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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

囚われ聖女

囚われ聖女は重愛で覆い隠される

作者: 岡島 光穂

6/4 ほんの一部だけ、加筆修正しました。最終データでは無かった事に気付かなかったんです…申し訳ないです。物語の流れは変わらないです。



――ある王国、農夫たちの会話



「何か最近、小さいが魔物が多くなってきてないか?」

「あぁ、王都で聖女が攫われたとか、王太子が聖女と婚約破棄したとか、誰かが聖女を貶めたとか、色んな噂があるから、その辺の事情なんじゃねぇの?」


「聖女? 結界張ってるとか言う?」

「そうそれ。でもさ、俺ら見た事も無いし、結界以外の話知らないから、よく分かんねぇよな」


「王太子と結婚したら、聖女として全土にお披露目って話だったしな」

「そもそも、結界もよくわかんねぇ。教会の連中でできんじゃねぇの? それに、その噂が出る前から魔物も増えてたしな」


「あんまり力が無い聖女だったんじゃねぇの? それに聖女が居なかった時だってあるんだし、そんな騒いでないし、然程問題じゃねぇんだろ?」

「居ても居なくても、地方の農民にゃあんま関係ねぇか」


「だな。どうせなら農作物の育ちを良くしてくれる聖女サマが欲しいなぁ」

「違いねぇ」





魔王の居城、執務室――



 執務用の机に座り、報告を受ける魔王ジェラール。

 報告をするのは側近アモン。ジェラールの斜め後ろには護衛兼側近のマルバスとパイモンが控える。


「現在、アリア様がいらっしゃった国では、結界は弱く更に狭まり、境界付近に魔物が増えつつあります。更に、瘴気の浄化も追いつかず、特に王都では身体に不調を訴える者も増えているようです」


 ある程度の予想通りの展開なのか、顔色も変えずジェラールが頷き続きを促す。


「あのバカ共はどうしている?」


「王太子は王位継承権の剥奪、かろうじて王族籍は残しているものの、厳しいと評判の北の辺境伯家騎士団で一騎士として魔物退治に勤しんでいます。北は聖女の結界の重要さを知っている数少ない貴族ですから、対応はだいぶ厳しいものになるでしょうね」


「もう一人は?」


「聖女を騙った者は、女性しか居ない厳しい修道院に幽閉。……といっても、修道女としてというより、下働きの様にこき使われているようです。教会が一番憤慨していますからね。……侯爵家の娘として蝶よ花よと育てられ、自分では何もした事の無かった娘が、逃げ場の無い場所で悪意に晒され続け、自殺も出来ないよう監視され……どれ程持つものか楽しみですね」


 ほんの少しだけ口角を上げるアモンに、ニヤリと笑い返すジェラール。


「ふん、当然だ。民の前で罪を公にされ、石を投げられ公開処刑されるよりはマシだろう」


「王子との婚姻まで……聖女本来の姿を取り戻すまで、アリア様を民の前に姿を見せない手配が幸いしたのか、仇となったのか…民はアリア様の重要性を全く理解していません。『聖女を貶め、更に国外追放を言い渡した』という、本来ならば許しがたい罪でも、聖女の有用性を説いてこなかった国として、今となっては公に出来ないんですから」


「あの二人にとっては悪名を背負い処刑される方が幸せだったかもな。……まぁ、大げさに『聖女奪還』とこの国に攻め込めないのは、こちらにとっては幸いか。負ける事は無いし絶対に渡しはしないが………対応するのも時間の無駄だ」


 呆れを含めたジェラールの言葉の中に、ほんの少しの殺気が籠る。


「そうですね。魔王陛下に連れ去られた事は、あの場に居た者達には箝口令が敷かれ、噂としても『攫われた』程度に止まっているようです。まあ、他国に知られるのも時間の問題ですが」


