生きる為に
目を開けると、夜の世界が広がっていた。そこは倒れた場所だった。
「そうだよな。主人公がピンチの時に誰かが救ってくれる。そんな展開漫画やアニメの世界だ。心のどこかで誰かが助けてくれるって思ってた。
俺はまだ死んでない。人間って案外死なないもんだな。元の世界に戻りたい。みんなに会って一言いいたい。だから、俺はこの世界で生きて行かなくちゃいけない。
どんなに苦しくても、惨めでも、俺は生きる。死ぬ間際になって初めて死ぬのが怖いと思った。死ぬ気になればなんでもできるはずだ」
光は力を振り絞り起き上がった。そこからの光は変わった。まず火を起こした。前は手が痛いから腕が疲れたからとすぐに諦めていたが、手の皮がはげて血が出てもやり抜いた。
そして朝がきた
「うおおおぉぉーー!!」
力一杯叫んだ!
「火がつくのがこんなにも嬉しいなんて!火があるだけでこんなにも落ち着くなんて!これで夜寒い思いしなくて済むし、灯りがあるから安心できる!料理もできるぞ!」
次に食料を探した。まずは食べれそうな植物を探した。
「可食性テストってあったな。確か皮膚に何分間かその植物を置いて問題なければ、口へ。また問題なければ舌。その次は咀嚼してみて、少量実際に呑み込む。8時間後、問題なければ食べれる。そんな感じだったはず」
食べれそうな植物を何種類か集めて、可食性テストを行い食べれる植物を確保した。
(なんか、ジャガイモみたいだから芋って名付けとこう)
次に虫を見つけた。虫は貴重なタンパク源である。
(これは、バッタ。これは幼虫とでも名付けとくか)
火を起こしたところへ戻り、芋とバッタ、幼虫を火で焼いた。
「生きる為だ。頂きます」
まずは芋。
「まっず!見た目芋、匂い芋、食感芋、味茄子。茄子の味はいまだにダメだ!」
次にバッタ
「え、美味しいかも。見た目バッタ、匂い無臭、食感パリパリ、味小魚。これはいい」
最後に幼虫
「見た目的にきついけど…見た目でかい芋虫、匂い無臭、食感むにゅっからのとろーり、味カスタードクリーム!目を瞑ればデザートやん!」
気がつくと、光はの目から涙が溢れ出していた。
「あれ?おかしいな。悲しくもないのに…大して美味しくもない食事。それなのに涙が止まらない。あー、俺は生きてるんだ。今の世の中は恵まれているけど、昔はこうやって生きてたんだもんな」
光は実感していた。生きることの大変さ。生きることの喜び。現代社会では味わえない感覚だった。
「俺は1度死んだ。生まれ変わったんだ。名前を変えよう。小さい頃からずっと考えてた。中二病なんでね。『ウェザー・E・ライト』これだ」
ウェザーはこっちの世界にきた事を心に刻んだ。
見上げると星空が広がっている。
「もう夜か、火が消えないよう定期的に薪を燃やさないとな。でも、化け物いや、魔物だな。火につられてやってこないかな」
ウェザーはこの世界にきてから、1度痛い目を見ている。この森を探索中にも何度か目撃していた。それも、襲われた魔物だけではない。多種多様だった。火に近づいてくる魔物を懸念していた。
「難しいかもしれないが、危険は犯せない。いざとなれば火を捨てて逃げるしかない。木の上から様子を見て定期的に起きて、上から薪を火の上に落とそう」
そして、朝がきた
「眠い。寝た気がしない。でも見ていた限りじゃ魔物は来なかったな。と言うか1人に慣れたせいか、口に出してしまうな」
そんな事を言いながら、木から降りた。
そして、昨日取っておいた芋を食べ、川から水分を摂取した。
「相変わらず、芋はまずい。今日も食料を調達して、それから木の上に雨除け出来るように屋根を作ろう。火も消えないようにしないといけないし、やる事だらけだ」
ウェザーは食料調達の為、捜索を始めた。ウェザーは基本森で迷子になるのを避ける為に川沿いに近いところで絶対帰れる範囲でしか、捜索しない。そういうルールを設けてやっていた。
「今日は上流側に行って、食料と薪と屋根の素材を探そうかな。今の拠点にこだわる事はないし。拠点といっても、火があるだけだから移動させればいいからね。誰に向かって言ってるんだ?」
上流側に向かうと、そこには1人の女性がいた。ウェザーは驚いた。人がいると思っていなかっただけに声が出なかった。向こうはこちらに気づいたかと思うとどこかへ走り去っていった。
「今の幻じゃないよな?遠目であんまり分からなかったけど、女の人だった。この近くに村があるのか?言ってみよう!」
ウェザーは女性が走り去っていった方へ向かって行った。すると集落があった。集落は木の丸太で大きな塀が作ってあり、その塀には監視する為の場所も設けられている。そこに何人かが外の様子を伺っている様子だった。
「ここが入り口か。やった人に会える!これで助かる!」
ウェザーは門の場所を見つけ出し集落の中に入ろうとしたその時
「止まれ。そこの人間」
ウェザーは声が聞こえた方に振り向くと武器を構えたエルフ達がそこに立っていた。
To be continued




