラシさん達がそばにいると言ってくださっている以上は、できる限りご一緒したいと思っています…。
さて、かつて朧さんが、皆さんが大奥となる選択肢以外の結末は何があるかを思索した際の結論には、皆が納得できる人…この人ならコガラシさんと結びついても許せるとみんなが思える人を認める事にする²¹(18)という事がありました。今までは幽霊である私なんかが誰かを好きになる、ましてや結婚なんてと…そう思ってきましたが、皆さんが私を信じ、認めて下さった以上、私は自身をもってこの先も生きていきたいと思います…!コガラシさんと一緒に…。
さて、長いお話でしたが、ここまで見て下さりありがとうございました。
ここまでが、私-幻龍斎(7代目)-湯ノ花幽奈の全てとなります。
思えば、『ゆらぎ荘の幽奈さん』のお話も、私が自身の存在を消してしまった瞬間から始まりますね、湯煙のように消えていく…²²(1)と。
しかし、これはいうならば0地点で、始まりのための無数の可能性に過ぎないものです。時間は前にしか進みません。
たくさんの幸せを感じることのできる未来は、1から、これから始まっていきました。
私がゆらぎ荘の住人として過ごし始めた時も、生前の記憶を失っていたからこそ、湯ノ花幽奈というかたちで、私の好きなように生きられる人生を歩む事ができたのかもと考えると、なんだか第二の人生を歩んだようにも感じますね…。
幽霊になった事から、自由に生きる人生を体験できた…なんて少し変でしょうか。
でも、だからこそ多くの方と交流を深め、皆さんの存在があったからこそ、コガラシさんを救う事ができ、私もコガラシさんと…自分の気持ちと、きちんと向き合う事が出来たのだと思います。
またいつか…少し恥ずかしい面もありますが、私の-私達のお話を読みたくなった時は、ぜひゆらぎ荘に訪れてくださいね。色々な発見もあるかもしれませんよ!
完
参考にしたデータ(個人の収集なので誤りもあるかも)
注
1 ゆらぎ荘の幽奈さん4巻 「ゆらぎ荘の前の幽奈さん」にて記述あり 部屋で布団を敷いて寝ている姿で見つかり、この時はすでに生前の記憶を失っていた。
2 15巻-「黒幕現る!?」の内容と23巻-「幽奈さん、思い出す」にそうした記述がある。
3 23巻-「幽奈さん、思い出す」
4 7巻-「生きてたころの幽奈さん」にて流禅さんが言及している。
5 23巻-「幽奈さん、思い出す」ラストに記述あり。
6 24巻-「湯ノ花幽奈」幻龍斎(後の幽奈)は生前の未来予測世界でのつらい未来はそもそも自分がそんな未来について知らなければ、何も起こらない。
自分はただ成仏するだけでゆらぎ荘の皆も、コガラシも苦しまずに済むと、今際の際に自身が見た未来の夢に関するすべての記憶を消すように、流禅さんに頼む。しかし、流禅さんは幽奈にもそんな辛い思いはしてほしくなかったため、逆に自分の存在を消したらすべて丸く収まるという未来を見た記憶を消去した。それにより、幻龍斎は未練を持ったままとなり、結果的に未来の夢で見た通り、ゆらぎ荘の幽霊として現世に留まる事となった。これは、幻龍斎としての記憶がまだあるまま、ゆらぎ荘に来た時の描写が布団も敷いていない状態で、204号室に現れていた点から理解できる。
7 4巻-「ゆらぎ荘の前の幽奈さん」ここから、幽奈が生前の記憶を失っていた事を確認できる。
8 7巻-「生きてたころの幽奈さん」16年前にすでに幽奈として存在していた事から、少なくとも幻龍斎-幽奈が当時16年以上現世に留まっていたと分かる。
9 10巻-「狭霧ちゃんの思い出」ここから狭霧がゆらぎ荘に来たのが、呑子を監視するためという事や中二のころに来た事が分かる。
10 18巻-「みんな、ちっちゃくなる」雪崩による策だった。
11 2巻-「修羅場の呑子さん」昔、まだ任務に従事していたころ、少しヘマして死にそうになったことがあると発言がある。これは恐らく、暗殺のため手向けられた妖怪によるものだと考えられる。
12 19巻-「元に戻ったゆらぎ荘」にて、記憶も体も16歳に若返った呑子が、自身が暗殺された状況を確認しようとするときの描写がある。