「なら良い。国王も馬鹿息子を持って苦労するな。……私にとっては最高の馬鹿王子だがな」


 堪え切れずジェラールから笑いが漏れる。


「ちなみに、事情を知っている国王と教会、一部の高位貴族は、偽聖女の家を静かに没落させる準備をしていますよ。王太子妃の座はそんなに甘美に見えたのでしょうかね」


「はっ、どうでもいい。……だが、あの国に関してはこれからも情報収集を行え。但し、アリアにはあの国の状況は一切知らせてはならん。いいな?」


 ジェラールは馬鹿共がどうなっても、心底どうでも良いと吐き捨てる。

 しかし、あの国に関しての情報がアリアに行っては困る。もし何の罪もない者達が苦しむ可能性があると分かれば、戻ろうとしてしまうかもしれない。……私のついた嘘がバレて嫌われても困る。

 瘴気が多い場合は、王侯貴族に向く様に魔法陣を組んでも良いかもしれない。……あとでマルバスにやらせよう、とジェラールは心に決めた。

 そんなジェラールの心の声は聞こえていないだろうが、少し笑んだアモンが礼で応える。


「魔王陛下のお心のままに」





魔王の居城、アリアの私室――



 アリアは侍女兼護衛であるハルピュイアのハルに、お茶を入れて貰っていた。


「ねぇ、ハル。このお城にはお祈りを捧げられる場所ってあるのかしら? この場所で祈るのも良いのだけれど、もし祭壇があるのならそこで祈れればと思って……」

「はい、アリア様。魔王陛下がアリア様の為に整えられた祈りの間がございます」


 カップを持ち、口をつけようとしたが、驚きでぽかんとした顔をしてしまった。


「ジェラールが? 私の為に祈りの間を?」

「勿論です。アリア様が不自由を感じる事の無い様にと、魔王陛下自らこのお城全体を見直されました」

「そうなの?……もっと早く教えてくれれば良かったのに」

「魔王陛下より、アリア様から問われた時に答えるようにと申しつけられておりました。来たばかりで案内すれば、疲れを気にせず祈り続けてしまうだろうから、と」

「………」


 アリア的には衝撃の事実に、頬が緩み熱くなる。

 そっとカップを戻し、頬の熱さを鎮める様に手を当て、少しだけ顔を俯かせる。


「アリア様?」

「ジェラールが、色々考えてくれたのかと思うと……嬉しくて」


 俯いたアリアに、窺う様なハルの声が掛かる。

 自分の行動が少し怪しいのは理解できる。だが、自分の為に動いてくれたジェラールの気持ちが嬉しくて仕方ない。

 顔を上げられぬまま言葉を返すアリアに、お可愛らしいと少し笑いを含んだハルの声が応える。


「それは是非、魔王陛下に直接お伝え下さい。きっと喜ばれます」

「そうね。ちゃんとお礼を言わないとね」

「はい、それが宜しいかと」


 ……未だ顔を上げられぬアリアに、笑いをかみ殺すのが辛いハルだった。





魔王の居城、祈りの間――



 用意されていたヴェールを被り、祭壇に向かい一心に祈りを捧げるアリア。

 纏う空気は清廉で、キラキラ発光している様にも見える。

 そんなアリアの邪魔をしない様、控えていたハルを下がらせたジェラールは、壁に背中を預け、静かに見つめる。


 どの位時間が経過したのか、アリアが目を瞑ったまま顔を上げ、組んでいた手を解き、手のひらを上にして前へ伸ばしたと同時に、煌めきがふわっと大きくなり、霧散した。

 一呼吸を置いて、一礼の後立ち上がり、踵を返したアリアはジェラールを見つけ、驚きの顔のままパタパタとジェラールの側に寄る。

 

