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すれ違う私と彼の気持ちを引き留めるための赤い糸。

作者: 七瀬







私と彼は“倦怠期”に入っていた。

彼と付き合って5年。

付き合いはじめの新鮮な気持ちは、既になくなっていた。

彼と一緒に居れば、【ケンカ】ばかりで。

彼の性格や仕草、良くないクセ、などなど嫌なところが見えてくる。

彼の存在を私が感じただけでイライラするようになっていた。

彼も私と同じだったと思う。

私の顔を見るなり、ケンカ腰に話してきていたからだ。

私たちは、もう“別れる寸前だった”

いつ別れてもいい関係。





・・・そんな時、彼から真剣な顔で提案される。



『俺達、このまま一緒にいたら? 別れてしまう! だから一度、

“距離を置いてみないか?” それで、他にお互い好きな人ができたら

別れてもいいと思う。和花はどう思う?』

『結人が、そういうならそれでもいいけど。』

『“期間は3ヶ月”3ヶ月間はお互い会う事はやめよう、よっぽどの

事がなければ会わないし連絡も取らない、お互い自由に誰と会ってもいい。』

『ただ、【浮気】したいだけじゃないの?』

『何言ってんだよ! お互いの気持ちを確かめるいい機会じゃないか!』

『・・・まあ、いいわ! どうせ、このまま付き合ってても別れるしか

ないんだし。』

『・・・・・・』

『じゃあー次会うのは、“11月9日だからね!”』

『あぁ! またな!』

『またね!』





 *




彼とは3ヶ月間、顔を合わす事がなくなり私はホッとしていた。

喧嘩しなくて済むと思えば、気持ちが楽になったのだ。

それに今まで彼氏がいると? 女友達から飲みに誘われる事も

なかったが、今度は、私から女友達に連絡して飲みに誘った。



『どうしたのよ? 急に飲みに誘ってくるなんて!』

『えぇ!? ひょっとして、結人君と別れたとか?』

『・・・それがね、一時的にお互い会わない事にしたの!

3ヶ月間は、お互い誰と何処に行ってもいいルールなのよ。』

『結人君、ただ和花以外の女性と遊びたいだけじゃないの?』

『まあ、そうかもしれないけどさー私も彼以外の男性と一緒に遊んで

みたいな~と思ったりもするのよ』

『マンネリってこと? それなら仕方ないわよね!』

『まあね!』

『私だって、好きに遊びたいもん!』

『彼氏がいる女の子の言い方よねぇ~ワタシも早く彼氏が欲しいわー』

『じゃあさあー“男子も入れた飲み会”しようか!』

『えぇ!? それいいね!』

『和花にとっては、新鮮なんじゃないの?』

『そうね』

『ワタシも楽しみだわー』







・・・久々に会った女友達が、男性も入れた飲み会を開いてくれる

と約束してくれた。

私は、久しぶりにドキドキしていた。

彼以外の男性と会って話すなんて、随分としていなかったし。

私のタイプの男性が現れたら? 私はこの先どうなるんだろうと

胸膨らませながら飲み会の日を待っていた。



『明日、飲み会だから少しオシャレしてきて』

『うん! 分かった。』

『和花が気に入った男性がいたら? 直ぐにいってもいいからね』

『うん、ありがとう。』





私は飲み会のこの日を、久々に楽しみにしていた。

飲み会であるオシャレなお店に女友達と一緒に行くと、、、? 

既に男性陣は来て待っていた。



『おーい! ここ、ここ!』

『うん!』




来ていた3人の男性は、タイプの違うイケメンだった。

私達、女性陣も席に座り簡単な自己紹介をして皆で【カンパイ】を

して盛り上がる。

私達は、みんなタイプが違うので好きな男性の所に時間が経つと

横に座り二人で話しだしていた。

私も、タイプの男性と二人で話す。



『和花ちゃんは、好きな人とかいるの?』

『えぇ!? い、いないよ』

『勿論! “彼氏とかいないよね”』

『・・・まさか、いないよ』

『僕みたいなタイプの男性はどう思う?』

『えぇ!?』

『僕は和花ちゃん、もろタイプだけどな~』

『・・・あ、ありがとう。』

『また会える?』

『うん!』

『じゃあーLINE交換しようか』

『勿論! いいよ』

『帰ったら? LINEしていい?』

『うん、』

『和花ちゃん、好きなモノとかある?』

『好きなモノ?』

『今、ハマってるモノとかさ~あったら、教えてよ!』

『じゃあ、後でLINEで教えるね』

『えぇ!? 今じゃないの?』

『ダメ―恥ずかしいから』

『何々? 恥ずかしいモノ? 早く知りたいな~』

『後で』

『可愛いから許すよ~!』






飲み会は、私にとって楽しい飲み会で終わった。

飲み会で会った彼とは、LINE交換もしていたから、家に帰ると?

彼からLINEがきていた。



『今日は、ありがとう。楽しかったよ! また和花ちゃんに会いたい

それと? ハマってるモノって何かな? 直ぐに教えて!』

『・・・実は、“梅干しを一日、30個以上食べる事にハマってて”』

『・・・へーえ、そうなんだ、』

『梅干しって、本当に美味しいよね』

『・・・そうだね、』






・・・彼からは、これっきり!

LINEがくる事はなかった。後で知ったのだけど、彼は食べ物の中で

“梅干しが世界一嫌いらしい”と分かった。。

梅干し好きの私とは合わないと思ったらしい。

その後も、飲み会に何度か参加したが、これといって気に入った男性は

現れなかった。




気が付けば、3ヶ月が過ぎていた。

私に久しぶりに【彼】から連絡が入る。



『よう、久しぶりだな~元気か?』

『まあね、そっちは?』

『俺も元気だよ、どうなの? 好きな奴でもできたのかよ!』

『そっちはどうなのよ!』

『・・・い、いや? 俺はできなかった。』

『私も。』

『なんだかんだいってさー俺達“赤い糸で結ばれてるのかもな!”』

『そうかもね。』

『“ヨリ戻すか!”』

『戻してやってもいいよ』

『素直じゃないねぇ~』

『そっちこそ。』





今は、いろいろあったせいもあって私達は、上手くいっている。

喧嘩もなくなったし、お互いの有難味も分かったよに感じるわ。

やっぱり彼が、私の【運命の人】だったのかもしれないわね。




最後までお読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] いろいろあったせいもあって上手くいっている。 う~ん! オトナ~!( *´艸`)
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