死に立ち向かう者たち
「あなたは生と死の狭間にいる。でなければ死神が見えるわけがない」
そう言うと教会に連れて行かれた。こんなところに教会なんてあったかな。なんて思いながら中へ進んでいく。出されたお茶を飲んだ。飲んだことがない味のお茶だ。
「これは貴重なお茶です。無駄にされないように。」
そう言い残し。奥の部屋に入っていった。でも少し視界が暗くなってきた。
「苦しいよ、つらいよ」
声が聞こえる。
「な、んでき、みがここに」
か細く弱った声だ。
そこには自分と同じ顔をした青年が立っていた。
「君はここに来ちゃいけない」
その青年は全身に傷を持ち、目も当てられない姿で呻いていた。
「君はきみの人生を生きるんだ。」
「ようやく目を覚ましましたか。」
なんだったんだあれは夢なのか。夢にしては、やけにリアルだ。
「さっきまでこの教会ありましったけ?」
俺は眠さ紛れに失礼なことを聞いてしまった。
「そうですね、この世界にはなかったかもしれませんねぇ。」
意味深な答えだ。この世界ってことは別の世界があるっていうのか?そんなことをあるわけない。
「あなたはすでに繋がっている。それは死の世界かそれとも別の生の世界か。」
そう言うと、手錠と鎖があらわれた。
「お前何をした?さっきのお茶のせいで幻覚でも見てるのか?」
俺は動揺した。
「あなたは今それを認識しただけ。お茶はそれを手助けしたにすぎない。きっとあの女性も男性もそれに引きずり込まれた。それだけのこと。死を待つか鎖の先に行って死ぬか。あなたにはそれしか残されていません。」
「ま、師匠の受け売りですけどね。」
「進むも進まないもあなたの意思。死を待つほうが幸せだと私は思いますけどね。」
俺は鎖の方へ足を踏み出す。
「あなたはそれを望むのですね。きっとその先は地獄ですよ。」
ここでのたれ死ぬくらいなら、そう思っただけ。俺は歩き続ける鎖の先へ。
「彼は私とは違うようですね。咲、私はあなたたちを守るつもりで逃げていたのかもしれませんね。」
「私は計画とは違うことをしてしまった。やっぱり私は悪者にはなりきれない。」
「きっと彼と私は相反する人間、いずれ衝突する運命。」
「ねぇ、でもきっと会えるよ長美。」
「そのために私は」
「世界の全てを手に入れるための計画を私はこの二人のために。人類を超越した力で生と死のない世界へ戻す。そのために身体を捨てた。人であることもね。咲。」
俺はどこかもわからないまま進んでいく。
「自らお出ましとはな。死へようこそ。本当の星宮速人くん。」




