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第80話 あれ?聞き慣れた美少女の声が聞こえてくるぞ

「すざくさーん、中にいるなら開けて下さーい」

 

 う……

 何やら眠気を覚ますような女子の声が聞こえる。

 ありゃ、たぶん赤月だろう。ホント、やかましいな。

 というか外がすっかり真っ暗だが、どのくらいの時間なんだ?

 

 げっ。し、七時二十五分……

 バカヤロー!完全に寝すぎじゃないか。

 


「すざくさーん、留守なんですか? いるなら返事して下さい」

 たく。何度も何度も。

 しばらく放っておいてくれ。


「もしかして本当にいないんですかー?」

 はー。この分だと、一向に声掛けが終わらなそうだ。

 仕方なくドア前へ移動を行う。


「何だ、どうしたんだ?」

 首輪姿を見られないようにする為、扉越しから声をかける。



「もうやっぱりいたんじゃないですかー。なら、もっと早めに返事を返してくれればいいのに」

「わ、悪いな。取り込み中で声に気付かなかったんだ」

「なんだ、そうだったんですか。であれば、しょうがないですね」

「分かって貰えて助かる。ただ、実は今も忙しくて手が離せない状況なんだ。申し訳ないが、他の誰かにお願いとやらを頼んでくれ」

「嫌です。すざくさん以外では意味がありません」


 たく。どいつもこいつもホントに強情だな。

 少しは俺の都合も考えてくれ。


「お前も分からない奴だな。俺は忙しいんだってば」

「じゃあ、私もお手伝いしますので作業を終わらせた後に話を聞いてください」


 あ、なるほど。確かに赤月が協力してくれればさまざまな手間が省ける。

 こっちとしてもありがたい限りだ。しかし、やはり首輪姿を見せるのは気が引ける。

 残念ながら断るしかないだろう。


「お前の気持ちは嬉しい。だが、一個人の理由でわざわざ他人の手をわざらわせる訳にはいかない。従って作業は俺のみで行う」

「……分かりました。私は不要なのですね」

 途端に赤月の声が小さくなる。


 うわっ。なんか、とてつもなく悪い事をした気分だ。

 そりゃ、人の好意を踏みにじったんだから当たり前か。

 一応、軽く声でもかけておこう。

 

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