誰かの命で紡ぎ直された世界
2015年10月
日本
俺は星宮速人。普通の中学生。ただ一つおかしなことがあるそれは両手に大きな傷跡がある。いつついたのかもわからない。同じ傷を持つ白取剛、織田栄とひかれあった。白取は33歳の担任でで胸から腹にかけて大きな傷を持つ。同級生の織田栄には首に傷跡がある。でも少なくとも平和に暮らして来た。毎日こんな日常が続いてほしいと思っていた。でも何か喪失感を抱いていた。しかしそんな日常が終わりを迎える。
ー白取剛が圧死ー
突然の訃報に動揺した。胴体を 完全に破壊されて死んだのだから。傷の位置と一致する。これは俺達も近いうちに死ぬことを示していた。俺達は生き残る手段を探す。ただあてもないまま必死に探し求める。
神薙国
「長美どうかしたのかしら?」
咲が夜中に物音を感じて、寝室を出て宮殿の中を見回していた。
「なんで、こんな」
そこには長美が倒れていた。
「お姉ちゃん、彼女は運命から逃れられなかった。」
振り返るとそこには小さな男の子が立っていた。
「死の運命から逃れる方法は一つしかない。それは人と運命を交換すること。」
「何を?」
「お姉ちゃんはどうあがいても死ねないよ。死ぬほうがよっぽどマシ」
「え?」
それだけ言い遺したまま消えてしまった。
翌朝
「エイレーン、長美が」
いそいでエイレーンを呼びにいった。いまは嫌いとか言ってる場合じゃない。でもお姉ちゃんに触れる姿には殺意を覚えずには居られなかった。
「死なないで、咲だけでも死なないでくれ」
突然の態度の代わりように動揺する。
「君たちが生きていれば、私はそれでいいんだ。それだけが生きがいなんだ。」
「これ以上なにも失いたくないんだ」
「俺達をだましたな!」
怒号が飛び交う
「救済とほざき上がって、人を化け物にかえてたのしいかぁ!!」
教会に火が放たれた。
「これ以上はもうもちません。今すぐ逃げましょう」
「お前はこの記録を持って逃げろ。わしはここで終わりじゃ。もう身体がもたない。力を使いすぎた。お前がこの計画を引き継ぐんだ。」
私は司祭を置いてにげだした。司祭がなくなり、司祭の思惑を知った。私は生きがいを失った。私は計画を引き継ぐことにした。司祭のためでは無く、咲と長美のために。彼女たちが生きていたらそれ以上は望まない。
ターミーの森
「お父さん、お父さん」
舞が叫ぶ。そこには道彦の遺体が横たわる。
「アタシもっとお父さんと話がしたかった。お父さんに愛してるってちゃんと言いたかったよ」
「道彦さん俺らを守る代わりにそんな。厄鬼姫さまから村を守ってくれたのに。」
道彦は伝統の通り、火葬され灰は森に撒かれ、自然に帰った。
「アタシがお父さんの代わりに、みんなを守らなきゃ」
「でも、無理よアタシには、お父さんみたいにはなれない」
舞はそのままふさぎ込んでしまった。
「舞様、わっちと一緒に頑張りましょ。」
「わっちならあなたを支えられる。」