「え? ジェラール?」

「もう良いのか? アリア」

「ええ、もう大丈夫です。いつから居たのですか? 声をかけてくれれば良かったのに…」


 手を伸ばせば届く距離まで近寄り、少し拗ねた色を含ませた抗議をする。


「余りに美しくてな。つい、見惚れていた。きっとずっと見ていられる」

「~~~っ」

「アリア?」

「その……美しいとか……恥ずかしくて……」


 頭を撫でられながら、甘い瞳で覗き込まれ、そんな言葉をかけられては顔が赤くならない筈が無い。

 アリアはヴェールをくしゃりと握り、顔を隠す。

 そんなアリアにくすりと笑い、ジェラールはヴェールを取り上げる。

 抗議の目を向けられるが、気にせず頬に手を添え上を向かせる。


「アリアの祈る姿はいつも美しい。前からずっと見ていた」

「ずっと……? 姿が変わる前もですか…?」


 ジェラールの言葉に、きょとんとした顔を返すアリア。


「ああ。アリアの結界は私を傷つけないし、教会の警備など私には無意味だからな。祈りの時間には出来るだけ行っていた」

「ちょ……え…」


 教会の厳しい警備を掻い潜った事を指摘すべきか、祈りの時間に近くに居た事に気付かなかった事を謝罪すべきか、短い言葉の割に情報量が多くアリアは混乱する。


「どの姿であっても、アリアは美しいぞ? 祈る姿は神聖で美しく、楽しく笑う姿は可愛らしい」

「は……」


 正面から賛美の言葉と蕩けた瞳を向けられ、アリアの頬が熱くなる。


「外見など、差異にすぎん。アリアの美しい内面が、魂が、私の感情を揺さぶるのだから」

「ジェラール…」


 続けられる言葉に、アリアの鼓動は早まり、名前を呟く事しか出来ない。


「だから私には、美しく可愛らしいアリアにしか見えない。すぐそばに在れる事が嬉しくて仕方ない」

「わ…私も……嬉しいです…」


 本当に嬉しそうに微笑まれ、アリアの胸の高鳴り止まらず、熱い頬が緩むのも止められない。


「アリア……私の可愛いアリア」


 額にキスを落とされ、すぐに優しく抱きしめられる。

 アリアはおずおずと背中に手を回し、ジェラールの胸に頭を預ける。

 この腕の中が心地好く、ずっとこうしていて欲しいと思うのは、恥ずかしいから秘密だ。

 頭のてっぺんにキスを落とされ、髪を梳かれる気持ち良さにうっとりしていたアリアは、先程ハルとしていた会話を思い出した。

 このままの状態で居たい欲望を振り切り、アリアはほんの少し頭を離し、顔を上げる。


「あの、ハルにジェラールが色々整えてくれたと聞きました。それで、お礼を言わないとと思って…」

「アリアの為に整えるのは当たり前の事だ。アリアが喜んだり、嬉しがる姿が私の喜びになるのだから」


 さも当たり前の様に言われ、苦笑が漏れる。


「でも、ありがとうございます、ジェラール。すごく嬉しいです」

「アリアの喜ぶ顔が見れるなら、私は何でも出来る気がするな」

「ふふ、私もジェラールに喜んでもらえる事を探しますね」

「それなら簡単だ」

「?」

「ずっと、私の傍に居てくれれば良いだけだからな」


 笑んだままお礼を述べると、ジェラールも笑み、アリアは幸せな気分になる。

 傍に居れば良いとの言葉と共に唇に軽くキスを落とされ、アリアの顔は瞬間的に真っ赤に染まる。


「~~~っ! もう!」

「ははは。赤い顔も可愛いぞ」

「意地悪言わないで下さい!!」


 照れ隠しに少し怒ってみるも、楽し気に笑われ、結果アリアがダメージを受ける。

 少し口を尖らせ顔を背けると、宥める様に背中をトントンと軽く叩かれる。


「すまんな。……それよりも、こちらに来てもう1週間だが、何か不自由は無いか? 不愉快な思いはしていないか?」

「はい。侍女のハルやアルも良くしてくれてますし、魔獣のグリフォンやフェンリルの仔とも遊んだのですよ」


 話題を変えてくれたジェラールに有難く乗り、アリアは顔を輝かせながら語る。


「それは良かった。ハルピュイアとアルラウネは護衛も兼ねているから、部屋から出る時はどちらかを必ず伴うようにな」

「はい。そういえば、元の姿に戻ったのも見せて貰いましたが、すごく綺麗でした…」


 綺麗なお姉さん方が護衛も兼ねると紹介された後、色々話を聞き、その際に元の姿を見せて貰った。ハルは鳥人タイプで肩から先が翼に変わり、羽毛がキラキラと綺麗だったし、アルは髪が薔薇の蔦となり、それに付随する大きな花も綺麗だった。


「ほう、元の姿も見せたのか。アリアに心から仕えるという意思表示だな」

「そうなのですか?」

「あの二人は種族の中でも能力・プライド共に高いからな。自分の主人と決めた者にしか元の姿は見せん」

「まぁ…私を認めてくれたという事なのですね。……嬉しいです」


 人型も綺麗だが、元の姿も美しく、見惚れたアリアに二人は苦笑し、忠誠を誓ってくれた。あれは、主人の妻となる人へ対するものかと思っていたが、アリア個人に対してだったらしい。それは……すごく嬉しい。


