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秋の話~プロローグ
夢を見た。
それはかつて私が向こうにいた頃のものだ。
その子はとても穏やかで、優しい子だった。
そして、私と同じ特徴を持っている、数少ない子だった。私はそれを知った時とてもびっくりしたけれど、とても嬉しかった。
その子はルームメイトで、ライバルで、親友だった。
もう一度過ごす青春時代のパートナーで、欠かせない存在であった。
一緒に笑って泣いてご飯を食べて。そんな生活をずっと過ごしていて、これからもずっと過ごしていたかった。
けれど。
珍しいものは、他者の興味をそそる。
私たちの特徴が周りに知れ渡るのはあっという間だった。そして、研究対象になるのも一瞬だった。
嫌だという叫び。
引き離される手。
——その手を取れなかったことを、私は一生後悔している。