13 24巻-「幻龍斎さん、繰り返す」
14 15巻-「黒幕現る!?」ここから、二代目幻龍斎などの背景が確認できる。
15 14巻-「逢牙さんの心残り」幽奈を餓爛洞と勘違いしていると分かる。
16 14巻-「逢牙さんの心残り」
17 24巻-「湯ノ花幽奈」死後、現実としてゆらぎ荘に幽霊として現れた時の幻龍斎は封印を解く時は吞子さんを助ける時だけとして自身に封印をかけている。
ちなみになぜ「だけ」と限定しているように捉えたかというと、仮に普段は幽奈だが、幻龍斎側が任意で入れ替わる事が常に可能だったとしたら、逢牙との戦闘でわざわざ白叡に封印を解いてもらわなければならなかった事の説明がつかない。そのため、私は特定の瞬間だけは封印を緩めるように設定した上で封印術を仕込んだと考えた。
18 24巻-「幻龍斎さん、繰り返す」ここで、幽奈(幻龍斎)が瀕死の吞子を助けた後、しばらくしてからゆらぎ荘の住人になってくれたとある。その後は2巻-「修羅場の呑子さん」を参考にすると、恐らく助けられた後の呑子さんは宵ノ坂の家を飛び出し、自由にやりたい事をやって生きるようになった。漫画家としても。温泉好きだった事や温泉宿から下宿にゆらぎ荘がなっていた事もあり、ゆらぎ荘に来る事を決めてくれたのかもしれない。
19 17巻-「とある未来の(白いワイシャツと)千紗希さん」
20 22巻-「数年後のゆらぎ荘」 23巻-「数年後の雲雀ちゃん」
21 18巻-「朧さん、提案する」
22 1巻-「ゆらぎ荘の幽奈さん」
各々の未来への分岐点
・雨野狭霧→宵ノ坂醸之介の一件の後、幽奈も成仏し、その後は狭霧と共に誅魔忍の任務に勤しむ日々を過ごしていく内にコガラシも狭霧に惹かれて行ったという感じか。
・雨野雲雀→宵ノ坂醸之介の一件の後、幽奈も成仏し、流禅の介入により霊装結界の術式が海外の超越者たちにも伝えられる。そして、そうした海外からの強い戦力に対して備えるため、狭霧は必要ならば殺人もいとわない世界レベルの組織「黒衣機関」に入る事となり、本来の狭霧と結ばれる未来が消えた。そして、当然、誅魔忍の任務では雲雀といる時間が長くなり、それは幽奈を失ったコガラシにとっての大きな支えともなっていた。そうした流れから、コガラシは雲雀に好意を寄せるようになる。
・宮崎千紗希→修学旅行時にあった宵ノ坂酌人の策、これは本来コガラシや幽奈たちが気づくことができないものであり、本来たどるはずの未来でもあった。
この未来では、コガラシが霊能力を失った事で幽奈が見えなくなり、幽奈はコガラシを助ける方法を探ろうとし、自身の記憶を解いていく上ですべての記憶を思い出してしまい、成仏する。その後は御三家の内の天狐の主要人物がいなくなったことでパワーバランスが崩壊し、コガラシは御三家内の戦争に巻き込まれ、摩耗していった。そして、そうした状況では同じく霊能力に長けていなかった千紗希が介護するなど、必然的に仲が近くなっていき、二人は付き合う事となる。
・朧→宵ノ坂醸之介の一件の後、ついに幽奈も成仏したという時、流禅さんはゆらぎ荘の女将さんのコレクションとして知られる異界への腕輪を配置し、コガラシが蔵の掃除中に触れ、中に閉じ込められるよう仕組んだ。それにより、コガラシは異界のダンジョン内を探索する事となり、脱出できたのは少なくとも4年以上たってからだった。そして、その後の宴会の片づけというイベントを発生させ、そこで朧が神速の共有を発動させる。
それにより、二人は必然的に共に過ごさざるを得なくなり、二人の仲は縮まる。
・かるら→宵ノ坂醸之介の一件の後、ついに幽奈も成仏したという時、流禅は宇宙のかなたにいた地球外妖怪に地球の存在を知らせ、地球にあまたの未知妖怪たちが来るように仕込んだ。おそらく、地球外妖怪レベルの危機に対応できるのは誅魔忍のレベルを超えた超越者級の者たちに限られる。呑子さんやマトラのように。故に、それほどの力を持っていたかるらとコガラシは共に過ごす時間が多くなり、結ばれる未来ができた。