「この城にアリアを害そうとする者は居ないと思うが……もし、何かあった場合はすぐに私を呼ぶのだぞ?」

「はい。ありがとうございます」


 嬉しそうなアリアの頭を撫でながら、ジェラールは念を押す。


「あとな……その……」

「どうしました?」


 急に口ごもったジェラールを、アリアは首を傾げながら見上げる。


「私にも、砕けた口調で話して欲しいのだが……」

「え?」


 ジェラールから飛び出した言葉に、アリアは一瞬に時が止まった感じがした。


「ハルピュイア達と話しているのを見ていて思ったのだ。……私にもあの様に話して欲しい」

「えと……頑張りま……頑張るわ」

「ああ、頑張ってくれ」

「は………うん」


 基本的に敬語で喋り続けていたアリアは、ハル達と普通に話すのも数日かかった。

 しかし、ジェラールからの願いに否は言えない。言いたくない。

 アリアは気を付けるぞ、と心の中で拳を握る。


「ああそうだ、3ヶ月後に大々的に結婚式を行うから、ドレスの選定を急がなければな」

「えっ? 3ヶ月後?」


 敬語を外す決意をしていたアリアに、違う方向からジェラールの攻撃が行われ、驚いた声を上げてしまう。


「アリアがこちらの環境に慣れてからの方が良いと思ったが、もっと早い方が良いか? 一応すぐ挙げる場合も考えて、仮のドレスは用意してあるが…」

「いっいえ! 思ったより早かったと言うか……」


 早めにと言えば、来週にでも手配しそうなジェラールに、アリアは頭を横に振り否定を伝える。半年位先なのかな? と漠然と思っていただけなのでびっくりしたのだ。


「3ヶ月でも長めに設定した方だ。名実ともに私のアリアだと早く周りに理解させたい。………アリアに横恋慕など許さん…潰す…」

「そ……そんな人居ないですよ……」


 申し訳なさそうに言うジェラールだが、最後の言葉と気配が不穏過ぎる。

 今まで教会と学院以外で異性と喋る事も稀だったし、王太子の婚約者だったから恋愛とはかけ離れていた。流石にジェラールの考えすぎとアリアは思う。


「アリアは自分の事が解っていない。隙を狙っているヤツはごまんと居る。私が相手だと解っていてもだ!」

「………」


 流石に魔王陛下が連れてきた女性に、手を出そうとする猛者は居ないのではないだろうか? という思いを込めて見上げるも、軽く眉を寄せられる。


「信じてないな。……まあいい。だから、一人では絶対に出歩かない事と、何かあった時は私を呼ぶ事だけは徹底してくれ」

「…………はい」


 大丈夫だと思うが、忠告には従うべきとアリアは諾を返す。


「怯える必要は無い。……私が必ず守る」

「……はい。ありがとうございます」


 間を怯えと取られた様だが、守るという言葉に心が温かくなり、素直にお礼の言葉が口をつく。

 よしよし、と頭を撫でられご満悦なアリアに、ジェラールは次の行動の提案しようと口を開く。


「さて、夕食……には少し早いか。茶にするか? それともどこか……」

「では…一緒に散歩、しませんか? どこを手直ししたのか、知りたいです」

「ああ、喜んで」


 アリアからの提案に、ジェラールの頬は緩む。

