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第3話:街への帰還。

「変化し過ぎでしょ!」

 近くに水溜まりがあったので水面(みなも)に映る。自分の姿をみて更に叫ぶ。

 服装や武器の変化には気付いたが、顔までは見れなかったので見てみると両目黒目だったのが右目だけ碧眼へと変わり、髪は白のムッシュが所々に散らばっているような感じになっていた。そして頭にはクラウンがちょこんと乗っていた。

 スキル《神覇纏装(しんはてんそう)》により、見た目だけが変更されたわけではなく、ステータスも変化している。ステータスが2倍になったヒビキのステータスはこんな感じである。数値だけが2倍になっているのでスキルや耐性は変わっていない。


【ヒビキ】Lv:1[女性]〈職業:剣士〉

〔状態:神覇纏装〕

称号:《機械仕掛之神(デウス・エクス・マキナ)


《ステータス》(最大値)

HP21000(21000) MP4000(6000) SP 100(200)

・攻撃力20040  ・防御力12040

・魔法攻撃力18040 ・魔法防御力12040

・移動速度2080  ・運1040


 と、なる。数値がニ倍になると、現在の数値から二倍した数値に変化するようになっている為、

「MPを1000消費して変化したから今はMP4000、SPは50消費からの二倍だからSP100…あれ?これ《神覇》条件達成してない?………これ以上変化するのかな?」

 少し怖い反面、大きな好奇心があった。

「……しn!」

 ピロンと、メールが届いた音がした。ゲームにはフレンド登録してる人は居ないので、恐らくインターネットを使用したメールの方に連絡が来たのだろう。

『スキルを使うつもりだったのに誰だろう…あ、そうだった!!』

 メールにはただ一文。

〔ヒビキさん、今どこにいるのですか?まさか、先に行ってたりしてないですよね?〕

 ゲームをやるというワクワクが強すぎていて忘れていた。のほほんとしたゲームが好きな響希は、この手のRPGに自発的にはやらない。やるとするなら大抵は身近な人などから誘われてやるだろう。響希も例外ではない。実は響希自身も友にやろうと誘われてやり始めたのだ。そして、始めたら最初の街で会おうと約束していたのだ。

 それなのに、話を忘れて洞穴に来てしまっていたのだ。

「………ここから出なきゃ…!でもなんかスキル………あった…」

 ここから脱出するスキルを探すと簡単に見つかった。装備についていたスキル《空中歩行》だ。


《空中歩行》

消費MP:50

・透明な足場を設置し、その場に留まれる。およそ10秒間展開される。


 響希は真っ直ぐ垂直に跳び、1番高い所で足場を設置し、再び跳ぶ。それを繰り返すこと2分後。

「つ、着いた…はやく、い…なきゃ…」

 息をきらしているものの、街へ向かって走り出す。すると、この洞穴に向かった時よりも速く走っていた。

「はっやいはやい!これならすぐ行ける…あ、《神覇纏装》解いてないや!《神覇纏装》解除!」

 服装も元に戻ったことを確認すると走り出す。出来るだけ早く帰るために!



 街では普通に違和感のあるメイド服を身にまとい、長い藍色の髪の隻眼プレイヤーが噴水で誰かを待つ姿があった…響希の知り合い…紅葉(もみじ)こと【フォル】。

「全く…何処をほっつき歩いているのでしょう、響希は…」

「あ〜!いたいた!」

「えっ…と………貴方誰ですか…」

 話をして来たのは中性的な顔立ちをしたプレイヤー。しかし声は女子の声で、女性か男性か分かりずらい………中性レアアバターだろう。

「ん?あぁ…私だよ、響希だよ?……紅葉、現実(あっち)と同じメイド服なんだね!ゲームと現実(あっち)とは容姿も少し似てるし、似合ってる!」

「え、えぇっ!?響希ッ!?随分とまぁカッコイイアバターですね…」

「うん…ボクもビックリしたよ」

「それはそうと…貴方、装備変わっているように見えるのですが…まさか、ダンジョンに行ったのですか!?」

 ヒビキは目をそらすも観念して正直に答える。

「………行きました。でも、面白いことがあったよ」

 不服ながらも、わかりましたとため息混じりに言う紅葉。

「ひとまずフレンド登録しましょうか。コレでパーティ組めますしね…………響希、こっちの世界でもリアルネーム登録なんですか…」

「うん…紅葉はフォル…ね。了解、これから宜しくね!フォル!」

「もちろんですとも!」

 このゲームでのフレンド登録は簡単だ。握手を交わし、フレンドコインという特殊アイテムを握手の時に相手に渡すだけだ。

 2人は手持ちの20枚のうちの1枚のコインを持って握手をし、相手のコインを持ったまま握手をやめる。すると、通知がなり、無事登録がすんだことが示されていた。

「コインは相手がフレンド解除したら自動で消え、相手が持っている自身のコインが戻るので安心して下さいね」

「ふふ、知ってるよ!」

 2人は笑いあった。


 この2人は実に仲のいい幼馴染なのである。

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