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独白そして罰

僕は川内 長柄≪かわち ながら≫地味で普通な少年だった。休憩時間に、教室の隅の席で本を読みながらじっとしているようなどこにでもいる少年だ。でもどこかキラキラしていた人達に憧れていた。星のようにきれいな人達。僕には決して届かない空の人たち。その中でも、ひときわ輝いていた少年。それが星宮速人だった。気づけば、そんな雲の上の少年になっていた。僕はそれで幸せになれると思っていた。でも本当の地獄はそこからだった。成り変わるために、常に彼ならどうするか、そんなことばかり考える日々だ。僕には想像できない世界だった。この変身がいつ解けるかもわからない。


でもずっと気がかりだったことがある。本物の星宮速人はどこへ行ったのかということである。川内 長柄とい少年はこの世から抹消されていなくなった。バレる前に殺さないといけないと思い包丁を手に探し回ったこともあった。街中探しても見つからなかった。黒い男、大刻、ならばわかるのだろうか。

「僕の身勝手な願いのせいで彼は。」

そんな罪悪感をずっとどこかに抱えていた。クズになりきれない自分自身に何度も嫌気がさしていた。

願いの代償とやらで彼は、ならなぜ僕には傷が。きっと今度もクズになりきれないまま。でも彼女は彼では無い僕に、騙してきた僕をまた愛してくれるのだろうか。誰かを犠牲にしてまで叶える願いなのか。僕の身勝手な願い、心の底で憧れていた、心の底で恨んでいた。 それを覆すために、また誰かを犠牲にしようとしている。こんなのあいつと同じじゃないか。


「あの時あの場所で、先生じゃなく、彼じゃなく、彼女じゃなく俺が死んでれば、良かったのかな。」

「弱き心の持ち主よ。死を願うのならば、叶えてやろう。」

「そなたの命を賭して叶えたい願いを聞きとどけよう。」

「全てを無かったことにして、白取剛しらとりたける星宮速人ほしみやはやと、織田栄≪おだみえ≫みんなを元に戻して」

「御意。彼らの死の前に時間を戻そう。だが決して覆らぬ過去もある。何人の命を犠牲にしてもな。」


すると、気づけば巨大な磨崖仏≪まがいぶつ≫の前の広場に出た。そこにはあの時見たように5つの墓がある。

「よっ川内!」

「川内くん。どうしたの?」

「川内くん、元気にしてたか?」

そこには3人の姿があった。

「みんなごめん、僕の勝手な願いのせいで」


その瞬間身体全身に傷が浮かび上がり、全身に痛みが走る。

「これが咲さんが受けた苦しみ、今までの罰か、、、、、」


「お前のせいで俺がどんな思いしたのかわかんてんだろうなぁ」

「アンタのせいでどれだけわたしひどい目にあったか」

「君みたいなゴミのような生徒は初めてだよ」

頭の中に怒声が響き渡る。

あまりの痛みと怒声に、頭がおかしくなる。声を出す事すらできない苦しみに悶えることしかできない。

「命をもらおうと思ったが、やはりこっちのが愉快じゃwwwwwそなたを助けに万が一でも誰かきたら一石二鳥だしのwwwwwww」




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