表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
普通の高校生とヴァンパイアの四季  作者: 湯西川川治
夏の話
71/226

欲望はあれども暑いものは暑いんです 3

     3


 というわけで各自考えてきた原稿が出揃ったので発表会だ。まずは鮫ちゃんの紹介記事。記者は僕だ。

『鮫川衣香さん。通称『鮫ちゃん』です。今年入部してきた1年生で、甘いものには目がありません。早くも兼部している弓道部のエースとして活躍していて、インターハイ出場も確実と言われています。皆さん、応援ください』

「……こんなに褒めちぎってどうするつもりなんですか」

「褒めることしかないんだって」

 まぶしいくらいに誇らしい後輩なのは間違いないし。


 続いて、美菜ちゃんの紹介記事。記者は鮫ちゃんだ。

『七山美菜さん。新聞部の2年生。副部長で、私の先輩です。どこかツンデレで全くもって素直じゃない先輩ですけど、そこが可愛いところ! なのでお見知りおきを』

「わたしのどこがツンデレなんですか」

「自覚ないんだって、未広先輩」

「困ったもんだね」

「何なんですか!」


 最後に、僕の紹介記事。記者は美菜ちゃんだ。

『春日井未広さん。わたしの1個上の先輩で、どこかやる気のなさそうな新聞部の部長さんです』

 のっけから毒こもってるなあ。普段の所業をここぞとばかりに晴らそうという気が表れていた。

『でも、皆から信頼を寄せられる頼もしい先輩です。肝心な時にはしっかりと皆をまとめて引っ張ってくれる先輩が、わたしは大好きです』


 ——大好きです。


 この5文字に心がざわついた。日本語と言うものは難しい。一つの言葉を取っても何通りもの解釈があり、どう受け取るかも十人十色だ。でも、どこか嬉しかった。

「ありがとね」

 感謝の言葉を漏らそうと思ったら、その主が部室にいなかった。

「美菜先輩なら急なバイトが入ったって抜け出していきました。愛されてますね、先輩」

 ニヤニヤする鮫ちゃんに、悔しくも僕は何も言葉を返せなかった。

「さっさと告っちゃえ」

「……善処します」


 ちなみに顧問と副顧問の存在ををすっかり忘れていて、千佳子先生にゲラを持っていった時に自分たちだけずるい、とうらやましがられたので、2人の分は夏休み明けにやってもらうことにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