序章 少女、谷底の主と出会う
この世界アウルバーシュの最大勢力とされている【アウル帝国】その国で、生まれた私アウラ・プラダは気味悪いともっぱら噂されている。
そして、私はこの帝国の成人とされている17歳になる…
アウラ「お呼びでしょうか、お父様」
ガイル「アウラ、お前を本日付けでプラダ家を追放とする。」
ガイル・プラダ…お父様が冷たく言い放つ。
アウラ「どうしてですかお父様!なぜ追放なのですか!私に至らない所があったら直します。どうか!」
ガイル「では、アウラお前は噂を知っているのか?その噂を払拭出来るのであれば家には置いてやろう。」
アウラ「それは…噂ではなく事実なのです。私は幽霊と会話が出来るんです。信じてください!」
ガイル「……。そんな事あるわけ無いだろう!」お父様は机を怒りに任せて叩く。
ガイル「ともかく、これは決定事項だ。せめてもの慈悲だ、最低限の金貨を準備した。幽霊と会話が出来るのであれば、帝国南部の嘆きの渓谷に送ってやろう。」
アウラ「そんな…」私はうなだれる
そして、私は帝都から2週間かかる場所にある嘆きの渓谷に送られる。
衛兵「おい、着いたぞ早く降りやがれ」
衛兵に投げ出される。私は衛兵を睨むが衛兵は気分を害したのかこちらへ来る
衛兵「なんだぁ、その眼つきは谷底に落とされてぇのか?そんなにお望みなら落としてやるよ!」
アウラ「う…苦しい放せ……。」
衛兵「あばよ、幽霊女!」
アウラ「絶対に赦さない、いずれ仕返ししてやる!」
衛兵「ギャハハ!生き残れたらいいなぁ!」
そして意識が遠のいていくのを感じるままに目を閉じた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は目を覚ましたけれど、体が思う様に動けない。
アウラ「確か…谷底に落とされて…よく目を覚ましたものね…。」
見渡せる範囲内で辺りを見た。谷底であるというのははっきりしている、そして意識が戻ってしばらく時間が経つとアンデッド達が現れだした。
「ん?また人間が谷底にやって来たのか…いい加減にしてくれ…。」
「また人間が落ちてきたか…。鬱陶しいもんだ。」
「まぁ、どうせすぐに死ぬんだ。いつもと変わらねぇよ」
「でも、何か凄え魔力が循環してねぇか?」
「ん?そう言えばそんな感じもしなくは無いが…。」
「まさか、その女が放出してるんじゃ……?」
アンデッド達が私を見て他の者達と会話をしている。
「あの方を呼んで来てみたら良いんじゃないか?」
「んじゃあ、呼んで来るわ」
???「何だ?随分と騒がしいじゃないか、何があった?それに魔力が滾っている様にも感じるが…。」
此処の主らしきアンデッドが現れた様に見えた
「あ、ジェルガ様!先程人間が落とされて来たみたいで、その女から魔力が溢れているみたいでやんす。」
ジェルガと呼んでいたアンデッドがこちらへ向かって来ている、ああ、今度こそ死ぬんだなぁと思っていた。
ジェルガ「ふむ、そうなのか…。」
「そこの娘よ、お前は生きたいか?それとも何もせずにそのまま息絶えて此処に縛り付けられアンデッドとして彷徨うか?」
ジェルガというアンデッドは私に選択を迫って来た。だがもちろん私は生きて復讐するのだと…。そのためなら……。
アウラ「生き残り、この屈辱を持って復讐がしたい!」
ジェルガ「ふむ、そうか。ならば力が欲しいか?」
アウラ「力が得られるのなら人間を捨てる事も辞さないわ」
ジェルガ「そうか、ならば私を取り込むがいい。私を取り込みお前の自我が残れば、人類を超越することが出来るであろう!」
アウラ「もし、私が自我を保つことが出来ないともれなく完全に死ぬのね」
ジェルガ「そうなるな」
アウラ「いいわよ、受けて立つわ」
ジェルガ「そうか、ならば始めるとしようか。」
不定期更新になりますので、もし気になった方は下の↓☆の評価をしていただけたら幸いです。