 敬語を外し忘れているのに気付かないアリアを可愛く思いながら、腰に手を回し、二人並んで歩き出す……。

 




魔王の居城、ある部屋――



 カーテンも閉められた薄暗い部屋の中に、アモンとマルバスの姿があった。

 報告の後、ジェラールがアリアの元に行くとの事で、護衛は最小、パイモンのみ同行となった。


「ねぇマルバス、貴方でしょう? 王太子と偽聖女の部屋に、瘴気を流し込む魔法陣仕込んだのは」


 紫煙をくゆらせ、アモンがマルバスへ問う。

 酒の入ったグラスをあおり、悪戯が見つかった子供の様な顔でマルバスが答える。


「……バレてたか。あいつらアリア様への劣等感とかで感情がぐちゃぐちゃでさ、瘴気で体調が悪くなるんじゃなくて魂が濁っていったから、丁度良かったんだよね」

「痕跡はちゃんと消してきたんでしょうね?」


 へらりと笑うマルバスに、アモンは不機嫌そうな流し目を送る。


「勿論。陛下がアリア様をこっちに連れてきた瞬間消したよ。……まあ、あいつらならそんな事しなくても、色々やらかした気はするけど」


 くくく、と楽し気に笑い酒を継ぎ足すマルバスに、アモンは嘆息する。


「陛下も気付いていて何も言わないですし、あの国に憂いを残す事無く連れて来れましたから、結果的に良かったのでは?」

「あ、やっぱり陛下も気付いてた? でも怒られてないからいいか」


 アモンからの情報に、マルバスはペロリと舌を出す。

 マルバスの子供の様な仕草に、アモンは少し眉を寄せた。


「当たり前です。……自分の悪意が増幅して、それが元での破滅。徐々に瘴気が抜けて意識が正常に戻った時の気持ちはどんなものなのでしょうねぇ……」


 うっそりと嗤うアモンをマルバスは楽し気に見る。


「さあねぇ、弱い人間なんて興味無いよ。ホント、あいつ等にアリア様は勿体無いよねぇ」

「全くです。このまま陛下の隣に、できるだけ長い時間居て欲しいものです。アリア様が居るだけで、こんなにも自分の感情が瘴気に左右されないと思いませんでしたから」

「本当だよね。アリア様の結界のおかげで、自我を失う魔獣も減ったし、全体的にピリピリした雰囲気が無くなったよね。ほんの1週間なのに、凄いよね」


「その力を狙う愚か者達は増えるかと思いますがね…」

「うんうん。アホな事考えてる奴等は、見つけ次第殲滅で良いよね?」

「ええ。陛下の手を煩わせない様、アリア様の目に触れぬ様お願いしますね」

「任せてよ!」

「期待していますよ」

 

 くすくすと嗤い合い、物騒な事を言う二人はきっと、ジェラールとアリアの為に使う労力を厭わない……。



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― 新着の感想 ―
[一言] シリーズ読んで最初、魔王さん側の国の利益があまりわからんかったけど、瘴気って人間側だけじゃなくて魔王さん所にも影響あったんですね 魔王さんの恋愛的な関係だけじゃなく、最後の配下のお話的に魔物…
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