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普通の高校生とヴァンパイアの四季  作者: 湯西川川治
最期の冬の話
175/226

生徒会長がいないってどういうこと 3

城崎みやび生徒会副会長(イメージCV:内山悠里菜)

     3


「あ、未広先輩こんにちは」

 座っているのは城崎みやび副会長だけだった。

「こんにちはみやびちゃん。会長は?」

「あいさつ回りで今日は帰ってきません」

 ほら、とみやびちゃんは空になっている生徒会長席を指差した。外出中の札が机上に置いてあった。

「会長に会いたかったんですか?」

「代替わりしたから取材をと思いまして」

「なるほど」

 生徒会新執行部の特集号、と言うことで生徒会役員みんなのインタビューを新聞記事にするため、生徒会室へと来ていた。会長から順に行こうと思っていたけれど、いないなら仕方ない。

「みやびちゃん先にやっちゃおうかな」

「私もまたやるんですか? こないだやったばっかりなのに」

「新副会長就任記念ということで」

「まあいいですけど」

 みやびちゃんがそう言いながら応接スペースのソファーに腰掛けたので、対面に腰掛ける。

「というかなんで先輩が来てるんですか、取材」

「美菜ちゃんは入院中だし、鮫ちゃんは弓道部だし、エミールはちょっくら帰国しちゃったし」

 エミールは『ちょっくらだからすぐに帰ってくるぞ』って言うからタフだなあと思った。

「受験生が取材の最前線だなんて、ブラックですね新聞部って」

「好きでやってるところもあるからいいんだけどね」

「受験勉強しなくていいんですか」

「大丈夫だよ。東京文化大だったら安全圏だし」

 一応、一度もB判定以下を取ったことがないことは自慢だ。

「とはいえ、未広先輩の話をする人たち皆心配してるんですから。もちろん私も。あれじゃ私たちと一緒に3年生だー、とか、浪人生まっしぐらだよー、とかって」

 ……一つ目の方は誰が言ってたのか後で詳しく聴こう。

「そこまで言うほど成績悪いわけじゃないからね」

「良く補習食らってますよね」

「それは先生たちと仲がいいから逆に掴まりやすいというか」

「インタビューでこれからも未広先輩の指導お願いしますって言いましょうか」

「大丈夫です間に合ってます」

 そんなこんなな雑談をしつつ、みやびちゃんの取材は無事に進んでいった。

『それでは最後に、生徒の皆さんに一言お願いします』


『また私を副会長に選んでくれてありがとうございます。全力で新会長と生徒の皆さんの学校生活を支えます!』


 さすが副会長志望。下支えする準備は出来ているみたいだった。

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