・湯ノ花幽奈→修学旅行時にあった宵ノ坂酌人の策に気づき、コガラシが霊力を失うという本来の未来を回避できた。後に、宵ノ坂醸之介に襲われる事件も起きるが、流禅による助けやゆらぎ荘の皆の援助により、コガラシを救う事に成功し、また皆が夢の中でコガラシにしっかりお別れを言い、自ら身を引いた、幽奈をコガラシの恋人と認めた未来となったからこそ、幽奈は成仏せずに-コガラシは消滅する事なく、二人は付き合う事ができたのである。
ここまで見ていくと、やはりコガラシと結びつくことができるのはただ一人で、誰かが付き合う未来は、他の誰かがコガラシと付き合えていた可能性を変えてしまう事なのだとしみじみ感じますね。また、幽奈以外の5人が結ばれる未来で、コガラシがそれぞれと付き合う事になる根本には幽奈がいなくなってからの支えとしてどうであったかが常にあったような気がします。その点からは、いかに幽奈とコガラシが様々な障害で離れうる運命にあったとしても、同じように二人が離れられないという未来もまた何か運命的なものがあったように思える。ゆらぎ荘の幽奈さん、深い…
時系列データ
(個人調べ、また分かりやすくするためコガラシの生まれ年を2000年とした上で考えた。個々のデータはあくまで目安です。ちなみに2000年代を基軸にしたのは17巻の「とある未来の千紗希さん」の話から東京が舞台になっている事や2012年に完成したスカイツリーが登場している事等が見受けられたため、決めました。)
2021 23・24巻で皆が見ていた未来の夢での年代 推定21歳
2020
2019
2018 コガラシと幽奈、結ばれる
2017 高2 コガラシと幽奈、幾度も危機を乗り越える
2016 高1 コガラシと幽奈出会う 幽奈の年齢は生前の最後の時と変わりなし。呑子23歳
2015 中3 東西の大決戦、コガラシはその仲裁に入る
2014 中2 二回目餓爛洞の出現、コガラシと師匠討伐へ、呑子さんはこの年からゆらぎ荘に住み始める、それに従って狭霧もこの年にゆらぎ荘へ 呑子さん21歳
2013 中1 コガラシ、師匠と出会う
2012
2011
2010
2009呑子さん16、暗殺されかける→幽奈は一時的に幻龍斎となり助ける
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000 11月7日 コガラシ生まれる、幽奈も幽霊としての記憶始まり地点
2000 11/7幽奈さん、16歳くらいの年齢で亡くなる? 当時、流禅さん11歳くらいか
1993 呑子さん、生まれた?
1984 2000年から16年前 幽奈、実験体 複製隊として生まれるか (7代目)
1965~1981 六代目
1948~1964 五代目
1931~1947 四代目
1915~1931 三代目
1914 餓爛洞出現 帝都 二代目幻龍斎の力の暴走が原因か
1899~1914くらい二代目
1882(生)~1898(死) 幻龍斎1代目か?
・ゆらぎ荘に来た順番(主要人物)
女将さん→仲居さん→幽奈→呑子さん→狭霧→夜々→コガラシ→ちさき、こゆず→朧→雲雀→かるら、マトラ
・だいたいの単行本ごとの概要
1巻 幽奈との出会い
2 千紗希との出会い、朧との出会い
3 臨海学校編
4 幽奈の記憶無い事が発覚、雲雀登場
5 ハロウィンや文化祭
6 恋心発覚、流禅さんとの顔合わせ(流禅さんは知らないふりをしていたか)
7 クリスマス、かるら登場
8 バレンタイン
9 ホワイトデー
10 狭霧がゆらぎ荘に来た頃の話あり
11 水遊びとか
12 龍雅家のリベンジ
13 幽奈さんが見えない事件(後の伏線だった)
14 逢牙と出会う、幽奈が天狐のころの力を思い出す
15 千紗希が幽奈も見られるようになる
16 狭霧vs酌人
17 修学旅行 千紗希が未来を見る
18 雪崩到来、皆ちっちゃくなる
19 霊媒体質の過去が明らかに
20 秋の運動会
21 ハロウィン
22 宵ノ坂醸之介と対決
23 それぞれが未来を見る、幽奈も過去を思い出す
24 醸之介を倒し、コガラシと幽奈が結ばれる-End